フィデリティ・インターナショナル、アジアの個人投資家調査の結果を発表


フィデリティ投信株式会社は、フィデリティ・インターナショナルがアジア太平洋の6つの地域(日本、中国本土、香港、台湾、シンガポール、オーストラリア)で個人投資家を対象に実施した調査*の結果を2024年7月10日に発表した。

 

調査結果の概要

  • 米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待から、アジアの個人投資家の半数以上が現金保持から株式投資へのシフトを検討
  • 全体の半数以上、日本は7割超の投資家が長期目線での資産形成のために投資
  • 全地域の投資家が今後12ヵ月は米国とグローバルに注目、日本は半数以上が国内投資を検討
  • NISA利用の目的は「老後の資産形成」がトップ、若年層では多くの人が投資するものを選ぶ傾向

 

アジア太平洋地域の投資家は、今後6~12か月以内に予想されるFRBの利下げに向けて準備を進めているとみられ、今回の調査では半数以上(53%)が株式への投資を増やすと回答しており、特に台湾(61%)、シンガポール(60%)、オーストラリア(59%)ではその傾向が顕著だった。また、64%がインカム収入を得られる資産への投資を検討しており、特に台湾(74%)、オーストラリア(73%)、シンガポール(72%)でその傾向が最も強く見られ、全体では28%が債券への投資を増やしたいと回答した。

フィデリティ・インターナショナル の クライアント・ポートフォリオ・ストラテジスト テレンス・カン氏は、次のようにコメントしている。

アジア太平洋地域の投資家の多くが、利下げ期待から、株式や債券などへの投資を積極的に検討していることは良い傾向です。一方で、多くの投資家が未だ資産の大部分を定期預金や現金で保有しているため、金利の低下局面では全体的なリターンが損なわれる可能性が高くなっています。今回の調査で、大部分の投資家が長期的な資産形成のために投資をしており、年率約8%のリターンを期待していることが分かりましたが、それには現金以外への資産配分が必要になるでしょう。

今回の調査では、多くの投資家が長期投資を考えている傾向が見えた一方で、18~29 歳の投資家では、 5人に1人しか投資期間を5 年以上のスパンで考えている人はいませんでした。時間を味方につけられる若い投資家こそ、市場サイクルによって生じる資産価値の上下に一喜一憂するのでなく、長期の時間軸で投資に取り組むことが重要です。

 

全体の半数以上、日本の7割超の投資家が長期的な資産形成のために投資

質問: 投資をする主な理由は何ですか?(単一選択)

投資をする主な理由

日本の投資家は半数以上が国内投資を検討、全地域の投資家が米国とグローバルに注目

質問: 今後12か月以内にどの市場に投資する予定ですか? (複数選択、各マーケットの上位3地域を表示)

今後12か月以内にどの市場に投資する予定か

今後12ヵ月の投資先としては、地域別では最近の好調な市場パフォーマンスに牽引される米国が最も人気が高く、グローバルとアジアがそれに続いている。日本においては、米国(37%)やグローバル(17%)を抜いて、日本(58%)をあげた人が最も多くなった。今年1月に始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)の影響や日経平均株価の最高値更新などもあり、日本への積極的な投資意欲が見られた結果となった。また今回の調査では、アジア太平洋地域の投資家が、平均で3種類ほどの金融商品を通じて分散ポートフォリオを構築していることもわかった。フィデリティ投信は、「さまざまな資産や地域への分散投資によりリスクが軽減され、安定したリターンの獲得、そして長期的な資産成長が期待できます」と述べている。

 

NISA関連 (日本の投資家向け調査)

NISAで投資する目的

質問: NISAで投資する目的は何ですか?(複数選択、年代別・全体で各目的を選択した人の割合を表示)

NISAで投資する目的

今回の調査では、日本の投資家を対象に、1月より拡充されたNISA制度の利用状況について尋ねた。NISA利用の目的を尋ねたところ、「老後の資産形成(年金の補完)」をあげる人が非常に多く、長期の資産形成の手段としてNISAを考えていることが分かった。一方で、人生で資金が必要になるのは老後に限らず多岐にわたるため、時間軸やゴールを限定しない「資産を増やすため」という回答も特に若中年層で多くなった。

 

NISAで投資資産を選ぶ基準

質問: NISAで投資をする資産を選ぶとき、次のどの判断基準で選んでいますか?(単一選択、年代別・全体で各目的を選択した人の割合を表示)

NISAで投資資産を選ぶ基準

また、NISAで投資する商品を選ぶ基準については、リスクとリターンのバランスが良いものを選ぶ「効率性重視」が全ての年代でトップとなった。次いで、40代までの若中年層ではリターンが高いものを選ぶ「リターン重視」、50代以降では低リスクのものを選ぶ「リスク重視」が高い結果となった。29歳以下の若年層では多くの人が投資するものを選ぶ人が多く、SNS等での情報収集による投資判断などの背景が伺える結果となった。

 

日本の調査結果について、 フィデリティ投信 の 商品開発部長 松本学氏は次のようにコメントしている。

日本は、他のアジアの国々と比較して長期での資産形成の意識が高い結果となり、NISA利用の目的として老後の資産形成がトップとなりました。背景には、少子高齢化に伴い受給できる年金は減る一方で、寿命が延びて生涯に必要なお金は増えていることがあります。老後の資産形成を目的とする長期資産運用では、年齢や状況により最適な資産配分やとるべきリスクが変化しますが、個人のライフプランやゴールにあった資産運用を、継続的に内容を見直しながら行うことは容易ではありません。長期投資に適した商品や専門家にアドバイスを求めることなども活用して、自分のゴールに適した運用を長期に続けられるよう工夫が必要です。