一億人の投信大賞選定委員会は、2019年3月4日、「一億人の投信大賞 2018」の選定にて、入賞ファンドを次の表の通り決定したと発表した。
「一億人の投信大賞」選定委員会は、高橋 忠郎氏 (パワーソリューションズ 取締役副社長) 、竹川 美奈子氏 (LIFE MAP,LLC 代表)、島田 知保氏 (イボットソン・アソシエイツ・ジャパン月刊『投資信託事情』発行人・編集長)で構成されている。同選定委員会は個人の立場で投資信託による資産形成を啓蒙するために有志が集まった非営利のアワード。ウェブサイ トおよびロゴの製作はパワーソリューションズ、選定のためのデータはイボットソン・アソシエイツ・ジャパンの好意により無料で提供されている。賞に関して広告費・ロゴ使用料の受領、協賛セミナーの依頼などは一切行なっていない。詳細⇨一億人の投信大賞のホームページ
「一億人の投信大賞」とは
「一億人の投信大賞」選定委員会は、「一億人の投信大賞」について次のように説明している。
「一億人の投信大賞」は、 「普通の人が普通に長期投資で資産形成をする」ために使えそうな、より 良い投信探しから始まりました。きっかけは 2013 年の夏。2014 年から NISA 制度が始まるので、メディアや金融機関では「NISA情報」が飛び交っていました。しかし、投資信託の主流は富裕な高齢者向けの毎月決算型や、流行の テーマや投資先の新商品で、資産形成層が 5 年先を見据えて商品を選ぶのが困難な状況でした。長期 で投資をしようと思っても…… 5 年経つ前に繰上償還されてしまうかもしれない。これでは普通の人 が資産形成をしたくても、どんな投信を選べばよいかわかりません。 そこで、自分たちで「普通の人が普通に長期投資で資産形成をするため」という視点で良い投信を徹底的に探してみよう! と企画し たのが「一億人の投信大賞」です。
このファンド大賞は 2013 から始まり、今回の 2018 で 6 回目を迎えました。この間、「顧客本意の業 務運営」の取り組みが金融機関で進み、2018 年 1 月からはつみたて NISA 制度も始まりました。ま だ投資に取り組んでいない人に向けて、「資産形成ツール」としての投資信託の良さをより広く発信す る環境が整ってきました。一方で、低コストのパッシブ投資万能論ばかりが声高に説かれることには、 少し違和感があります。投資とは、人それぞれのニーズや価値観、生き方を反映して取り組める、も っと自由なものだと考えているからです。
また、このファンド大賞には、よいアクティブ投信をみつけたいという思いも込められている。あえて パッシブ投信と区別せずにスクリーニングを行っているのもそのため。短期で値上がりする、大 きく儲ける、という投機的な投資は念頭にない。預貯金だけでなく、株式や債券に少しずつお金を振り向けて、時間をかけて資産を形成しようと思う人に、参考となるような情報を提供したいと選定委員会では考えている。
「一億人の投信大賞」選定について
資産形成において長期の積立投資などにおいてコア資産として活用するのに適した、スタンダードな資産クラスの投資信託を選定する。また、資金がコンスタントに流入していることを重視する。
対象ファンドの絞込みは以下の基準で行う。
- 前年 12 月末時点
- ETF を除外
- SMA・ラップ専用を除外
- DC 専用を除外
- 決算回数:年 12 回、6 回、4 回を除外
- 基準月末純資産 30 億円未満を除外
- 運用実績 3 年未満のものを除外
- 過去 36 か月のうち資金純減月数 13 か月以上のものを除外
- その他資産などと、ブルベア型など短期投資向けを除外
- 投資テーマ、投資地域、対象通貨(日本円以外)など限定されるものを除外
今回は 5783 本の追加型株式投信から 134 本が対象ファンドとなった。一億人の投信大賞選定委員会は、「委員会としては、この 134 本の対象ファンドすべてを称えたいと思います」とコメントしている。
また、同選定委員会では、本来は 5 年、10 年と長い期間で選定したいものの、現状では候補となる投信の数の問題があり、ま た、投資家の視点に立った商品開発も進んでいるので、3 年としている。特にインデックス投信で は後発の低コストの商品が出てきているが、トラックレコードが 3 年以上のものを対象としてい る。
選定委員会によると、資金純増の理由として確定拠出年金向けにも販売しているケースがある。委員会では、「長期投資家にとって、 この安定的な資金流入が見込まれる投信は信頼性が高いと言えます。現在対象外となっている DC 専 用投信も、公募にも開放していただければ長期投資家にとって良い投資対象となると思います」と述べている。
○ 優秀ファンドは以下の各項目についての順位を付与し、その合計点によって選定される。
- アクティブ投信は対ベンチマーク超過リターンが高いもの (各月のベンチマークと比較した勝率)
- パッシブ投信はトラッキング・エラーが小さいもの
- シャープレシオが高いもの
- 資金流出入の標準偏差が小さいもの
- 同点の場合は、アクティブは 3 年のリターンが高い順、パッシブはトラッキングエラーが小さい順、 アクティブとパッシブは 3 年のリターンで順序を決める
- アロケーション型はシャープレシオが高いもの
- 資金流出入の標準偏差が小さいもの
- 同点の場合は 3 年のリターンで順序を決める
※ アロケーション型のリスクコントロール型、TAA 型については、ノミネート投信の掲載のみ、評価対象外として順位付けは行っていない。また、外国株式型(日本を含む)、同(除く日本)の為替ヘ ッジ型については、各カテゴリーでノミネート投信が1本ずつであったため、評価対象外とした。
一億人の投信大賞入賞ファンド
国内株式部門
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | SBI中小型成長株ファンド ジェイネクスト(年2回決算型)《jnextⅡ》 | SBIアセットマネジメント |
2位 | コドモファンド | クローバー・アセットマネジメント |
3位 | ジャパン・アクティブ・グロース(分配型) | 野村アセットマネジメント |
外国株式部門
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | 野村未来トレンド発見ファンド Bコース(為替ヘッジなし)《先見の明》 | 野村アセットマネジメント |
2位 | セゾン資産形成の達人ファンド | セゾン投信 |
3位 | EXE-i グローバル中小型株式ファンド | SBIアセットマネジメント |
外国株式(除く日本)
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | たわらノーロード 先進国株式 | アセットマネジメントOne |
