野村アセットマネジメントは、気候変動 への取組みを加速させる目的で新たに公表した機関投資家グループによる共同声明「インベスター・ア ジェンダ」※1に署名したと2021年6月11日に発表した。
野村アセットマネジメントは、資産運用ビジネスを通じて持続可能で豊かな社会の実現を目指す責任ある機関投資家とし て、気候変動を最も重要なESG課題の一つと位置付け、継続的な取組みを進めている。「インベス ター・アジェンダ」には初回の2018年より賛同し、署名してきた。
今回の声明では、第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP 26)の開催に向けパリ協定と整 合する形でNDC(国が決定する貢献)を改訂すること、2050年ネットゼロ実現に向け政府のコミットメン トを強化すること、ネットゼロ実現のための民間投資を促進すること、コロナ禍後の経済回復をサポート すること、TCFDに則した開示の強化に努めること、の5点を各国政府への具体的な要求として掲げている。
野村アセットマネジメントは1990年6月、ESG投資による投資信託を業界に先駆けて※2設定した。それ以来、地球環 境保全や気候変動対策に貢献する企業に対して世界各国で積極的に投資し、近年は企業等の気候関 連リスク・機会の分析および評価を運用プロセスに統合する「ESGインテグレーション」を進めている。投資先企業のGHG(温室効果ガス)排出量などのモニタリングは2019年3月より実施し、2021年に は、業界で初めて、GHG排出量の多寡ではなくカーボンプライシング※3を活用した財務インパクトの分 析を投資先選別に導入した。これら気候変動問題への取組みを進化させることによって、長期投資 におけるマイナスの影響を軽減し、安定的な収益を長期的・合理的に獲得することに取り組んでいる。
野村アセットマネジメントは、「当社は今後も、責任ある機関投資家としてESG課題の解決に取り組みながら、世界のお客様から選 ばれる運用会社になることを目指していきます」と述べている。
※1 インベスター・アジェンダは気候変動問題に取り組む7つの団体により2018年に設立され、機関投資家と各国 政府がより積極的に気候変動問題の解決に取り組むための提言を行っている。
※2 野村アセットマネジメント調べ
※3 気候変動問題の主因である炭素に価格を付け、炭素を排出する企業などに排出量見合いの金銭的負担を求める仕組み。