株式会社丸井グループは、 つみたて投資専門の「tsumiki証券株式会社(予定)」の事業を2018年9月、 関係機関への手続終了後に開始すると発表した。
■ 証券事業参入の背景
丸井グループでは、証券事業参入の背景について次のように説明している。
<フィンテック事業の考え方>
当社グループは収入や世代を問わず「すべての人」が、 豊かなライフスタイルを実現できる金融サービスを提供すること(ファイナンシャル・インクルージョン)が事業のミッションであると考えています。 この考え方は、 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の「誰も置き去りにしない」という視点と一致するものです。
<お客さまの状況>
当社グループのエポスカード会員657万人(2018年3月末時点)のうち、 約半数が20代・30代、 約7割が女性のお客さまの構成となっております。
2017年の世論調査(※1)によると、 18~30代の若年層の約6割が、 現在の生活ではなく「将来のために」貯蓄や投資などで備えていると回答しており、 将来の備えを重視する若年層が増えてきています。 (※1 出典:内閣府「国民生活に関する世論調査」)
また日本は、 金融資産に占める現預金の割合が高く、 家計金融資産の伸びが諸外国に比べ低水準となっています。 そこで金融庁は「貯蓄から資産形成へ」を推進しています。
このような背景を踏まえ、 当社グループは証券事業に参入し、 経営資源を活かした新たな資産形成サービスを提供することで、 お客さまが明るい未来を想像でき、 夢の実現に向かって歩み出すためのお手伝いをしてまいります。
<つみたてNISA>
今年1月より金融庁は「貯蓄から資産形成」へ向けて、 『つみたてNISA』の運用をスタートしました。 年間の投資上限額40万円と少額から始められること、 20年の長期にわたる非課税制度であること、 対象商品は長期の資産形成に適した一定の投資信託に限定 されていることなど、 若者や投資初心者の「長期・積立・分散投資」を応援する制度です。
■ tsumiki証券がめざすもの
また、丸井グループは、tsumiki証券の目指すもの、社名に込めた思いについて、次のように述べている。
tsumikiは、 つみたてを通じて「すべてのお客さまのしあわせ」のお手伝いをする会社です。 お金には、 夢や希望・安心・大切な人など一人ひとりの「想い」がつまっている一方、 誰もが「心配」や「不安」を感じています。 お客さまに安心してお金を育てていただきたい。 私たちは、 「こつこつ・ゆっくり・自分のペース」のつみたてがいちばんと考え、 つみたて専門の会社をつくることにしました。 tsumikiという社名には、 そんな気持ちがこめられています。
<サービスの概要>
「つみたてNISA」対象の投資信託を、 毎月こつこつ定額で、 同社グループの発行する “エポスカード”の1回払いで購入することで、顧客の「つみたて投資による長期の資産形成」を応援していく。
クレジット払いで投資信託を購入できるのは、 日本初のスキーム
顧客は月5万円を上限につみたてを行うことができ、 いつもの買いものや携帯電話の利用代金とともに、 毎月銀行口座から引落を行う。利用は1回払いのみとなるので、 金利手数料等はかからない。年間のつみたて金額やつみたて期間に応じた、 エポスポイントもプレゼントされる。
<資産づくりが初めて場合>
また、 WEBと店舗の融合により、 顧客の不安などをサポートしていく。 シンプルで分かりやすいWEBサービスを軸に、 マルイ店頭での投資初心者向けの入門セミナーやフォローセミナーの開催、 同社グループ社員によるお金に関する相談窓口や口座申込みサポートなど、 WEBだけでは完結しない顧客一人ひとりに寄り添ったサービスや学びの場を提供する。
<nendoによるデザイン>
ビジネスデザインは、 世界的デザイナー佐藤オオキ氏率いる「nendo」によるもの。 資産形成になじみのない人が、 安心してはじめの一歩を踏み出せるよう、温かく親しみのもてる世界観をWebサイトやプロダクトを通じて表現していく。
<商品ラインナップ>
提供する商品は、 現在国内で販売されている投資信託約6000本から、同社が「お客さまが長期の資産形成をしていただくのにふさわしい商品である」と判断した3社4本の投資信託。
丸井グループでは、次のようにコメントしている。
運用会社さまとは商品提供のみならず、 セミナーなどを通じ、 ともにお客さまの資産づくりを応援してまいります。これらの取り組みを進めることで、 10年後には100万人のお客さまへサービスを提供し、 預かり資産残高1兆円をめざしてまいります。