フィデリティ投信、フィデリティ・ビジネスパーソン1万人アンケート2024年の結果を発表


フィデリティ投信株式会社は、2024年9月10日、フィデリティ・ビジネスパーソン1万人アンケート2024年の結果を発表した。フィデリティ投信は2010年よりこの調査を通じて、日本全国の会社員と公務員の資産形成や退職準備に関する定点観測を続けており、今回で11回目となる。今回は新NISA(少額投資非課税制度)開始以降初めての調査であり、開始半年の利用実態を多面的に分析することに主眼を置いた。また今年から新たに、労働人口の4割弱を占める非正規雇用者も調査の対象に加え、新たなフェーズに入った個人の金融行動の実態を浮き彫りにしている。

調査について、 フィデリティ・インスティテュートの首席研究員 浦田春河氏は次のように分析している。

新たに投資を始めた人のうち6割以上が『新NISAの開始』を理由にあげており、新NISAが特にこれまでスポットがあたってこなかった非正規雇用者の投資家層の掘り起こしに寄与していることがわかりました。金融教育に関しては、従業員エンゲージメントを向上させるとのデータがある一方で、職場での普及率は低位にとどまっています。金融経済教育推進機構(J-FLEC)が立ち上がりましたが、非正規雇用者を含めた勤労者に対する教育機会の拡大は今後の課題でしょう。若い世代は老後資金の財源として自助努力制度への期待が高く、今後はiDeCoの大幅な制度拡充が待たれます。

【調査結果抜粋】

新NISAをきっかけに投資を始めた人は、正規・非正規雇用ともに6割超に上る。

「もともと投資をしていなかったが、投資を始めた」928人のうち、「新NISAがきっかけ」と回答した人は586人(男性324人、女性262人)。正規・非正規雇用の差異はなく、非正規雇用は特に若年層・中堅層の比率が高い結果となった。

【新NISAをきっかけに投資を始めた人(比率ベース:年代・雇用形態別)】

新NISAをきっかけに投資を始めた人

 

預貯金から新NISAへお金をシフトさせる人が4割弱。新NISAは「貯蓄から投資へ」を着実に推進。

新NISAに投資するお金の財源として、給与、ボーナスなどこれから稼ぐお金を財源とする人が最も多いが、預貯金残高からシフトさせる人も4割弱存在。既存の保有資産における「貯蓄から投資へ」が進んでいることがわかった。

新NISAに投資するお金の財源は何ですか? (複数回答可能)

新NISAに投資するお金の財源

 

投資を増やした人の理由も新NISAが圧倒的。

投資額を増やした人の理由の第2位以下は、「インフレ」「投資知識増」「相場変動」の順で昨年と変わらず。また「相場変動」「インフレ」「収入減」は、投資額増減のどちらにも働く点も昨年と同様。

投資を増やした理由 vs 減らした理由 (複数回答可能)

投資を増やした理由 vs 減らした理由 (複数回答可能)

 

新NISAで人気の投資商品: 若年層は外国株投信、高齢層は日本の個別株式。

「NISA濃度」(新旧NISA経由で投資する割合)が高いのは外国株投信、次いでバランス型投信。

新NISAで投資している投資商品トップ5 (複数回答可能)

新NISAで投資している投資商品トップ5

 

お金に関する情報入手ルート: SNSが人気だが、金融資産が多い層はニュースWEBや金融機関。

SNSやブログ、ニュースWEBは全般的に人気だが、資産額が増えるにつれ、雑誌、新聞、本、ファイナンシャル・プランナー、また特に金融機関から情報を得る人が増えることがわかった。

金融資産額別に見たお金に関する情報入手ルート

金融資産額別に見たお金に関する情報入手ルート

 

フィデリティ・ビジネスパーソン1万人アンケート2024年のフルレポート→
https://retirement.fidelity.co.jp/white-papers/businessperson-survey/

 

「フィデリティ・ビジネスパーソン1万人アンケート」*¹とは

フィデリティは2010年より、日本全国の20代から60代*²の会社員と公務員の資産形成や退職準備に関する動向の調査を続けており、今回で11回目。2024年の調査は6月30日~7月7日にインターネットを通じて10,987人を対象に実施。
調査参加者の年代区分: Z世代:20~27歳、若年層:28~36歳、中堅層:37~52歳、高齢層:53~64歳
過去調査の実施年: 2010年、2013年、2014年、2015年、2016年、2018年、2019年、2020年、2022年, 2023年
*¹ 2019年までは「フィデリティ・サラリーマン1万人アンケート」
*² 2022年以降、対象を20代から60代に拡大(それ以前は20代から50代)