スパークス、「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2015」結果発表


スパークス・アセット・マネジメントは、今年1年の日本株式市場を総括し、また、来年以降の見通しについて探るため、2015年11月9日~11月10日の2日間、全国の20~79歳の投資経験者(日本株式、外国株式、公社債投資信託REIT、金・プラチナなどの金融資産への投資経験がある人)を対象に、「日本株式市場の振り返りと展望に関する意識調査2015」をインターネットリサーチにより実施し、1,000名の有効サンプルを集計した。なお本レポートは、サンプル調査という性質上、実態を全て反映したものではない。また、特定の投資商品や個別銘柄の取引を勧誘する目的で作成したものではない。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)

■■トピックス■■
2015年の日本株式市場を表す漢字は?
2015年の投資 着地予想「プラス」5割、「マイナス」2割
女性株式投資家“カブジョ”が新たに長期保有を狙う銘柄とは?
■■調査結果■■
▼2015年、投資経験者の現状
◆個人投資家の9人に1人が2015年投資デビュー組!
◆個人投資家が投資しているものは? 「日本株式」8割、「投資信託」4割強
◆投資離脱者の離脱理由 「損をした」「利益が出ず」…「投資先選びが難しい」との回答も

まず、全国の20~79歳の投資経験者1,000名(全回答者)に、投資の経験年数を聞いた。

現役投資家では、「今年、投資を始めた」は11.0%、「1~3年程度」は18.2%、「4~6年程度」は18.7%、「7~9年程度」は10.6%、「10年以上」は41.6%となった。現役投資家の9人に1人が、2015年に投資を始めたデビュー組という結果になった。また、投資離脱者(過去に投資をしていたが、現在はしていない人)では、「1年未満」は18.8%、「1~3年程度」は27.9%、「4~6年程度」は19.3%、「7~9年程度」は7.1%、「10年以上」は26.9%だった。

続いて、現役投資家(803名)に、現在、投資している金融資産を聞いたところ、最多回答は「日本株式」(79.2%)、次いで「投資信託」(43.8%)、「公社債」(13.7%)が続いた。スパークスでは、「日本株式や投資信託が、特に人気の投資先のようです」と述べている。

また、投資離脱者(197名)に、過去に投資していた金融資産を聞いたところ、上位3位には現役投資家が投資している金融資産と同じ金融資産が並び、「日本株式」が66.5%、「投資信託」が29.4%、「公社債」が13.2%となった。

投資離脱者(197名)に、投資をやめた理由を聞いたところ、「損をしたから」が最も多く37.1%、次いで「思い通りに利益が得られなかったから」が29.4%で続いた。一部には「十分に利益を得たから」(15.7%)との回答もみられたが、投資をやめてしまった人の多くが、利益につなげられなかったことを理由に挙げた。また、「投資先を選ぶのが難しかったから」が13.2%と少なくない結果となった。スパークスでは、「個人での投資は、投資先選びに苦戦する人もいるようです」とコメントしている。
▼2015年の振り返り
◆2015年の日本株式市場を表す漢字は?

現役投資家にとって、2015年はどのような年だったのか。現役投資家に、2015年を振り返り、総括してもらった。

まず、日本株式または外国株式に投資している株式投資家(647名)に、2015年の日本株式市場を表す漢字1文字を自由回答で聞いたところ、1位は「乱」(59名)、2位は「迷」(16名)となった。今年は、4月に15年ぶりの日経平均株価2万円突破を記録したり、8月にチャイナショックによる世界同時株安が起きたりしたためか、株価が“乱”高下している様子、“迷”走している様子をイメージさせる漢字が挙がった。
◆2015年、投資に積極的になったニュース 1位「株価の変動」、2位「郵政上場」と「アベノミクス」
◆2015年、投資に消極的になったニュース 「チャイナショック」がダントツ、2位は「企業不祥事」

次に、現役投資家(803名)に、2015年、積極的に投資を進めようと思うきっかけとなったニュースを自由回答で聞いたところ、1位は「株価の値動き関連」(110名)だった。2位は「日本郵政グループ上場関連」と「アベノミクス関連」が同数で並び(ともに106名)、4位「円安関連」(88名)、5位「NISA関連」(76名)となった。

