情報管理ソリューションのトッパン・フォームズ株式会社は、同社のLABOLISを利用して「NISA(=少額投資非課税制度)及びジュニアNISA」に関する調査を実施した。今回の調査では、既にNISA口座を開設している人のうち「開設しているが、運用はしていない」という方が3人に1人いる結果となった。トッパン・フォームズでは、「NISA口座を開設する際に制度全般が分かりにくいと感じた人が多いことから、制度の難しさからくる理解不足が運用のネックになっていると考えられます」と述べている。
一方、2016年からスタートするジュニアNISAの認知度は約35%だった。ジュニアNISAに関する告知方法でうれしいものを聞いたところ、「金融機関のWeb」が最も多く、次いで「ダイレクトメール(DM)」となった。トッパン・フォームズでは、「NISAでは制度が分かりにくいなど理解不足が生じていることから、ジュニアNISAを案内する際には、WebやDM、パンフレットなどのツールにおいて、理解しやすくするためのフォローが重要であると考えられます。そうすることで、ジュニアNISA口座を開設した後、スムーズに運用が始められるのではないでしょうか」と述べている。
【調査結果の概要】
- NISAの認知は広まっているものの、口座開設者の3人に1人が運用していない。
- NISA口座開設時に悩んだことは「NISAによるメリットがどのくらいあるのか」ということ。100万円の資金が必要になると誤解している人も。口座開設者の3割が「制度全般」が分かりにくかったと感じており、開設時の理解度を高める工夫が必要といえる。
- 2016年1月から受付が開始される「ジュニアNISA」の現時点の認知度は35%。一方でお子さん・お孫さんの資産形成を考えている方は多いため、選択肢の一つとしてジュニアNISA訴求の余地はあり。
- ジュニアNISAの情報は「金融機関のWeb」での告知が最もうれしい。DMやパンフレットによるアプローチもポイントが高い。男性はWeb、女性は紙媒体を好む傾向あり。
トッパンフォームズは、企業と生活者のコミュニケーション課題を解決する「LABOLIS」で行ったさまざまな調査結果を活用し、顧客と共にジュニアNISAの開設・運用を検討する生活者の目線に立ち、分かりやすく制度を伝えるためのコミュニケーションツールを提供する。また、制度開始後は口座開設申し込みの受付やデータ入力、コールセンターでの問い合わせ対応など、さまざまなバックオフィス業務を受託することで、顧客の業務効率化をサポートしていく。
【調査概要】
調査手法:株式会社ネオマーケティングによるWebアンケート方式で実施
対象者:お子さん・お孫さんがいる全国の成人男女
有効回答数:3,092名(男性1,840名 女性1,252名)
割り付け:
(1)NISA口座を開設済・運用中 200名
(2)NISA口座を開設済・非運用 200名
(3)ジュニアNISAの利用意向あり(NISA口座の開設有無を問わず)200名
※(3)が(1)(2)と一部重複するため、(1)~(3)合計は447名
実施時期:2015年7月21日(火)~2015年7月22日(水)
【LABOLIS(ラボリス)について】
顧客の個客コミュニケーション上の企画課題に対して、アンケートによる生活者調査や、視線計測調査、顧客データ分析などの科学的なアプローチを用いたサービスにより、お客さまとともに最適な解決策の発見・企画を行う。
【調査結果】
1.NISAの認知は広まっているものの、口座開設者の3人に1人が運用していない。
NISAについて聞いたところ(表1参照)、「知っている」と回答した方が45.6%、「名前を聞いたことがある」と回答した方が41.5%と、合計して87.1%となった。NISAが開始され1年半という期間だが、NISAは既に多くの人に認知されている模様。
NISA認知者のうちNISA口座の所有率は32.3%という結果となった。しかし、口座開設した方のうち34.3%が「既にNISA口座を開設しているが、運用はしていない」と回答。
2.NISA口座開設時の悩みは「NISAによるメリットがどのくらいあるのか」。
100万円の資金が必要になると誤解している人も。口座開設者の3割が「制度全般」が分かりにくかったと感じており、開設時の理解度を高める工夫が必要
といえる。
NISA口座を開設している人に、開設するまでに悩んだことを聞いたところ、「NISAによるメリットが不明瞭」と悩んだ方が最も多い結果となっている。NISA口座の運用状況で比較すると、運用していない人は全体的にポイントが高くなっており、開設の際に悩む方が多い傾向がわかる。特に、「100万円も資金の余裕がない」では運用状況でポイントの差が大きくなっているが、実際は100万円は上限であり必要金額ではないので、制度を正しく理解できていなかった状況が伺える。
また、口座開設までに分かりにくいと感じたことを聞いたところ、「制度全般」が最も多くなった。運用していない人は4割弱が分かりにくさを感じており、制度の難しさ・制度に対する生活者の理解不足が運用のネックになっていると考えられる。
3.2016年1月から受付が開始される「ジュニアNISA」の現時点の認知度は35%。
一方でお子さん・お孫さんの資産形成を考えている方は多いため、選択肢のひとつとしてジュニアNISA 訴求の余地はあり。
次いで、2016年からスタートするジュニアNISAについて聞いた。今までNISAでは未成年者名義の口座で取引ができなかったが、ジュニアNISAがスタートすることにより可能になる。まずは、ジュニアNISAの認知について聞いたところ、「知っている」と回答した方は13.9%、「名前を聞いたことがある」と回答した方が21.8%と合計35.7%となった。
一方で、NISA口座所有もしくはジュニアNISA利用意向のある人に、お子さん・お孫さんの資産形成について聞いたところ、約65%の方が具体的に対応を実施していることが分かった。トッパン・フォームズでは、「お子さんやお孫さん向けということは、ジュニアNISAの告知のキーワードになるのではないでしょうか」と述べている。
4.ジュニアNISAの情報は「金融機関のWeb」での告知が最もうれしい。
DMやパンフレットによるアプローチもポイントが高い。男性はWeb、女性は紙媒体を好む傾向あり。情報を入手するとしたら、金融機関からどのような告知があるとうれしいと思うかを聞いたところ、最も多い回答は「金融機関のWeb」の24.8%だった。次いで「DM」という回答が多く、特に女性ではDMが最も多くなっている。
また、金融機関からのアプローチでも、「パンフレットなどを自宅に郵送してくれる」が最も多くなっている。NISA口座開設時の不安点・疑問点では、特に口座を運用していない方が「制度が分かりにくい」と回答した。トッパン・フォームズでは、「理解不足が生じていることから、ジュニアNISAを告知する際には、WEBやDM、パンフレットなどのツールにおいて、理解しやすくするためのフォローが重要であると考えられます」とコメントしている。