野村アセットマネジメント、温室効果ガスの削減貢献量等により企業の気候関連機会を定量評価


野村アセットマネジメントは、日本企業の気候関連機会※1の評価において、温室効果ガスの削減貢献量・除去量(以下「削減貢献量等」)※2を定量的に組み込むと2023年2月28日に発表した。評価においては、企業が開示する削減貢献量等に、野村アセットマネジメントで企業評価に使用する内部炭素価格を乗じて算出した経済的価値について、営業利益に対する比率(インパクト)を計測する。野村アセットマネジメントによると、国内の資産運用会社で削減貢献量等を気候関連機会の評価に加えるのは、同社が初めてとなる※3。

削減貢献量等は企業の売上高等と正の相関があり、野村アセットマネジメントでは、排出量の削減と同時に企業価値向上につなが る気候関連機会を評価する最適な指標の一つであると考えている。削減貢献量等を開示する企業が増加する中、今回の改定を通じて、同社はネットゼロの実現に向けた企業の更なる取組みを後押しするととも に、これらに関する対話が促進されることを期待している。

野村アセットマネジメントは、日本株式の評価において、約100項目にわたる企業の非財務情報を調査・分析した独自の「ESGスコア」を基に、ESGを考慮した企業価値の評価を行っている。評価項目は毎年見直しており※4、今回の改定はその一環。同社の「ESGスコア」は運用ポートフォリオにおける投資判断や新規の商品開発に加え、顧客への報告等にも活用している。

野村アセットマネジメントは次のように述べている。

当社は今後も、責任ある機関投資家としてESG課題の解決に取り組みながら、世界のお客様から選ばれる、日本を代表する運用会社になることを目指していきます。

 

※1  気候変動対応に関連する事業・取組みを通じた事業機会や成長機会を示す。気候変動は企業に悪影響を与えるリスクになる一方、気候変動に対する取組みを通じて企業価値の向上につながる機会にもなる。

※2  野村アセットマネジメントが使用するISS(Institutional Shareholder Services)社が提供する排出量データの20%を上限とする。

※3  野村アセットマネジメント調べ

※4  昨年の改定については、2022年2月18日付ニュースリリース「国内初、企業が開示する温室効果ガス吸収量を企業評価に反映」を参照。なお、今回の改定は企業の気候関連機会の評価を目的としており、野村アセットマネジメント の「2050年ネットゼロ目標」と「2030年中間目標」に削減貢献量等を使用する予定は従来通りない。