マニュライフ、アジア版投資意識指数調査の結果を公表


マニュライフのアジア版投資意識指数 (MISI) 調査によると、日本の投資家は過去の投資パフォーマンスに対して不満を感じており、今後は投資を増やしていく意欲があることが分かった。また、資産の大半を現金で保有しており、株式やその他の金融商品への資金移行に前向きであることも明らかになった。

一方で、2015年の投資リターンへの期待値に関しては、アジア8市場のなかで最も低い結果となった。アジアでは投資リターン率の予想が平均10.2%であるのに対し、日本は約半数が5%未満としており、投資判断に対する自信の低さがうかがえる。

「昨今の円安、消費税増税などの問題を抱える複雑な経済環境において、日本の投資家は、自分の経済状況を改善するために投資が重要であると理解しています。以前のMISI調査結果から、日本人は、投資に対して自分自身で判断しようとする傾向があると分かっていますが、より多くの利益を投資から得るために、専門家からのアドバイスの重要さを認識しつつあると推測されます。」と、マニュライフ生命保険株式会社 代表執行役社長兼CEOのギャビン・ロビンソン氏は述べている。

■ 日本人の多くは過去の投資パフォーマンスに不満。満足している人の投資成功要因は「運」と「予想外の出来事」

今回の調査では、日本の回答者の51%は今が株式に投資すべき時期であると考えていることも分かった。投資信託についても、投資に適したタイミングであると回答した投資家の割合は、半年前の33%に対して5ポイント上昇し38%となっている。マニュライフでは、「主な理由として、市場が改善する兆しを感じ取っていることが考えられる」としている。

また、金融商品への投資割合を増やしたいという意欲は、過去の投資パフォーマンスへの満足度の低さからも読み取れる。2014年の投資パフォーマンスに満足していないと答えた回答者のうち、ほぼ半数が投資の規模が不十分であり、金融資産として保有している現金を、より投資へシフトさせて利益を確保すべきであったと考えている。

マニュライフ・アセット・マネジメント株式会社の代表取締役社長 石田成氏は、次のように述べている。

「日経平均が上昇基調にある現在、日本の投資家は株式への投資に好機を見出しています。また、低金利が長く続いていることから、現金比率の高い資産配分の状況についても見直しを望んでいます。日本の株式市場は20年の長きに渡り投資家の期待に応えることが出来ていませんでした。過去にいくつかあった上昇局面も短命に終わっています。2012年末からの上昇に懐疑的になることも否めません。重要なのは投資家の成功体験を積み上げることです。現在政府がとっている金融政策をはじめとする政策が継続する限り、投資意識指数はさらに改善するのではと考えています。」

2014年の投資パフォーマンスに満足した人も、38%が成果の要因を「運の良さ」、24%は「市場での予想外の出来事」としている。優れた投資パフォーマンスを「運」や「予想外の出来事」という不確定要素に起因していると捉える傾向は、専門家によるアドバイスとプランニングへのニーズが高まることを示唆している。

投資パフォーマンスに対する不満は、ライフスタイルに関する調査からも見て取れる。自分の経済状況に満足していると回答した日本人は32%にすぎず、アジア諸国平均の57%と大きなギャップがあることが浮き彫りとなった。また、ほぼ3人に1人が「現在のライフスタイルを維持できるか否か」(30%)を主な懸念点として挙げており、アジア市場の他の調査対象国と比べ、この点を最も憂慮していることが分かった。さらに「退職後に生活資金が尽きること」(15%)が別の心配事とされていることからも、日本人の多くが自らの経済状況の先行きに対する不安を抱えていることがうかがえる。

「ライフスタイルの維持は、2013年に日本で調査を開始して以来、経済面の優先事項として挙げられており、特に退職後の生活が関心事のひとつになっています。専門的なアドバイス等により、投資パフォーマンスを向上させることで経済的懸念が軽減し、退職後のゆとりある生活が可能になると考えられます。」と、ロビンソン氏は述べている。

アジア版マニュライフ投資意識指数(MISI)について

アジア版マニュライフ投資意識指数(MISI)は、アジア8カ国・地域の市場を対象に、主な資産区分等に関する姿勢や投資意識について測定/追跡する独自の調査で、四半期ごとに実施されている。アジア版MISIはアジア各市場でそれぞれ500人に対する調査に基づいている。香港、中国、台湾、日本、シンガポールはインターネット上で、マレーシアとインドネシア、フィリピンについては対面で実施されている。回答者は中間層から富裕層に属する25歳以上の男女で、投資や貯蓄に関する決定権を持ち、現在投資商品を保有している人を対象としている。

マニュライフ投資意識指数は北米で長い実績を持つ調査。カナダで過去15年間にわたって投資意識を測定しており、ジョン・ハンコックのブランドで事業を展開している米国では2011年から実施している。アジア版MISIの調査は今回が第8回目となる。現金、株式、投資信託債券、不動産(居住用および投資用)の主な資産区分について投資意識を測定している。

⇨マニュライフ・アセット・マネジメントのHP