2位 | eMAXIS 全世界株式インデックス | 三菱UFJ国際投信 |
3位 | SMT グローバル株式インデックス・オープン | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
新興国株式
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | 野村インデックスファンド・新興国株式《Funds-i 新興国株式》 | 野村アセットマネジメント |
2位 | SMT 新興国株式インデックス・オープン | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
3位 | EXE-i 新興国株式ファンド | SBIアセットマネジメント |
資産分散 アロケーション・積極型
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | 世界経済インデックスファンド(株式シフト型) | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
2位 | eMAXIS バランス(8資産均等型) | 三菱UFJ国際投信 |
3位 | HSBC ワールド・セレクション(成長コース)《ゆめラップ成長》 | HSBC投信 |
資産分散 アロケーション・やや積極型
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | GCIエンダウメントファンド(成長型) | GCIアセット・マネジメント |
2位 | 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型《Funds-i 内外7資産バH》 | 野村アセットマネジメント |
3位 | 三菱UFJ ライフセレクトファンド(成長型) | 三菱UFJ国際投信 |
資産分散 アロケーション・標準型
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | ダイワ・ライフ・バランス70 | 大和証券投資信託委託 |
2位 | 財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)資産成長型《財産3分法-資産成長型》 | 日興アセットマネジメント |
3位 | DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型) | ニッセイアセットマネジメント |
資産分散 アロケーション・やや安定型
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | 三井住友・ライフビュー・バランスファンド50(標準型) | 三井住友アセットマネジメント |
2位 | GCIエンダウメントファンド(安定型) | GCIアセット・マネジメント |
3位 | ダイワ・ライフ・バランス50 | 大和証券投資信託委託 |
資産分散 アロケーション・安定型
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | ハッピーエイジング60 | 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント |
2位 | 三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)《マイパッケージ30》 | 三井住友アセットマネジメント |
3位 | ハッピーエイジング50 | 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント |
国内債券
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | たわらノーロード 国内債券 | アセットマネジメントOne |
2位 | 三井住友・日本債券インデックス・ファンド | 三井住友アセットマネジメント |
3位 | ニッセイ日本インカムオープン(年1回決算型)《Jボンド(年1回決算型)》 | ニッセイアセットマネジメント |
外国債券
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | PIMCO インカム戦略ファンド<米ドルインカム>(年2回分配型) | 三菱UFJ国際投信 |
2位 | SMT グローバル債券インデックス・オープン | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
3位 | 三菱UFJ 世界国債インデックスファンド(年1回決算型) | 三菱UFJ国際投信 |
外国債券(円ヘッジあり他)
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | グローバル・ボンド・ポート(Cコース) | アセットマネジメントOne |
2位 | PIMCO インカム戦略ファンド<円インカム>(年2回分配型) | 三菱UFJ国際投信 |
3位 | 東京海上・ニッポン世界債券ファンド(為替ヘッジあり)(年1回決算型) | 東京海上アセットマネジメント |
新興国債券
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | エマージング・ソブリン・オープン(1年決算型) | 三菱UFJ国際投信 |
2位 | インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券《DCインデックス海外新興国債券》 | 日興アセットマネジメント |
3位 | SMT 新興国債券インデックス・オープン | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
国内REIT
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | Jリートアクティブファンド(1年決算型) | 三井住友トラスト・アセットマネジメント |
2位 | ダイワ・インデックスセレクト J-REIT | 大和証券投資信託委託 |
3位 | たわらノーロード 国内リート | アセットマネジメントOne |
外国REIT
受賞ファンド | 運用会社 | |
1位 | <購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント |
2位 | たわらノーロード 先進国リート | アセットマネジメントOne |
3位 | ワールド・リート・オープン(1年決算型) | 三菱UFJ国際投信 |