反対に、2015年、投資に対して消極的になるきっかけとなったニュースを自由回答で聞いたところ、「チャイナショック関連」(293名)がダントツだった。2位は「企業不祥事関連」(74名)、3位は「株価の値動き関連」と「ギリシャ危機・EU経済関連」(ともに59名)、5位は「米国の利上げ関連」(35名)となった。
◆2015年の投資 着地予想「プラス」5割、「マイナス」2割、20代女性投資家は「プラス」5割半
◆株式投資家の過半数が、2015年の投資を「プラス着地予想」と回答

続いて、現役投資家(803名)に、2015年の投資の損益着地予想を聞いたところ、「大幅にプラス着地」4.2%、「ややプラス着地」45.5%で、合計した『プラス着地』は49.7%、「プラスマイナスゼロ着地」は30.8%、「大幅にマイナス着地」7.2%、「ややマイナス着地」12.3%で、合計した『マイナス着地』は19.5%と、プラス着地を予想している現役投資家が多い結果となった。

『プラス着地』を予想した人の割合を男女別にみると、男性では51.7%、女性では47.6%とやや男性のほうが高い傾向がみられ、性年代別にみると30代男性(54.4%)が最も高くなった。女性についてみると、20代女性では54.0%と、男女合わせても30代男性に次いで2番目に高くなった。また、株式投資家と、株式には投資していない“その他の投資家”で分けてみると、株式投資家は『プラス着地』が53.0%、「プラスマイナスゼロ着地」が29.2%、『マイナス着地』が17.7%、一方、その他の投資家は『プラス着地』が35.
9%、「プラスマイナスゼロ着地」が37.2%、『マイナス着地』が26.9%となった。多くの株式投資家が、今年の日本株式市場を表す漢字として“乱”や“迷”を挙げたが、投資の損益着地ではプラス着地を予想する人が半数以上になり、また、その他の投資家よりプラス着地を予想する人の割合が高い結果となった。
▼2016年以降の展望
◆“2%インフレ”達成なら、投資先は「株しかない」5割!
◆“2%インフレ”達成なら、投資先は「株式投資信託しかない」20代女性投資経験者の3割
◆「株式投資は魅力的だ」20代女性投資経験者の7割が同意

日銀は現在、デフレから脱却し、景気の好循環を実現するため、2%のインフレを目標として定めている。そこで、この「2%インフレ」の達成を前提として、投資についての見通しを聞いた。

全回答者(1,000名)に、投資先選びにおける考えを聞き、「わからない」と回答した466名を除いて集計したところ、投資先として最も多くの人に選ばれたのは“株”で、「『株しかない』と思う」は半数(50.9%)に達しました。次いで、「『株式投資信託しかない』と思う」が20.4%、「『金(ゴールド)・プラチナしかない』と思う」が12.2%で続いた。性年代別にみると、20代女性は「『株式投資信託しかない』と思う」が30.6%で、他の層より高くなった。スパークスでは、「株式投資信託は、20代女性に人気の投資先となっているようです」とコメントしている。

日銀の2%インフレ目標が達成されたら、投資先は“株しかない”と考える投資経験者が半数に達したが、投資経験者は、どのくらいの人が株式投資に魅力を感じているのか。全回答者(1,000名)に、株式投資は魅力的だと思うか聞いたところ、「思う」が60.0%となり、投資経験者の多くが株式投資を魅力的だと感じていることが確認できた。男女別にみると、「思う」は、男性では63.4%、女性では56.6%とやや男性のほうが高い傾向がみられたが、性年代別にみると、最も高かった20代男性(72.0%)に次いで20代女性(70.0%)が高くなった。

◆投資経験者の約4割が「2016年末時点の日経平均株価20,000円超え」を予想
◆株式投資家の4人に1人が「5年後の日経平均株価は25,000円以上」と予測

続いて、将来、株価がどのように推移していくと考えられているのかを探った。

全回答者(1,000名)に、日銀が目標にしている2%インフレの達成を前提にした場合の、1年後の12月末の日経平均株価を予測してもらったところ、最も割合が高かったのは「15,000円~20,000円未満」(37.2%)だった。また、1年後の12月末の日経平均株価の予測を『20,000円以上』(「20,000円~25,000円未満」から「40,000円以上」の合計)と回答した割合は38.0%だった。投資経験者の約4割が、来年末時点で日経平均株価が20,000円以上になっているとみている模様。

