スパークス・アセット・マネジメント株式会社は、ビジネスパーソンがどのようなお金の不安を抱え、どのように対策を行っているのかを明らかにするため、2018年6月6日~6月7日の2日間、全国の20歳~59歳のビジネスパーソンを対象に、『ビジネスパーソンの「マネ活」に関する調査』をインターネットリサーチにより実施し、1,000名の有効サンプルを集計した。なお同レポートは、サンプル調査という性質上、実態を全て反映したものではない。また、特定の投資商品や個別銘柄の取引を勧誘する目的で作成したものではない。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
[調査結果]
- ビジネスパーソンのお金の不安と消費生活実感
- ビジネスパーソンが感じているお金の不安とは?→三大不安は2年連続で「老後の生活資金」「賃金・収入」「将来の生活設計」
- 30代女性の3割強が「物価の上昇」に不安、20代・30代女性の4割が「税金(増税など)」に不安
はじめに、全国の20歳~59歳のビジネスパーソン1,000名(全回答者)に、どのようなことがらについて、お金の不安を感じているか聞いたところ、「老後の生活資金」が48.6%で最も高く、次いで、「賃金・収入」が41.1%、「将来の生活設計」が34.1%、「将来の公的年金」が29.6%、「現在の家計状況」と「税金」が29.2%となった。スパークス・アセット・マネジメントは、「老後の生活資金のほか、将来の生活設計や公的年金といった“将来のお金”に対して不安を抱いているという人が多いようです」とコメントしている。上位3位をみると、昨年[※]と変化はなく、2年連続で三大不安が同じ結果となった。
男女年代別にみると、20代では男女ともに「賃金・収入」が1位となり、40代と50代では男女ともに「老後の生活資金」が1位となった。そのほか、特徴がみられた項目についてみると、30代女性では「物価の上昇」(32.8%)が5位にランクインし、20代・30代女性では「税金」(20代39.2%、30代39.2%)が4割で上位にランクインした。
※ビジネスパーソンの「マネ活」に関する調査→https://www.sparx.co.jp/news/uploads/pdf/PressJ170619.pdf
- 「ステルス値上げ」 女性の67%が実感
- ステルス値上げを実感している人の88%が「ステルス値上げでガッカリ」
- “巧妙なステルス値上げ”TOP3 「スナック菓子」「チョコレート」「ヨーグルト」
30代女性の3人に1人(32.8%)が、お金の不安を感じることがらで「物価の上昇」を挙げたが、値上げには、価格はそのままで、内容量を減らしたり質を下げたりして、実質的な値上げを行う“ステルス値上げ”がある。
そこで、全回答者(1,000名)に、身近な商品のステルス値上げを実感しているか聞いたところ、「実感している」は63.6%、「実感していない」は36.4%となった。男女別にみると、女性では「実感している」が67.2%で、男性(60.0%)よりも高くなった。
また、ステルス値上げを実感している人(636名)に、ステルス値上げでガッカリした経験があるか聞いたところ、「ある」は87.6%で、9割近くの人がガッカリした経験があることがわかった。
男女年代別にステルス値上げでガッカリした経験がある人の割合をみると、最も高くなったのは40代女性の92.4%で9割以上となった。
次に、ステルス値上げを実感している人(636名)に、購入する際に、巧妙なステルス値上げを感じたことがあるものを聞いたところ、「スナック菓子(ポテトチップスなど)」が62.6%でダントツだった。以降、「チョコレート」が41.0%、「ヨーグルト」が26.3%、「米菓(せんべいなど)」が23.9%、「冷凍食品」と「ウインナー・ハム」が22.8%で続いた。
- 「次回の消費増税で景気が悪化する」77%が悲観的な見方、50代では82%が“悪化”を予測
お金の不安として、20代・30代女性の4割が「税金」を挙げていたが、来年の10月に予定されている消費増税に対してビジネスパーソンは、どのような見方を持っているのか。
全回答者(1,000名)に、次回(2019年10月からの予定)の消費増税(8%→10%)で景気が悪化すると思うか聞いたところ、「そう思う」が77.1%と悲観的な見方が大半を占めた。
年代別にみると、消費増税による景気悪化を予測する人の割合は、50代で高く82.4%となった。
- ビジネスパーソンの「マネ活」実態
- 「マネ活」実態 「節約」実践率は61%、「貯金」は49%、「投資」は24%、「副業」は12%
- マネ活を始めたきっかけ 「ネットの記事を見て」がダントツ
お金の不安を解消するために、ビジネスパーソンは日々どのようなことを実践しているのか。お金の不安を解消するための取り組みを「マネ活」と称し、全回答者(1,000名)に、現在行っているマネ活を聞いたところ、「日々の生活費の節約」が61.4%で最も高く、次いで、「保険の加入(生命保険や損害保険)」が59.1%、「定期的に貯金を増やす」が48.6%、「投資(株式、公社債、投資信託、外貨、投資用不動産などの運用・保有)」が23.6%、「スキルアップ(収入アップ)のための自己投資」が17.4%、「副業」が12.1%となった。
