マネックス証券、NISA利用に関する調査結果を公表


マネックス証券は、 2月13日(月)のNISAの日を控え、 毎年恒例のNISAや投資に関する意識調査を実施した。この調査はマネックス証券に口座を保有している人を対象に行い、 計5,183名の回答を得て、その結果を公表した。

 

【調査結果要旨】

  • NISAの利用率89%は2022年調査から微増。(1-1)
  • 一般NISAにおける海外株式の購入は全体で15%と、昨年と変わらない結果となった。(1-2)
  • NISA口座と課税口座の併用は8割を超えており、大多数の投資家がNISAの枠を超えて資産運用をしている。(1-3)
  • 2024年からNISA制度が変わることを知らない投資家は昨年から大幅に減り、97%が制度変更を認知しており、年代別でみると若年層ほど変更される内容までを把握していることが判明。(1-4、1-5)
  • 現行のNISA制度の満足度は2022年調査で43%だったのに対し、NISAの制度変更内容の満足度は79%となり、かなり好意的に受け止められている。(1-6)
  • 生涯限度額、年間枠問わず、金額の上限に対する改善要望が多く見られた。(1-7)
  • NISAの制度変更で投資意欲が増した投資家は29%。年代別で見ると若い層ほど今回の制度変更で投資意欲が高まったと回答。(1-8、1-9)

【アンケート調査結果】

1-1 NISAを利用している投資家の割合

NISAを利用している投資家の割合

NISAを利用している投資家の割合は昨年の86%から微増だった。資産運用をしている投資家のうち89%がNISAを利用しており、制度の利用割合は高い。

1-2 NISAで購入している商品(複数回答)

NISAで購入している商品

 

NISAを利用している投資家が購入している商品は、国内株式55%、投資信託が59%、海外株式が15%だった。海外株式の購入はまだまだ余地を残していることが分かる。

1-3 課税口座との併用有無

課税口座との併用有無

課税口座との併用は82%。多くがNISA制度の範囲を超えて資産運用を行っていることが分かった。

1-4 NISA制度変更認知度

NISA制度変更認知度

 

1-5 NISA制度変更認知度(年代別)

NISA制度変更認知度(年代別)

2024年(予定)に刷新が発表されている新NISA制度について、2022年調査時は知らない投資家が38%だったが、2023年の調査では「変更内容も知っている」、「変更内容は知らないが制度変更は知っている」を合わせて97%が変更を認知していた。また、年代別では若い層ほど制度の変更内容までを把握していることがうかがえる結果となった。

1-6 制度変更内容満足度

制度変更内容満足度

制度の変更内容も把握している人にNISA制度変更内容の満足度を聞いたところ、「満足している」と回答した投資家は79%にのぼった。2022年の調査では、現行NISAの制度に満足している投資家は46%と過半数にも満たなかったが、今回の結果から、新NISA制度はかなり好意的に受け止められていることが分かった。

制度変更内容満足度(2022年)

 

1-7 更に改善してほしい点(FA)

・非課税枠を拡大してほしい
・年単位での限度額を撤廃してほしい
・特定口座との損益通算を可能にしてほしい
・複数の証券口座で制度利用できるようにしてほしい
・新旧NISA制度のロールオーバーができるようにしてほしい

生涯限度額、年間枠問わず、金額の上限に対する改善要望が圧倒的に多くなった。マネックス証券は、「満足度は上がったものの、更なる制度の利便性向上は引き続き検討の余地があると言えます」とコメントしている。

 

1-8 投資意欲の変化

投資意欲の変化

 

1-9 投資意欲の変化(年代別)

年代別投資意欲の変化

 

NISAの制度変更による投資意欲の変化をきいたところ、投資意欲が増した投資家は29%だった。しかし年代別で見ると、20才未満を除き、若い層ほど今回の制度変更で投資意欲が高まったと回答している。制度変更は、若い世代に受け入れられた政策であることがうかがえる。

 

【2.マネックス証券でのNISA人気銘柄】

マネックス証券の一般NISA口座で取引された人気銘柄トップ10と、それぞれの銘柄の2022年の成績を調査した。

■概要
2022年の取引人数が多かった銘柄トップ10とその騰落率の検証
対象:日本株、米国株、投資信託
検証期間:2022年最初の取引日終値と2022年最後の取引日の終値で比較
(日本株、投資信託は2022年1月4日と12月30日、米国株は2022年1月3日と12月31日)

※ 騰落率について
騰落率とは、二つの時点の価格を比較して、何%上昇したか(または何%下落したか)を表す指標のこと。

 

2-1 日本株人気ランキングトップ10(一般NISA)


[参考騰落率:日経平均 -11%、TOPIX -6.9%]

日本株人気ランキングトップ10(一般NISA)

日本株でトップ10入りした銘柄は、前回と順位が大きく入れ替わる結果となった。日経平均の騰落率と比較しても、年間の人気銘柄のパフォーマンスの方がかなり上回っている。新たにランクインしてきた企業も含め配当利回りの高い企業が選ばれる傾向にある(配当利回り:商船三井18.18%、日本郵船 24%)。マネックス証券は、「時価総額や配当の高い企業が選ばれており、それらの企業のパフォーマンスが高かった一年でもあったと言えるでしょう」とコメントしている。

2-2 米国株人気ランキングトップ10(一般NISA)

                   [参考騰落率:NYダウ平均 -9.4%、NASDAQ総合 -33.9%]

米国株人気ランキングトップ10(一般NISA)

人気上位銘柄の顔ぶれにあまり変化はなかったが、米国全体相場の影響を大きく受けて、ほとんど全ての銘柄のパフォーマンスが悪くなった。マネックス証券は、「しかし、上位銘柄があまり変化がないということは、長期保有者が多いことを示しており、相場が持ち直してくれば、また成長を見込める銘柄に投資されていることがうかがえます」と述べている。

2-3 投資信託人気ランキングTOP10(一般NISA)

投資信託人気ランキングTOP10(一般NISA)

前回同様、海外銘柄でポートフォリオが組まれているファンドが多く購入されていた。人気銘柄の変動もあまり無く、単年の騰落率にかかわらず、過去に実績の出ているファンドが人気上位であることには変わりない。マネックス証券によると、NYダウ平均やNASDAQ総合の騰落率と比べるとそこまでパフォーマンスが落ちていない投資信託が多いため、米国相場変動の中でもしっかりとリスクヘッジできていた人が多かったことが分かる。