カブドットコム証券は、投資信託の個別銘柄情報画面において、業界では初めて(※)となる信託報酬控除前のトータルリターンの配信を2016 年12 月下旬(予定)より開始する。
三菱UFJ フィナンシャル・グループ及びカブドットコム証券を含むその傘下子会社等を含めた企業グループ(MUFGグループ)では、「資産運用分野におけるMUFG フィデューシャリー・デューティー基本方針」を制定しており、資産運用分野における顧客本位の商品説明・業務運営の一環として、投資信託の投資家が負担するコストとして信託報酬を考慮したトータルリターンを配信することにより、より実態に合った取引コストや運用パフォーマンスを明示する。
カブドットコム証券は、「個人投資家の資産形成に適した銘柄選択、投資家利益の最大化を優先したサービス提供に資することで、フィデューシャリー・デューティーの高度化・徹底を推進してまいります」と述べている。
●投資信託個別銘柄情報画面での「信託報酬控除前トータルリターン」の配信について
トータルリターンとは、収益分配と値上がり益の推移を測定した数値。通常トータルリターンは信託報酬控除後の数値を表記することが多いが、カブドットコム証券では、コストである信託報酬がトータルリターンに及ぼす影響を可視化し、顧客が投資信託で資産運用する際の運用コスト全てを把握できるよう「トータルリターン(信託報酬控除前)」を下記条件で計算し掲載する。
《信託報酬控除前・控除後トータルリターン比較チャートのイメージ図》
- 信託報酬(実質)は、モーニングスター株式会社にて目論見書をベースに計算。
- 信託報酬(名目)に監査報酬や投資先ファンドの信託報酬などを開示ベースで具体的な数値として集計可能な範囲で算出している。具体的な数値として集計が可能でないファンドの場合、信託報酬(名目)と信託報酬(実質)は同数値となる。
●「トータルリターン(信託報酬控除前)」計算方法について
「トータルリターン(信託報酬控除後)」の算出の基となる基準価額は、信託報酬(投資先ファンド含む)、監査費用などの投資家が負担するコスト、投資家に支払われた収益分配金などは、既に控除されているので、収益分配金を受取時に全額再投資したものと仮定して、基準価額にプラスして計算している。
「トータルリターン(信託報酬控除前)」は、トータルリターン(信託報酬控除後)に信託報酬(実質)をさらにプラスして数値を算出している。
共同開発を行ったモーニングスター株式会社は、次のようにコメントしている。
日本の家計金融資産の52%は現預金であり、米英に比べ株式・投信等の割合が低く、まだまだ改善の余地があると思われます。そして、それは投資家だけに変化が求められるものではなく、「商品開発、販売、運用、資産管理それぞれに携わる金融機関も、それぞれの役割・責任を果たす (フィデューシャリー・デューティー)」ことが求められていると考えます。投資家の手数料などのコストに対する意識も高まっており、 コストがパフォーマンスに与える影響も重視されるなか、今後も投資家目線での取り組みが増えていくお手伝いができれば幸いです。
(※)2016 年10 月24 日時点カブドットコム証券調べ