男女別にみると、「日々の生活費の節約」は女性では65.0%と男性(57.8%)に比べて高く、「投資」は男性では29.8%と女性(17.4%)に比べて高くなった。
続いて、現在マネ活を行っている人(846名)に、マネ活を始めたきっかけを聞いたところ、「インターネットの記事を見て」が40.7%で最も高く、次いで、「テレビ番組・CMを見て」が21.9%、「新聞・雑誌を見て」が18.9%、「友人が始めた・やっていたのを見て」が9.0%、「使いやすいマネー系のアプリが出たので」が4.0%となった。スパークス・アセット・マネジメントでは、「インターネットの記事を見てマネ活を始めたという人が多いようです」とコメントしている。
- 毎月の貯蓄は平均4.1万円、収入アップ目指す自己投資は平均1.2万円、副業は平均3.3万円
- 男性の副業収入の平均が昨年より8%上昇で4万円超に
- 人気の副業3位「転売・せどり」、女性は「ハンドメイド販売」、40代は「ネットショップ」に注目
続いて、それぞれのマネ活を行っている人に、ひと月あたりどのくらいのお金をかけているか、質問を行った。
まず、現在定期的な貯金を行っている人(486名)に、ひと月あたり、どのくらい貯金を増やしているか聞いたところ、「1万~2万円未満」(21.0%)や「5万~10万円未満」(23.5%)に回答が集まり、平均額は41,188円となった。
年代別にみると、最も平均額が高くなったのは50代で45,285円だった。
次に、現在定期的にスキルアップ(収入アップ)のための自己投資にお金を費やしている人(174名)に、ひと月あたり、どのくらい自己投資に費やしているか聞いたところ、「5千円未満」(31.6%)や「5千~1万円未満」(23.0%)、「1万~2万円未満」(26.4%)に回答が集まり、平均額は11,633円だった。
続いて、現在副業を行っている人(121名)に、ひと月あたり、副業でどのくらいの収入を得ているか聞いたところ、「1万円未満」が36.4%、「1万~3万円未満」が21.5%、「3万~5万円未満」が17.4%となり、平均額は、33,325円だった。
男女別に平均額をみると、男性は40,281円、女性は27,130円で、男性のほうが13,151円高くなっている。
男女別に過去の調査結果と比較すると、男性では2017年37,167円→2018年40,281円と約8%の上昇となったのに対し、女性では2017年31,789円→2018年27,130円と約15%の下降となった。
それでは、どのような副業が人気なのか。
副業の経験がある人、または今後始めたい人(456名)に、関心を持っている(持っていた)副業を聞いたところ、1位は「ダブルワーク(アルバイトとの掛け持ちなど)」36.2%となり、2位「データ入力・集計」29.4%、3位「転売・せどり(オークション・フリマなど)」13.6%、4位「ハンドメイド(手作り品)販売」13.2%、5位「ライター(記事・コピー制作など)」12.5%となった。
男女別にみると、「ハンドメイド販売」では女性が19.4%と、男性(6.4%)よりも高くなった。スパークス・アセット・マネジメントは、「最近ではフリマアプリでの商品売買が人気となっていますが、自身で作った手作り品をフリマで売ることで収入を得たいと考えているビジネスウーマンが少なくないようです」とコメントしている。
年代別にみると、「ネットショップ運営(ドロップシッピングを含む)」は40代が10.2%でそのほかの年代よりも高くなった。
- マネ活実態とマネ活意識 “投資デビュー済”3割強、“投資デビューしたい”2割弱
ここからは、ビジネスパーソンのマネ活のうち“投資”に注目する。
全回答者(1,000名)に、投資のデビュー状況とデビュー意向について聞いたところ、投資経験がある「デビュー済層」が31.5%、投資の経験はないが始めたいと思っている「デビュー意向層」が17.4%、投資を始めるか迷っている「デビュー不確定層」が15.6%となった。
男女別に「デビュー済層」の割合をみると、男性39.6%、女性23.4%となり、投資経験者は男性に多いことがわかった。
- 投資をしているビジネスパーソンの投資資金 平均額は673万円、20代では382万円
現在投資を行っている人(236名)に、投資資金(運用や保有をしている金額)はどのくらいか聞いたところ、「10万円未満」(19.1%)や「100万~300万円未満」(19.9%)に回答が集まったほか、「10万~50万円未満」や「300万~500万円未満」(ともに12.7%)、「1千万~3千万円未満」(11.0%)にも回答が集まった。一方、「3千万~5千万」(2.5%)や「5千万~1億円未満」(4.2%)、「1億円以上」(0.4%)といった高額資金帯の回答も一部みられた。投資資金の平均額をみると673万円だった。