同様に、3年後、5年後、10年後の12月末の日経平均株価を予測してもらった。最も割合が高かった回答をみると、3年後と5年後は「20,000円~25,000円未満」(3年後30.8%、5年後30.0%)、10年後は「15,000円~20,000円未満」(19.4%)となった。

また、「わからない」と回答した人を除いて平均を算出すると、1年後は19,270円、3年後は19,864円と19,000円台が続いたが、5年後の2020年では、東京五輪による好景気を見越してか、2万円を突破して22,219円となった。

それでは、株式投資家は、将来の株価をどのように考えているのでしょうか。株式投資家の回答結果に着目し、最も割合が高かった回答をみると、1年後、3年後、5年後は「20,000円~25,000円未満」(1年後39.6%、3年後32.3%、5年後32.3%)、10年後は「15,000円~20,000円未満」(19.5%)となった。

1年後、3年後、5年後の日経平均株価の予測について、『25,000円以上』(「25,000円~30,000円未満」から「40,000円以上」の合計)と回答した人の割合をみると、1年後では5.4%と1割未満、3年後では14.5%と1割半だったが、5年後では25.7%と4人に1人の割合になった。調査が終了した2015年11月10日の日経平均株価の終値は19,671円だったことから、株式投資家の4人に1人が、5年後の五輪イヤーには、日経平均株価が大きく上昇していると予測していることがわかった。

また、「わからない」と回答した人を除いて平均を算出すると、1年後は19,787円、3年後は20,357円、5年後は22,626円、10年後は19,873円となった。
◆個人投資家が今後も長期保有し続けたい銘柄TOP3 3位「みずほFG」、2位「イオン」、1位は?
◆女性株式投資家“カブジョ”が新たに長期保有を狙う銘柄とは?

株式投資家の4人に1人が五輪イヤーである5年後の日経平均株価を25,000円以上と予測していた。では、長期的にじっくりと投資をしたいと思われている銘柄とはどのような銘柄なのか。

まず、株式投資家(647名)に、現在保有している国内株式のうち長期保有したい銘柄を、自由回答で聞いたところ、1位は、2015年9月期連結決算で過去最高益を更新した「トヨタ自動車」(57名)でした。以下、2位は「イオン」(29名)、3位は「みずほフィナンシャルグループ」(14名)となった。

続いて、新たに長期保有をしたい国内株式の銘柄を、自由回答で聞いたところ、1位は「日本郵政」、「トヨタ自動車」(ともに38名)、3位は「ゆうちょ銀行」(25名)、4位は「かんぽ生命」(22名)となり、今年11月のIPOが大々的にニュースになった日本郵政グループが3社とも上位に入る結果となった。

男女別にみると、男性の1位は「トヨタ自動車」(28名)で、女性の1位は「日本郵政」(18名)となった。スパークスでは、「男性株式投資家“カブメン”はトヨタ自動車を、女性株式投資家“カブジョ”は日本郵政を、それぞれ長期保有したい銘柄として狙っているようです」とコメントしている。
◆投資経験者の6割が「NISA投資枠上限のさらなる拡大を希望する」
◆投資経験者の4割が「職場NISAは拡大する」と予想!
◆「ジュニアNISAは、子どものマネー教育につながる」投資経験者の3人に1人、 20代女性投資経験者では約半数が同意
◆「ジュニアNISAは、祖父母から孫への資産贈与手段として有効」投資経験者の2人に1人

昨年1月から少額投資非課税制度(NISA)が始まったが、今年は、早くも制度変更が発表されるなど、NISAの新たな展開を感じさせるニュースが流れた。そこで、NISAの今後について質問した。

まず、NISAの年間投資枠の上限が来年1月に120万円に拡大されると発表されたことに関連して、全回答者(1,000名)に、今後、年間投資枠の上限をさらに拡大してほしいと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」は20.1%、「ややそう思う」は41.3%で、合計した『そう思う』は61.4%となった。NISAの年間投資枠のさらなる拡大を望んでいる投資経験者が多い模様。

