ブルームバーグは2022年6月30日、 「ブルームバーグ債券インデックス」(以下、 「ブルームバーグ・インデックス」)をベースとした取引可能なインデックスシリーズ、 「Tradeable Trackers(トレーダブル・トラッカーズ)」について近日中に提供を開始することを発表した。
ブルームバーグによると、これまでの終値を基準として算出されたインデックスとは異なり、 ルールに基づいて運用される新たなインデックスは、 日中のプライシングが可能で、 トラッキングエラーを最小限に抑えながらも、 透明性と価格発見(プライス・ディスカバリー)機能を向上させる。 また、 Tradeable Trackersは、 標準化された上場商品の開発を通じて、 債券デリバティブ市場のイノベーションを後押しする。 これらの新しいインデックスは、 ブルームバーグの包括的な債券およびデリバティブ関連の商品を拡大し、 顧客がこれらの市場に対するエクスポージャーを容易に得られるようにするもの。
ブルームバーグによると、近年の米国証券業金融市場協会(SIFMA)の調査では、 米国の社債発行残高は2017年から2021年にかけて26.3%増加したが、 米国の金融業の自主規制機構であるFINRA(Financial Industry Regulatory Authority)の報告によると、 流通市場の一日あたりの平均出来高(ADV:Average Daily Volume)は同期間で12.7%の増加にとどまっている。 Tradeable Trackersは市場参加者に対して、 債券流通市場の流動性を高めながら、 資本効率よくポートフォリオのリスクを管理する能力を提供することになる。
ブルームバーグ・インデックス・サービス・リミテッド( " class="glossaryLink ">BISL)のスティーブ・バークレーCEOは、 次のように述べている。
債券市場が発展するにつれて、 投資家に流動性の高い数多くの金融商品が提供されることが予想されます。 Tradeable Trackersは、 このコンセプトをさらに一歩進め、 世界で最も広く利用されている債券インデックスであるブルームバーグ・インデックスによって測定された、 流動性とターゲットとなるマーケットのパフォーマンスの双方を提供します。
Tradeable Trackersの最初のインデックスは、 ブルームバーグ米国社債インデックスのパフォーマンスやスプレッドを算定する200の流動性の高い債券で構成され、 2022年第4四半期に提供開始となる予定。
インデックス価格は、 ブルームバーグの定評あるプライシング・サービスであるBVALによって提供される。 BVALの日中取引のプライシング商品で、 トレーディングとインデックス・プライシングの乖離を減らすために改良された「IBVAL」を利用する。 BVALは、 高品質なデータ、 洗練された手法、 評価プロセスやデータ入力の透明性を提供しながら、 顧客のニーズに合わせて持続的に進化している。 これにより、 これらのベンチマーク指数との相関性が高いTradeable Trackersをベースとした商品の流動性を高めることが可能となる。 また、 ブルームバーグ・ターミナルの利用者は、 ブルームバーグのインデックス相対価値分析(IRV)を利用して、 取引機会を探ることができる。
Tradeable Trackersは、 ブルームバーグの電子取引ソリューションと組み合わせて利用することができ、 市場参加者はリスク管理の精度と質を向上させることが可能となる。