野村アセットマネジメント、運用資産の温室効果ガス排出量に関する目標を設定


野村アセットマネジメントは、運用資産の温室効果ガス排出量に関する「2050年ネットゼロ目標」と「2030年中間目標」を設定したと2021年10月25日に発表した。同社 は、脱炭素社会に向けた取組みに賛同し、2050年までに運用資産の温室効果ガス排出量をネットゼロにすることを目指す。また、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロ(ネットゼロ)達成に向けて運用する資産について、2030年時点における中間目標を同社運用資産※1の55%に設定した。こ の比率は、同社が運用資産残高に占める個別の保有銘柄における脱炭素目標の設定比率などを基に設定した目標で、2021年6月末時点の同社運用資産67.3兆円に基づいて計算した場合、37.0兆円に相当する。

野村アセットマネジメントは責任ある機関投資家として、投資ポートフォリオにおける温室効果ガスの排出量ならびに吸収量の計測のほか、スチュワードシップ活動やステークホルダーとの連携強化、金融商品の開発などに戦略的に取り組むことにより「2050年ネットゼロ目標」の達成を目指す。また、そのために同社の 「2030年中間目標」については、同社が現時点で計測・開示を行っている株式ならびに社債の投資ポートフォリオにおいて、投資先企業の " class="glossaryLink ">SBT※2コミットメント・認定取得状況やシナリオ分析、 Institutional Shareholder Services Inc.(インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ Inc.)※3による気温スコア、各国の政策目標などを勘案し、運用資産残高に占める個別銘柄ウェイトの積み上げ方式で、2030年時点で同社が目指すべき野心的な数値目標を55%と設定した。野村アセットマネジメントは 2030年中間目標の達成に向けて、投資先企業におけるネットゼロ達成に向けた経営のコミットメントや 具体的な目標内容を引き続き精査していく。

パリ協定では、気候変動問題に対する世界共通の長期目標として、産業革命前からの平均気温の 上昇を2°Cより十分低く保ち、1.5°Cに抑えるよう努力することを定めている。その達成のためには科学的な根拠に基づき、世界の温室効果ガス排出量を2050年までにネットゼロにする必要があると考えられており、野村アセットマネジメントはエンゲージメント等を通じて気候変動問題への取組みを投資先企業に促すなど「投 資の好循環(インベストメント・チェーン)」により脱炭素社会の実現を支えている。

なお、野村アセットマネジメントは健全な地球環境の実現を重要課題(マテリアリティ)の一つと特定しており、同社自身も カーボンニュートラルの達成を目指している。そのため、この度の「2050年ネットゼロ目標」の対象には運用資産のみならず自社の温室効果ガス排出量を含む。

野村アセットマネジメントは、「当社は今後も、責任ある機関投資家としてESG課題の解決に取り組みながら、世界のお客様から選 ばれる日本を代表する運用会社になることを目指していきます」と述べている。

<「2050 年ネットゼロ目標」と「2030 年中間目標」を達成するための野村アセットマネジメントの取組み>

「2050 年ネットゼロ目標」と「2030 年中間目標」を達成するための野村アセットマネジメントの取組み

 

※1 2030年時点で温室効果ガス排出量を計測できる資産に限る。

※2 SBTはScience Based Targetsの略で、パリ協定の目標と科学的に整合した温室効果ガスの削減目標のこと。企業のSBTを認定するイニシアティブがあり、参加した企業はSBTの設定に関するコミットメントを表明し、認定を取得することになる。

※3  議決権行使助言などのESG関連サービスを提供するESG評価機関で、機関投資家に対して投資ポートフォリオにおける気候関連リスク・機会の分析ツールを提供している。

※4  PCAFはPartnership for Carbon Accounting Financials の略で、2015年に欧州金融機関を中心として発足した国際的なパートナーシップであり、世界中の金融機関が協力して投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する手法を開発している。

※5  CCUSはCarbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略で、二酸化炭素の回収・有効利用・貯留のこと。火力発電所や工場などからの排気ガスに含まれるCO2を分離・回収し、資源として作物生産や化学製品の製造に有効利用する、または地下の安定した地層の中に貯留する技術。

※6  日常生活や経済活動等で削減しきれない温室効果ガスを、他の場所で削減・吸収された温室効果ガスで相殺(オフセット)する取組み。

※7  開発途上国における森林減少・劣化の抑制などによって温室効果ガス排出量を削減あるいは吸収量を増加させる気候変動対策。