ステート・ストリート、国内初、相対的に高い利回りが期待出来る中国本土債券ファンドの提供開始


ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社は、新たな投資先と、より高い利回りを求める日本の投資家に向け、中国本土短期ソブリン債券ファンドの提供を開始したと発表した。国内籍円建ての中国本土短期ソブリン債券ファンドは、中国本土ではなく香港の決済機関(CMU)に債券口座を開設し、電子取引プラットフォームを通じて中国本土のマーケットメーカーと直接売買が可能になるボンドコネクト(債券通)制度を利用して提供される。ステート・ストリートはこのボンドコネクト制度を活用し、中国の関係当局から中国銀行間債券市場で取引を行うための中国外国為替取引システム(CFETS)のTrading IDを、6月19日付で取得した。

ステート・ストリート運用部でポートフォリオ・ストラテジスト(債券/為替)を務める横谷宏史氏は次のように述べている。

中国本土債券への投資は日本の機関投資家が過度な信用リスクを取ることなく、最終利回りを高めるためのより良い手段だと考えています。ボンドコネクト制度を活用することで、私どもステート・ストリートは、魅力的な市場に安定的かつ効率的なアクセスを投資家の皆様にご提供することが可能となりました。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズによると、中国本土債券市場は、米国、日本に次ぐ世界第三位の市場規模。2017年に開始されたボンドコネクト制度により、海外投資家が中国本土の国債や政策銀行債、地方債社債等に容易にアクセスすることが可能になった。中国本土の国債や政策銀行債は、日本国債と同じA+の格付けでありながら比較的高い利回りを獲得できる市場として、かねてより投資家の関心を集めてきた。ボンドコネクト制度の開始により、2019年4月より国際的な債券指数への中国本土債券組み入れによる資本流入が期待されており、同市場への関心はさらに高まりつつある。同ファンドへの投資により、こうした動きに先駆けて中国本土債券市場にアクセスすることが可能になる。

ステート・ストリートは国内運用会社で初めて(注1)、ボンドコネクト制度を利用して中国本土短期ソブリン債券ファンドの提供を開始した。同ファンドは国内証券会社、銀行、運用会社等を通じて提供される。

米国に本社を置くステート・ストリートは、そのシンガポール拠点において、2005年よりアジア国債・公債市場のさらなる発展を目指す東アジア・オセアニア中央銀行役員会議(EMEAP)のイニシアティブのもと、「アジア・ボンド・ファンド2(ABF2)」を構成する1ファンドとして設定された「ABFアジア国債・公債ETF(正式名称:ABF汎アジア債券インデックス・ファンド)」の運用マネージャーに任命されている。ステート・ストリートは同ファンドの運用を通じ、中国債券運用における確固たる経験と実績を積み重ねている。尚、ABFアジア国債・公債ETFは香港証券取引所と東京証券取引所に上場している(証券コード:2821(香港証取)、1349(東証))。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは次のようにコメントしている。

ステート・ストリートが世界中の機関投資家に向け長年培ってきたノウハウと精緻なファンド運用能力を活かし、今後も投資家の皆様のニーズに叶う投資ソリューションの提供に努めてまいります。

注1 ステート・ストリート調べ。2018年6月22日現在