S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス、グリーン不動産指数シリーズの算出を開始


世界有数の指数プロバイダーの1つであるS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P DJI)は2019年4月10日、サステナビリティへの取り組みにおいて優れた実績を有する不動産会社を組み入れた新たな指数シリーズの算出を開始した。この指数シリーズは、ダウ・ジョーンズ・セレクト不動産インデックス(RESI)の拡張版であり、グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマークGRESB)からのデータを活用する。GRESBとは、不動産会社の環境・社会・ガバナンス(ESG)特性に対する配慮度合いを評価する世界標準の制度。

この指数シリーズはローンチ時点で、次の指数から構成されている。

  • ダウ・ジョーンズ米国グリーンREITインデックス
  • ダウ・ジョーンズ・グローバル・グリーンRESI
  • ダウ・ジョーンズ・グローバル(米国を除く)RESI
  • ダウ・ジョーンズ日本グリーンRESI

各指数は、それぞれ該当する地域別ダウ・ジョーンズ・セレクトRESIの全ての構成銘柄から構成されている。GRESBにより測定される個別企業のサステナビリティ・パフォーマンスに基づいて構成銘柄のウェイトを調整し、サステナビリティ・スコアの高い企業のウェイトを高く設定する。サステナビリティ・パフォーマンスにおいて50パーセンタイル以下にランク付けされた企業についてはウェイトを30%減らし、上位25%にランク付けされた企業に按分計算で追加ウェイトを再配分する。

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは世界有数の独立系指数プロバイダーであり、いかなる投資戦略にも対応するために様々な指数を提供している。投資家の間では、投資戦略におけるESG要因の重要性が次第に高まっています。S&P DJIによると、ビルの建設や運営により排出される炭素は、世界の炭素排出量の中でも大きな部分を占めているため、ESG投資家の間では特に不動産業界に注目が集まっている。

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスのグローバル株式指数部門のシニア・ディレクターであるMichael Orzano氏は次のように述べている。

一般に、不動産投資においてESGパフォーマンスを投資プロセスに統合するためのツールはあまり多くありません。これらの指数は、市場参加者が高いサステナビリティ・パフォーマンスを有する企業を見極めることができるようなソリューションを提供する一方で、弊社における従来の不動産ベンチマークの投資特性やリスク・プロファイルを保持しています。

GRESBの共同創設者兼マネージング・ディレクターであるSander Paul van Tongeren氏は次のように述べている。

投資家は、実物資産のESGパフォーマンスに関する標準化された有効な評価基準を必要としており、GRESBはこうした投資家の需要に応えるために存在しています。今回の新たな指数シリーズで用いられるESGデータは、機関投資家向け不動産セクターに関するESGのベンチマーク化やレポーティングのグローバル・スタンダードであるGRESBリアルエステイト評価が提供しています。