世界最大手の独立系オルタナティブ投資運用会社マン・グループは、1月30日、国連責任投資原則(the United Nations-backed Principles for Responsible Investment (PRI))の署名会社になったと発表した。
国連PRI は、2006年当時の国際連合事務総長であるコフィー・アナンが金融業界に対して提唱したイニシアティブで、環境、社会、企業統治(ESG)の課題を投資の意思決定に取り込むことでより広範な社会の目的達成を可能にするような投資
を推奨するための枠組み。世界の金融機関988社が署名し、このうち126 社が英国の企業。マン・グループは、署名企業の中で英国系で最大のオルタナティブ投資運用会社となる。
マン・グループ関係者は、今回の署名にあたり次のようにコメントしている。
マン・グループCEO のピーター・クラーク氏
今回の署名は、マンが責任投資に継続的に取り組むことを明示するものです。マンが国連PRI に署名することでオルタナティブ投資業界の企業がこれに続くことを願っています。
マンのエグゼクティブ・コミティ・メンバー兼GLG シニア・マネージング・ディレクターのピエール・ラグランジュ氏
持続可能な(サステナビリティ)投資が広がることは、長期的投資価値を高めリスクを軽減し、運用会社、投資家、社会、環境といった全ての関係者を利するものです。GLG のこれまでの努力が本日の国連PRI 正式署名につながりました。2008 年に国連総会でサステナブル投資について演説し、運用担当者が環境・社会・企業統治に配慮して投資判断ができるようなテクノロジーを導入し、サステナビリティと経済パフォーマンスを合致させることを目的としたグローバル・サステナビリティ・エクイティ・ファンドを創設しました。国連PRI に署名することでさらにこれらの努力を拡大させることができ、大変喜ばしく思っています。
GLG グローバル・サステナビリティ・エクイティ・ファンドの運用担当者ジェーソン・ミッチェル氏
マンの署名は、国連PRI の推進を我々が積極的にサポートすることを示すとともに、投資コミュニティに対する国連PRI のような規範的な国際的枠組みがもたらす効果を実証しています。また、我々の環境ファンドに始まった一連のプロセスをより広範な地球全般のサステナビリティのテーマに拡大するのが次なる段階であることを明らかにし、サステナビリティをオルタナティブ投資戦略全般に適用させるという我々の現在の努力を加速させることにもなります。
PRI に関するマンの取り組み:
- 運用担当者がESG に配慮し、上場企業に対してはESG 基準の向上を促すことができるようテクノロジーと研修に投資をする。
- UCITS のロング・オンリー戦略であるGLG グローバル・サステナビリティ・エクイティ・ファンドの運用と、同じくUCITS のロング・オンリー戦略であるヴァージン・マネー・ユニット・トラスト・マネジャーズの気候変動戦略の運用管理をする。
- ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ世界指数の構成銘柄の基準となるコーポレート・リスポンシビリティ・プログラムを実施している。
- カーボン・ディスクロジャー・プロジェクトに署名し、FTSE4Good のメンバーとなっている。
- オックスフォード・マン研究所の学術的教育・研究を支援している。
- マン・ブッカー賞のスポンサーに加え、マン・チャリタブル・トラストを通して慈善事業と地域社会をサポートする。
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