金融ロボアドバイザーサービスの開発・運営を行う株式会社フィンプラネットは株式会社セブン&アイ・ホールディングス傘下の株式会社セブン・フィナンシャルサービスとの間で、 2020年5月、 資本業務提携を締結した。また、 フィンプラネットの開発する金融総合ロボアドバイザーサービス『fints』の一般提供開始に向けて、セブン・フィナンシャルサービスと共同で実証実験を開始したと2020年7月3日に発表した。
1.資本業務提携の目的
フィンプラネットによると、同社は国内で唯一、 保険選びと資産運用の両面において公平中立な立場から消費者向けアドバイスを提供する金融事業会社。 (*1)同社の開発した金融総合ロボアドバイザーサービス『fints(フィンツ)』(*2)は、 「払いすぎをゼロに、 眠った資産はプラスに」というコンセプトをもとに設計された。同サービスは消費者の加入する健康保険制度や社会保障制度、 勤務先における従業員支援制度といった様々な保障や支援制度を保険設計に取り入れることで保険料の「払いすぎをゼロに」、 また、 企業型や個人型の確定拠出年金といった本来中核に据えられるべき資産の徹底した活用を促進することで「眠った資産をプラスに」することを目指し、消費者一人ひとりに合わせた包括的な金融アドバイスを提供するWEBアプリケーションサービス。
『fints(フィンツ)』は今後、 雇用主として従業員満足度の向上をねらう企業のための福利厚生サービスとして、また、リテール事業者に対しては顧客サービス向上の為の施策として活用できるミニアプリやホワイトレーベルの形態にて、2020年秋より順次提供が開始される予定。
フィンプラネットは、「この度当社は、 セブン&アイグループの店舗網を通じた多彩な顧客接点、 全国に張り巡らされたATM網、 ならびに同グループに対する消費者の皆様からの厚い信頼と、 当社のサービスや経営資源とのシナジーを創出、 両社のお客様の利便性・満足度の向上を実現することを目的として、 資本業務提携契約を締結しました」と述べている。
2.資本業務提携の概要
(1) 資本提携の概要
フィンプラネットは第三者割当増資により新株式を発行、 その総数をセブン・フィナンシャルサービスが引き受け、 資金調達を完了致した。
(2) 業務提携の概要
フィンプラネットが有する金融商品・サービスに対する知見・開発力や同社が開発する金融総合ロボアドバイザーサービス『fints(フィンツ)』と、 セブン&アイグループの持つ決済や保険サービス、 営業インフラや顧客基盤等とのシナジーを図り、 両社連携して消費者を中心に据えた新しい金融サービスの開発を進める。
3.共同実証実験の概要
業務提携締結に伴う第一弾の取組みとして、 2020年6月よりセブン・フィナンシャルサービスおよびセブン&アイグループの従業員を対象に、金融ロボアドバイザーサービス『fints(フィンツ)』の試用に関する共同実証実験を開始した。 実証実験を通じてサービスの一層の機能改善・品質向上に取り組み、 近日中の一般向けサービス開始を目指す。
*1 フィンプラネットは保険業法ならびに金融商品取引法に基づき登録を受けた金融事業者。 参議院本会議にて先日成立しました「金融サービスの提供に関する法律」(所謂、 改正金販法)において定義される「金融サービス仲介業」(以下、 新仲介業)と同じく、 所属金融機関を持たず、 また保険・証券分野に横断的に商品を取り扱う事が可能。 他方、 フィンプラネットによると、新仲介業者に適用される取り扱い商品の範囲に関する制約が同社に適用される事はなく、新仲介業は2021年度以降に立ち上がるものと思われるが、同社は既存の法的枠組みを活かし、 近日中のサービス開始を予定している。
*2 同サービス構想は東京都主催の金融サービス事業者を表彰する賞「東京金融賞(金融イノベーション部門)」においてもファイナリストに選出されるなど高い評価を受けている。