リフィニティブ、多様性と受容性に富む企業の世界トップ100社を発表


世界有数の金融データ・プロバイダーであるリフィニティブは、ダイバーシティ&インクルージョン・インデックス(以下「D&I指数」)でランク付けされた2020年の世界で最も多様性と受容性を備えた企業の上位100社を2020年9月16日に発表した。同指数のレーティングは、世界の時価総額の80%余りを占める1万社近くの企業について、450件超の「環境・社会・ガバナンス(ESG)」のデータ項目の相対的なパフォーマンスを透明かつ客観的に測定し、重要でかつ差別化されたインサイトを提供するためにデザインされたリフィニティブのESGデータによって行われている。

今年のD&I指数で上位100社をリードした業界は、18社が含まれた銀行・投資サービス・保険、次いで9社の医薬品業界、また通信サービス、専門小売店業、個人・家庭用品がそれぞれ7社となった。国別では、20社の米国がトップで、英国が13社、オーストラリアが9社、それにカナダとフランスが7社と続いた。

日本企業ではソニーが13位で最も順位が高く、それに資生堂と野村ホールディングスも上位100社の中に入った。アジア・太平洋地域の企業を対象にしたランキングでは、ソニーがトップに輝き、資生堂が5位、野村ホールディングスが17位となった。

D&I指数およびそのもとになる多様性と受容性の指標は、リフィニティブが展開するWorkspace(ワークスペース)およびEikon(アイコン)から取得可能で、金融の専門家が投資において持続可能性に関わるリスクと投資機会で企業を評価する目的に加えて、多様性の視点から投資戦略を強化するために利用することができる。D&I指数は、「ダイバーシティ(多様性)」、「インクルージョン(受容性)」、「人材開発」、「論争・物議」の柱となる4項目のそれぞれで評価し、スコアを割り当てる革新的な分析手法を採用している。4項目にまたがってスコアを得た企業のみ総合スコア(各部門のスコアの平均)が割り当てられる。その中で、総合スコアが最も高い上位100社がインデックス構成銘柄に採用される。

リフィニティブのチーフ・リベニュー・オフィサーであるデブラ・ウォルトン氏は次のように語っている。

世界中の企業が、多様性のあるチームの活動を通じてより効果的な従業員構成を作り出すための指針として、当社のD&I指数が引き続き利用されていることを、喜ばしく思います。世界的パンデミックにより、多様性と受容性があらためて注目されており、私たちがみな同じ状況にあるという現実が浮き彫りになりました。データに基づくインサイトとその透明性は、より多様性と受容性に富む職場作りを成功させるための基本的な要素です。

リフィニティブによると、従業員の多様性と受容性は、環境・社会・ガバナンス(ESG)の主要テーマであり、金融に携わる専門家が投資戦略および資産分配を決定する際、頻繁に取り入れている。新型コロナウイルスをめぐる状況は、多様性が事業の回復と弾力性にとって極めて重要な理由であることを明らかにした。リフィニティブは、「企業がポスト・コロナ時代における新しい事業方針を模索している中、多様性と受容性の要素は、財務の回復力、環境リスク、従業員の健康とともに検討される必要のある課題です」と述べている。

リフィニティブのESGグローバル責任者、エレナ・フィリポバ氏は次のように述べている。

今年起こった世界的パンデミックと社会不安により、事業におけるさまざまなステークホルダーのグループから従業員の多様性と受容性に対して、より重点が置かれるようになりました。今年で5年目となるD&I指数は、企業において性別を超えて進む多様性について、それにコミットし、それを測定し、報告することがきわめて重要であることを顕著に示しています。持続可能かつ弾力性のある労働力は、とりわけ変化の激しい時代において、企業を支える糧となります。

リフィニティブとして2回目となる年次報告で、同社は多様性と受容性の傾向について、以下の分野を網羅して分析した。これには、過去5年間に上場企業が公表した多様性および受容性のデータ、Eikonのポートフォリオ分析を利用したロング・ショートのポートフォリオ分析、今年度のD&I指数の構成企業(2020年第2四半期時点の調整済み指数)が含まれる。

リフィニティブD&I指数に基づく2020年度の年次報告のハイライトは以下の通り:

  • 文化的に多様性を有する取締役の数は過去5年で増加したものの、30%前後にとどまる
  • 文化ならびに性別で多用性な観点では欧州・中東・アフリカ(EMEA)の企業がリード
  • 地域別では、アフリカ企業では管理職の平均34%を女性が占める
  • 柔軟な雇用体系を有する企業数は過去5年間で54%増加
  • キャリア開発の方針を採用した企業は過去5年で25%増える

年次報告(英文)の詳細→https://www.refinitiv.com/en/resources/special-report/diversity-and-inclusion-at-workplace

2016年に開始したD&I指数は、「多様性」、「受容性」、「人材開発」、「論争・物議」の4つの基本項目における24の評価基準により、職場の多様性と受容性が最も高い世界の上場企業上位100社を特定している。

D&I指数の上位25社 とスコア (%):順位 社名 スコア

1  BlackRock, Inc.                 81.00
2  Natura & Co Holding SA                 80.25
3  Accenture Plc                 80.00
4  Royal Bank of Canada                 79.00
5  Industria de Diseno Textil SA            78.50
6  L’Oreal SA                 78.00
7  Allianz SE                 77.75
8  Telecom Italia SpA                 77.75
9  Novartis AG                 77.50
10  Bank of Nova Scotia                 77.25
11  CCC SA                 77.25
12  HERA SpA                 77.00
13  SONY Corp                 76.75
14  Toronto-Dominion Bank                 76.00
15  Owens Corning                 76.00
16  HP Inc                 75.75
17  Enel S.p.A.                 75.25
18  Estee Lauder Companies Inc                 75.25
19  Societe Generale SA                 75.25
20  Vodafone Group plc                 75.00
21  Telefonica SA                 74.75
22  Infrastrutture Wireless Italiane SpA                 74.75
23  Roche Holding Ltd.                 74.50
24  Home Product Center PCL                 74.50
25  Salvatore Ferragamo SpA                 74.50

 

日本の3社は以下の通り:順位 社名 スコア

13  ソニー                 76.75
36  資生堂                 73.00
84  野村ホールディングス                 69.50

 

上位100社の詳細→https://www.refinitiv.com/en/sustainable-finance/diversity-and-inclusion-top-100