ブラックロック(NYSE:BLK)は独立系プライベート・エクイティー不動産投資アドバイザーのMGPAの買収について、最終合意に達したことを発表した。MGPAはアジア・太平洋地域および欧州に13の拠点を構えており、今回の買収でブラックロックの同地域における不動産運用部門は大きく発展することになる。MGPAが誇る業界トップランクの運用チームやノウハウが、不動産運用のソリューション提供においてもトップを目指すというコミットメントを掲げるブラックロックに加わることで、両社合計で運用資産額約250億ドル(2013年3月31日現在、暫定決算ベース)、世界の投資用不動産市場の75%を占める6大市場で不動産運用事業を展開することとなる。
ブラックロック不動産運用部門のグローバルヘッドであるジャック・チャンドラー氏は「今回の買収により、ブラックロックが不動産運用部門の拡充を狙うアジア太平洋地域ならびに欧州において、ブラックロックの成長戦略を大きく前進させることができるでしょう。また、低リターン、高ボラティリティという逆風下の不動産運用環境において、主要市場での素晴らしいノウハウや豊富な経験を有するMGPAの運用チームがブラックロックに加わることで、顧客へのソリューション提供能力が更に充実することになるでしょう。」と述べている。
「ブラックロックにMGPAの運用チームが加わることは、ブラックロックのアジアにおける運用能力拡充と将来の事業発展につながる重要なステップです。投資分散戦略へのニーズが高まりを見せている中、業界屈指の不動産運用実績を誇るMGPAがブラックロックに加わることで、顧客へのソリューション提供能力が強化されることになるでしょう。」と、ブラックロックのアジア太平洋地区責任者であるマーク・マッコーム氏はコメントしている。
ブラックロックとMGPAの統合においては、人員やプロダクトの重複はほとんどなく、MGPAはブラックロックの不動産運用のソリューション提供能力を補完することになる。また、ブラックロックが有する機関投資家や個人投資家へのアクセスを活用することで、MGPAが成長させてきた事業分野の可能性が拡大することになる。
MGPA会長、ジム・クイル氏は「運用会社に不可欠のフィデューシャリーの企業文化や業界屈指のリスク管理能力を有する、素晴らしい資産運用会社であるブラックロックは、同社と同様に顧客に高い運用パフォーマンスを提供することをコミットメントとするMGPAとパートナーとなるに最もふさわしい運用会社です。両社の統合により、様々な魅力的な機会を顧客や従業員に提供することができることを嬉しく思います。」とコメントしている。
MGPAは機関投資家向けにリスク許容度に応じた不動産投資ファンド、ジョイント・ベンチャー、私募ファンドなどを提供するほか開発も手がけている。2013年3月31日現在の運用資産は120億ドルで、アジア太平洋及び欧州に展開する13拠点のネットワークを有しています。ブラックロックの不動産運用部門との統合により、特にアジア太平洋地域及び欧州地域等における事業を補完することになる。
今回の買収は、各規制当局の承認等、及び買収における条件を満たすことを前提に、2013年第3四半期に完了することを予定している。今回の買収によるブラックロック株式の1株あたり収益に実質的な影響が及ぶ事はない。なお、買収の詳細は公開されていない。MGPAのアドバイザーはバークシャー・キャピタルが務めた。
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