フランクリン・テンプルトン、パトナム・インベストメンツを買収


フランクリン・テンプルトン・グループ(以下「フランクリン・テンプルトン」)の持株会社であるFranklin Resources, Inc.(以下「フランクリン・リソーシズ」)は、Power Corporation of Canada(以下「パワー」およびその子会社をまとめて「パワー・グループ・オブ・カンパニーズ」)と、Great-West Lifeco, Inc.(以下「グレートウエスト」)との戦略的提携を2023年5月31日に発表した。グレートウエストとIGM Financial(以下「IGM」)を含むパワー・グループ・オブ・カンパニーズは、世界の保険、退職金、資産運用、ウェルス・マネジメント分野のリーディング・カンパニーで、運用資産と管理資産(AUM/AUA)の合計は約2.1兆米ドルに上る(※1)。グレートウエストは、米国のEmpower、カナダのCanada Life、欧州のIrish Lifeを傘下に擁している。IGMは、子会社のMackenzie FinancialとIG Wealth Managementを傘下に擁しており、Rockefeller Capital ManagementとChina Asset Management Co.への投資も行っている。

このパートナーシップの基盤として、フランクリン・テンプルトンは、パトナム・インベストメンツ(以下、パトナム)をグレートウエストから主に株式対価の約9.25億米ドル(※2)で買収する正式契約を締結した。グレートウエストは、フランクリン・リソーシズの約6.2%の株式を保有し、グレートウエストが掲げる資産運用への継続的なコミットメントに沿った長期的な戦略的株主となる。

グレートウエストは、買収後12ヶ月以内に250億米ドルの長期資産配分をフランクリン・テンプルトンの運用チームに提供し、この金額は今後数年間で増加する見込み。この戦略的パートナーシップは、保険顧客資産のさらなる拡大を目指すフランクリン・テンプルトンの方針と合致しており、退職金、資産運用、ウェルス・マネジメントの主要分野におけるフランクリン・テンプルトンとパワー・グループ・オブ・カンパニーズの関係を大幅に拡大するもの。

1937年に設立されたパトナムは、2023年4月現在、1,360億米ドル(※3)の運用資産を有するグローバルな資産運用会社。パトナムは、ボストン、ロンドン、ミュンヘン、東京、シンガポール、シドニーにオフィスを構えている。パトナムの補完的な運用ケイパビリティと優れた運用実績は、確定拠出年金の運用資産の増加や保険資産の拡大により、フランクリン・テンプルトンのリタイアメント市場における成長を加速させるとともに、フランクリン・テンプルトンの投資信託プラットフォームにさらなるスケールと効率性をもたらすもの。フランクリン・テンプルトンのこれまでの買収と同様、実行計画は、パトナムの運用チームと顧客への混乱を最小限に抑えるように設計されている。

フランクリン・テンプルトンの社長兼CEOであるジェニー・ジョンソン氏は次のように述べています。

今回の取引はフランクリン・テンプルトンにとって魅力的なものであり、グレートウエストを含むパワー・グループ・オブ・カンパニーズとの長期にわたる戦略的パートナーシップによって、多くの機会がもたらされることに期待しています。 パワーとグレートウエストは、金融サービス、特に富裕層、保険、退職金チャネルにおけるグローバルリーダーです。 パトナムは、卓越した運用パフォーマンスにより、フランクリン・テンプルトン傘下の運用チームの運用ケイパビリティを補完し、顧客の多様なニーズに応えるとともに、フランクリン・テンプルトンの確定拠出年金の運用資産を増加させることになるでしょう。 パトナムの素晴らしいチームとともに、グレートウエストを戦略的投資家として迎えることができることを嬉しく思います。

グレートウエストの会長であり、パワーの社長兼 CEO であるR・ジェフリー・オア氏は次のように述べている。

フランクリン・テンプルトンは世界有数の資産運用会社であり、そのビジネスモデルはパトナムの運用と販売の強みを生かすのに適しています。私たちは、フランクリン・テンプルトンとパートナーシップを結ぶこと、そしてそれが顧客と私たちのビジネスにとって相互に有益であることを嬉しく思っています。

グレートウエストの社長兼CEOであるポール・マホンは次のように述べている。

今回の取引は、業界最高水準の資産運用会社との戦略的パートナーシップを構築し、お客様の退職金、保険、ウェルス・マネジメントのニーズをサポートするというグレートウエストの戦略をさらに推進するものです。フランクリン・テンプルトンのスケールと幅広さ、そしてパトナムの能力は、両社、顧客そして投資家にとってプラスの結果をもたらすでしょう。

パトナムの社長兼CEOであるロバート・レイノルズ氏はこう述べている。

今回の取引において重要なことは、両社の組織が強固に連携していることです。私たちは、顧客中心の文化、アクティブ運用に対する信念、協調的でリサーチ重視の投資手法、基本的な投資原則に対する長年のコミットメントを共有しています。フランクリン・テンプルトンの次の成長段階において、顧客とそのニーズへのコミットメントを堅持しながら、一丸となって顧客にサービスを提供していくことを私たちは楽しみにしています。

 

※1 パワー・コーポレーション・オブ・カナダの2023年第1四半期報告書による2023年3月31日時点、FactSetによる2023年3月31日時点のCAD / USD間の為替レート。

※2 2023年5月30日終値時点の株価に基づく。フランクリン・リソーシズの普通株式約8億2,500万米ドルと、買収後180日目に支払われる現金1億米ドルを含む。

※3 本取引の当事者ではないPanAgoraの運用資産330億米ドルを除く。