ラッセル・インベストメントと野村證券は、Russell/Nomura 日本株インデックス・シリーズの定期銘柄入替を行ったと12月1日に発表した。今回の入替で、全上場銘柄の時価総額(浮動株調整済み)の98%をカバーするRussell/Nomura Total Market インデックスに、14銘柄が初めて組み入れられた。(構成銘柄の詳細は、野村證券金融工学研究センターのホームページを参照。)
Value インデックスとGrowth インデックスが大幅な入替に
今回の入替により、Russell/Nomura Total Market インデックスは全体で75銘柄減って1,400銘柄となった。156銘柄が除外、81銘柄が組み入れられる中で、14銘柄が初めての組み入れとなった。一方、同インデックスの全体の時価総額は約205兆円から約204兆円に減少した(2008年10月15日時点。時価総額は浮動株調整済み)。
サイズ別のサブインデックスであるRussell/Nomura Large Cap Index の構成銘柄は1 銘柄多い300銘柄となる一方で、Russell/Nomura Small Cap Index の構成銘柄は76 銘柄少ない1,100銘柄となった。Russell/Nomura Large Cap Index とRussell/Nomura Small Cap Index はそれぞれ、Russell/Nomura 日本株インデックスに構成される銘柄群の時価総額の上位85%、下位15%と定義されており、ラッセル・インベストメントによると、Russell/Nomura Small Cap Index の構成銘柄数が減少したことは市場全体の時価総額が下落する中で時価総額下位銘柄の下落幅が大きかったことを反映している。
Russell/Nomura Total Value インデックスの構成銘柄は212銘柄が除外、176銘柄が組み入れられ、Russell/Nomura Total Growth インデックスの構成銘柄は270銘柄が除外、136銘柄が組み入れられた。Value インデックスとGrowth インデックスの時価総額回転率はそれぞれ30.9%、33.3%と、1981年1月以降では過去最大規模の回転率となった。これを業種別に見ると、「電気・ガス業」、「食料品」、「小売業」など、昨今の軟調な相場展開の中で安定的な株価推移を見せた、いわゆるディフェンシブセクターの銘柄群のGrowth インデックスにおける構成比率が増加する動きが目立った。
Russell/Nomura Prime インデックスに初めて32 銘柄が組入れ
Russell/Nomura Prime インデックスは機関投資家のパッシブ運用のベンチマークとして開発されたインデックスであり、Russell/Nomura 日本株インデックスの時価総額上位1,000銘柄で構成されるサブインデックス。今回の定期入替で初めて上位1,000銘柄に採用された銘柄は32銘柄となったが、同インデックスの時価総額は約201兆円から約200兆円に減少している(2008年10月15日時点。時価総額は浮動株調整済み)。同インデックスの時価総額回転率は1.6%と、例年に比べて低い水準となった。
新たに採用された32銘柄では、電気機器が5銘柄と最も多く、サービス業が4銘柄、小売業が4銘柄と続いています。時価総額構成比で見ると、「銀行業」の比率が最も大きく、「サービス業」、「その他製品」、「電気機器」と続いている。
Russell/Nomura 日本株インデックスについて
1995 年、野村證券とラッセル・インベストメントは、資産運用の運用実績を測定するツールとして「Russell/Nomura 日本株インデックス」を共同開発した。同インデックスは、浮動株修正時価総額を基準に日本の市場に上場されている普通株式で構成されている。浮動株修正時価総額上位98%の銘柄で構成されるRussell/Nomura Total Market インデックスを中心に、そのサブインデックスを含むシリーズとなっている。同インデックスでは、株式市場の変化を反映させるため、年一回12月第一営業日に構成銘柄の定期入替を実施。構成銘柄は、10月15日時点の浮動株修正時価総額によって順位付けされる。
定期銘柄入替後、合併・買収やその他の事由によって当インデックスから銘柄が削除される場合においても、次回の定期銘柄入替まで補充されることはない。従って、各インデックスへの組入れ銘柄数は、年中に変動する。臨時で追加が行われるのは、スピンオフおよび新規上場によって大幅に構成比が低下する場合にかぎられている。
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