モーニングスター、メダリスト・レーティングの算出手法を改良


独立系大手投資調査会社のモーニングスター(Morningstar, Inc.、Nasdaq: MORN)は2024年9月16日、ファンドに対する将来見通しを勘案した評価であるモーニングスター・メダリスト・レーティングの算出手法を改良することを発表した。

モーニングスター・メダリスト・レーティングは、評価対象のファンドが、該当するインデックスまたは類似ファンドの平均を長期的に上回る可能性を評価するもの。ファンドの運用担当者、運用プロセス、運用会社の3つの評価軸におけるモーニングスターの確信度を勘案したうえで、運用費用控除後でファンドが該当するインデックスをどの程度上回ることができるかを評価し、金(Gold)から下位(Negative)までの 5 段階でメダリスト・レーティ ングを付与する。

モーニングスターでは、メダリスト・レーティングの算出に関するプロセスを従来通り維持しつつ、将来見通しの確度をより高めるべく、2024年10月29日より改良を行う。この改良は、メダリスト・レーティングの重要な要素 であるアルファ・ポテンシャル推計値に関するもので、過去のデータを活用し該当するインデックスに対して運用費用控除前の超過リターンがどの程度あるかを、従来以上に正確に推定するためのもの。レーティング算出対象のうち約2割のファンドが、今回の算出手法の改良によりメダリスト・レーティングが変更となり、その多くが アルファ・ポテンシャル推計値の減少により格下げとなると、モーニングスターでは見込んでいる。

今回の改良について、モーニングスターのジェフ・プタック最高格付け責任者は次のように述べている。

今日では非常に多くの運用商品があり、モーニングスターでは投資家が十分な情報を得た上で運用商品を選択できるよう、レーティング情報を提供しています。メダリスト・レーティングは、将来見通しを勘案したファンド選定の評価指標として一日の長がありました。今回の改良により、メダリスト・レーティングはこれまで以上に投資家の成功をサポートするものとなるでしょう。

また、モーニングスターでは、ファンド・アナリストの評価対象外の株式インデックス・ファンドについて、運用プロ セスの評価手法の変更を合わせて実施する。新たな評価手法では、株式インデックス・ファンドに対するモー ニングスターのファンド・アナリストによる評価とより整合的になるよう、ルール・ベースのシステムを導入する。