次に、今年しばしば話題になった“職場NISA”について聞きました。職場NISAは、金融機関が、個人ではなく職場単位でNISA口座の開設を促すもので、給与天引きや口座自動振替で利用する形が多いとされている。そこで、全回答者(1,000名)に、今後、職場NISAは広まっていくと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」は6.1%、「ややそう思う」は34.5%で、合計した『そう思う』は40.6%となった。

2016年1月に、ジュニアNISAが創設される。ジュニアNISAは、通常のNISA同様、投資した年から5年間の収益が非課税となるもので、口座を開設できるのは0歳から19歳までの人に限られる。年間投資枠の上限は80万円で、原則として、親権者などが代理で資産運用を行うことになっている。また、口座開設者が 3月31日時点で18歳である年の前年の12月31日まで(つまり、一般に高校3年生の12月まで)、払出しが制限される。このジュニアNISAについて、全回答者(1,000名)に、利用意向や子どもの教育との関連についてなどを質問した。

まず、ジュニアNISAを利用したいと思うか聞いたところ、『そう思う』(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計、以下同様)は26.5%と4人に1人が利用意向を示した。

次に、ジュニアNISAと子どもの教育との関連について聞いたところ、子どものマネー教育につながると思うかという質問では、『そう思う』は34.2%と3人に1人が同意を示し、ジュニアNISAは子どもの大学進学や留学を促進すると思うかという質問では、『そう思う』は26.7%と4人に1人が同意を示した。スパークスは、「ジュニアNISAにはマネー教育の材料としての一面や教育費の備えとしての一面があると考える投資経験者は少なくないようです」と述べている。

また、ジュニアNISAは祖父母世代から孫世代への資産贈与の手段として有効だと思うか聞いたところ、『そう思う』は50.1%となりました。投資経験者の2人に1人が、祖父母世代から孫世代への資産贈与の際、ジュニアNISAが有効な手段になると考えている。

ジュニアNISAと子どもの教育との関連について、性年代別にみると、子どものマネー教育につながると思うかという質問では、『そう思う』は、20代女性で48.0%となり、全ての層のうち最も高い割合となった。また、ジュニアNISAは子どもの大学進学や留学を促進すると思うかという質問では、『そう思う』は、20代男性で42.0%となり、全ての層のうち最も高い割合となった。

◆投資経験者が2016年を予測!「中国経済は減速傾向」8割半、「原油安は続く」6割強
◆投資経験者の4人に1人は「2016年の日本経済の展望は明るい」と回答!

全回答者(1,000名)に、2016年の経済についての展望を提示し、自身の考えがあてはまるかどうか聞いた。

【2016年、中国経済は減速傾向にあると思う】では「あてはまる」は86.7%となり、大多数の投資経験者が、中国経済の減速を予想していることがわかった。

また、円相場や原油価格についてみると、【2016年、円安傾向にあると思う】では「あてはまる」は67.5%、【2016年、原油価格は上昇傾向にあると思う】では「あてはまる」は37.7%となった。最近の円安傾向は2016年も続くとの見方をする投資経験者が過半数となったが、最近、原油価格が下がり続けていることを受けてか、来年の原油価格の上昇傾向を予想した投資経験者は半数を割り込んだ。

そして、インフレと長期金利についてみると、【2016年、日本はインフレ傾向にあると思う】では「あてはまる」は54.6%、【2016年、長期金利は上昇傾向にあると思う】では「あてはまる」は45.4%となった。来年のインフレ傾向を予想した投資経験者が過半数となった一方、長期金利の上昇傾向を予想した投資経験者は半数を下回る結果となった。

最後に、全回答者(1,000名)に、2016年の日本経済の展望は、明るいと思うか、それとも暗いと思うかを聞いたところ、「非常に明るい」は1.7%、「やや明るい」は25.3%で、合計した『明るい』は27.0%と、4人に1人の割合となった。現役投資家の2015年の投資損益着地予想では、半数がプラス着地を予想していた。スパークスは、「2016年も、プラス着地だと言える人が多くなるような、明るい日本経済となるよう期待したいところです」とコメントしている。