金融リテール・プロフェッショナル向け情報誌『Ma-Do(マ・ドゥ)』を発行する株式会社想研では、投資信託販売チャネルとして注目を集めつつある IFA(金融商品仲介業者)を対象に、アンケートを実施した。
株式会社想研では、調査背景について次のように述べている。
金融庁では、これまでの金融審議会市場ワーキング・グループの議論を踏まえ高齢社会における資産 形成に必要な心構えを国民に示すとともに、国民の資産形成を後押しするために金融サービス提供者 が求められる対応などに言及した報告書を提示しました。報告書の中では、個々人に的確なアドバイ スができるアドバイザーの充実が重要とされており、まさに IFA(金融商品仲介業者)業界に対する メッセージと捉えられます。
2000 万円問題により「自助」に関心を持つ個人が急増する中で、顧客と長期にわたる関係性を構築 し、個々人のニーズに応じた提案を行う IFA が増えつつあります。米国では IFA に相当する独立系アドバイザー経由で資産管理・運用を行うケースが一般的とも言われ ていますが、我が国における IFA の社会的認知は少しずつ広まりを見せてきています。
【調査概要】
- 実施主体: Ma-Do(株式会社想研)
- 実施時期:2019 年6月1日~7月16日
- 調査対象:金融商品仲介業者(法人形態のみ)529 社(※金融庁発表の金融商品仲介業者登録一覧(2019 年 4 月末現在)のうち、対面によるコンサルティングを行っ ていないと見なした法人等を除外。)
- 調査方法:『Ma-Do』Vol.54(2019 年 5 月下旬発行)へのアンケート票同梱郵送配布およびメール、FAX または WEB にて回収
- 回収状況:回収数:55 票(うち、無効票:1 票) 有効票数:54 票
アンケートのトピックと概要は次の通り。
1. 営業収益は減少も、主要な業績指標は好調。
金融商品仲介業務の営業収益は減少した法人数が増加。一方、業績 3 指標(稼働顧客数、預り資産 合計額、投資信託預り資産額)が増加した IFA は約 8 割に上る。
2. 顧客の年齢比率では『40 代』が最多に。
金融商品仲介業務における顧客比率では、資産形成層(給与取得者等)が約 6 割にも。 顧客の年齢比率では『40 代』が最多、次いで『60 代以上』に。
3. 9 割超が金融商品仲介業務以外を兼業。
金融商品仲介業務以外に兼業する企業は 9 割超に、昨年の約 8 割から増加。 また、金融商品仲介業務の割合が 10%未満の企業も約 3 割占める。
4. 生命保険販売に注力する理由では『収益性の差』が最多に。
金融商品仲介業務と生命保険代理店業務の収益に偏りが生じる理由では、約 3 割が「両業務の収益性に差があるため」と回答。次いで「投信積立を中心に推進しているので、短期的には収益が大き く伸びないため」との回答は一票差に。
5. 約 6 割が共通 KPI を開示を検討。
投資信託の販売会社における比較可能な共通 KPI(key performance indicator)について、2 社が開示済み、約 6 割が開示予定・検討中と回答。
さらに、オリジナル KPI については、約 5 割が開示予定・検討中と回答も。
6. 約 7 割がフィーベースモデルに好印象。
法人 IFA の約 7 割、フィーベースモデルの採用に好印象。 しかし、「フィーベースは万能ではなく、顧客属性や投資意向等によってケース・バイ・ケースで考 えるべきだ」との回答も 8 割。
※特別に記載のない場合は 2018 年 3 月末比。
※2018 年 4 月以降に金融商品仲介業を開始した企業は比較不能のため、分母から除外して計算。