年代別に平均額をみると、20代は382万円、30代は436万円、40代は552万円、50代は1,221万円と、年代が上がるにつれ金額が上昇する傾向がみられた。
- ビジネスパーソンの投資先 男性は「日本株式」、女性は「投資信託」を選ぶ傾向に
- 投資対象として関心のある資産では「日本株式」がダントツ、「仮想通貨」は1割にとどまる
それでは、ビジネスパーソンはどのような投資先を選択しているのか。
投資をしている、またはしていた人(315名)に、投資経験のある資産を聞いたところ、「日本株式」が67.0%で最も高く、次いで、「投資信託(REIT以外)」が46.3%、「外貨(外国為替証拠金取引(FX)を含む)」が25.1%、「日本公社債(国債/地方債・社債など)」が19.4%、「外国株式」が14.9%となった。
男女別にみると、「日本株式」では男性が72.7%で女性(57.3%)より高く、「投資信託」では女性が59.8%で男性(38.4%)より高くなった。
次に、投資の経験がある人、または今後始めたい人(489名)に、投資対象として関心のある資産を聞いたところ、「日本株式」が58.1%で最も高く、「投資信託」が26.6%、「外国株式」が21.3%で続きました。そのほか、「仮想通貨」は10.8%、「金(ゴールド)・プラチナ」は10.4%、「投資用不動産」は8.4%となった。値動きの激しさで度々ニュースに取り上げられる仮想通貨だが、投資対象として興味を持っている人の割合は1割にとどまった。
- ビジネスパーソンの投資意欲UPの背景やきっかけの実態
- AIフィンテック時代始まる→“ロボアド活用によるリスク分散”で投資未経験者の3割弱が投資意欲UP
- ポイント投資サービスがこれからの流行に?→20代の投資未経験者の半数以上が「ポイント投資で投資意欲が増す」と回答
投資をしたことがない人が投資デビューするにあたり、どのようなサービスが後押しとなるか。
投資未経験者(685名)に、投資サービスや投資環境を例に挙げ、実現したら(または実現していることを知ったら)、どの程度投資意欲に変化があるか聞いたところ、【スマホで投資】では、「投資を始めるきっかけになる」が10.1%、「今より投資をしたいと思う気持ちが高まる」が20.0%となり、それらを合計した「投資意欲が増す」は30.1%となった。スパークス・アセット・マネジメントは、「スマホで手続きが完結できるのであれば投資への意欲が増すという人が少なくないようです」と述べている。
そのほかの項目をみると、【AIでリスク分散】では「投資意欲が増す」は27.3%、【買い物のおつりで投資】では34.2%となった。スパークス・アセット・マネジメントは、「投資におけるリスクを分散する仕組みやコツコツ自動的に投資できる仕組みがあることが、投資デビューを後押しするのかもしれません」とコメントしている。また、【金融機関以外の投信販売】では18.2%、【現金ではなくポイントで投資】では42.6%となった。「ポイントを投資に活用できることに魅力を感じる人が多いようです」とスパークスでは述べている。
年代別に「投資意欲が増す」をみると、20代はほかの年代と比べて高い傾向がみられ、【AIでリスク分散】では34.3%、【買い物のおつりで投資】では42.3%、【現金ではなくポイントで投資】では51.3%と半数以上となった。
さらに、投資意向別に「投資意欲が増す」をみると、投資デビュー意向層(投資を始めたい人)では【現金ではなくポイントで投資】が70.1%で最も高く、【スマホで投資】が65.5%、【AIでリスク分散】が60.3%で続いた。スパークス・アセット・マネジメントは、「投資デビューに前向きな人ではポイント投資に魅力を感じる人が多いようです」とコメントしている。
また、【現金ではなくポイントで投資】は、デビュー不確定層(投資を始めるかどうかわからない人)でも「投資意欲が増す」は55.8%となった。スパークス・アセット・マネジメントは、「ポイントで投資できるサービスは、明確に投資を始めたいと思っていない人に対しても、投資デビューを後押しする効果があるのではないでしょうか」と述べている。
- もしもバフェットが日本企業に投資するならどこ?「トヨタ自動車」が1位
スパークス・アセット・マネジメントによると、世界的な投資家であるウォーレン・バフェット氏が投資先として選ぶ企業の株は“バフェット銘柄”とも称され、次のような特徴があるといわれている。
【バフェット銘柄の特徴】
- エンドユーザーから支持されている商品・サービスを持っている企業
- 業績が順調、長年安定して成長しそうな企業
- 他社が真似できないような強みを持っている企業
- 高収益を生むビジネスモデルを構築している企業
- 借入が少ない企業
そこで、全回答者(1,000名)に、バフェット銘柄の特徴を提示し、バフェット氏が投資しそうな日本の企業を聞いたところ、1位「トヨタ自動車」(104名)、2位「ソフトバンクグループ」(43名)、3位「楽天」(32名)、4位「ソニー」「任天堂」(ともに18名)と、トヨタ自動車が1位となった。