三井住友DSアセットマネジメント、国内株式議決権行使の当面の方針および今後の方向性を公表


三井住友DSアセットマネジメント株式会社は、 新型コロナウイルス(COVID-19)が世界の社会、 経済、 企業活動に深刻な影響を与えていることを踏まえ、 責任ある機関投資家として、 個別企業の実態等を踏まえた議決権行使判断を引き続き行うことを決定したと2021年5月6日に発表した。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社は2020年5月7日に公表した「コロナウイルスの影響を踏まえた当面の国内株式議決権行使の方針について」において、 当面の間、 国内株式の議決権行使にあたっては、 個別企業の実態等を踏まえ、 判断基準を弾力的に運用するとともに、 状況に応じて株主総会の延期や2段階方式での開催等に柔軟に対応する方針を表明した。

かかる方針およびここまでの全般的な状況推移に鑑み、 2021年5月以降に開催される株主総会については、 コロナ禍が依然大きなダメージを与えている業種・企業が存在する一方で、 既に成長軌道に回帰しつつある業種・企業も散見されることから、 個別企業の実態等を踏まえた議決権行使判断を引き続き行うこととする。

また同社は、 2050年までにカーボン・ニュートラルを目指す日本政府の方針および再改訂版コーポレートガバナンス・コードの趣旨等を踏まえ、 企業自身のサステナビリティに関わる情報開示や、 サステナビリティ課題に対するロードマップ策定と経営トップのコミットメント等を「建設的な対話」を通じて投資先企業に働きかけるとともに、 将来的にはそれらの趣旨を議決権行使判断基準に反映させる方向性であることを表明する(一部の項目については、 前倒しで適用する)。

今後さらに、 東京証券取引所の新市場区分の適用開始に際して、 プライム市場上場企業に対しては一段高いガバナンス態勢を求めることも盛り込む方針。これらの点を踏まえて議決権行使判断基準の詳細を今後策定し、 将来の適切な時期に改めて開示する。

具体的な国内株式議決権行使の当面の方針、 および今後の方向性に関する考え方は以下のとおり。

<国内株式議決権行使の当面の方針>

  1. ROE・剰余金処分(配当)・業績の各基準数値の機械的な適用を行わず、 議決権行使対象企業の手元流動性・事業の状況等の実態を踏まえた行使判断を行います。
  2. 行使対象企業に対し、 事業継続可能性を重視するとともに、 今後のニューノーマルな経営環境に対応し、 自社のサステナビリティを考慮した、 事業戦略やビジネスモデルへの見直し等に関する考え方を広く情報開示することを働きかけます。
  3. 気候変動や人権等、 ESG情報開示に関する株主提案について、 株主提案が求める開示内容、 範囲、 項目が適切と判断できる場合には肯定的な判断を行います。
  4. 株主総会の開催形式等に関しては、 バーチャル株主総会など弾力的な運営を許容する考えですが、 株主権利を著しく損なった場合等には、 その後の株主総会において経営トップの取締役再任議案等において否定的な判断を行います。

<今後の方向性>

  1. 再改訂版コーポレートガバナンス・コードの趣旨等を踏まえ、 一定期間経過後も、 自社のサステナビリティにかかわる十分な情報開示、 ロードマップ策定、経営トップのコミットなどがなされない企業に関しては、 経営トップの取締役再任議案には否定的な判断を行います。 (ただし、 本項目にかかわる議決権行使判断基準の効力発生開始時期は、 前述のように改めて開示します)
  2. 内部統制や、 様々なリスク管理の重要性を踏まえ、 取締役選任議案、 監査役選任議案の行使判断に当たり、 取締役会、 監査委員会、 監査等委員会、 監査役会の実効性等を反映します。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社は「なお、 当社は従来から議決権行使対象企業との「建設的な対話」をベースに実態を踏まえた行使判断を行っており、 今後とも行使対象企業との対話内容や、 対象企業の開示内容等を踏まえた、 ガバナンスの実効性等に基づく行使判断を行ってまいります」と述べている。