野村證券、「METI×NOMURA コンシュー マーセンチメント・インデックス・シリーズ」公表


野村證券は、経済産業省および独立行政法人 経済産業研究所と共同で、民間企業が収集するビッグデータや各種政府統計等から、一般消費者の 購買心理や小売価格動向についての示唆を与える指標(以下総称して「METI×NOMURA コンシュー マーセンチメント・インデックス・シリーズ」)を開発した。

METI×NOMURA コンシューマーセンチメント・インデックス・シリーズ(消費者心理指標シリーズ):

  1. METI×NOMURA POS-プレミアム志向インデックス(プチ贅沢指標)
  2. METI×NOMURA POS-コンビニエンス志向インデックス(利便性指標)
  3. METI×NOMURA POS-生活体感物価インデックス
  4. METI×NOMURA CPIナウキャスト(消費者物価予測指標)

開発は経済産業省の令和元年度「ビッグデータを活用した新指標開発事業(短期の生産・販売動向 把握)」の一環として行われ、各指標は12月27日より、経済産業省BigData-STATSサイト ( https://www.meti.go.jp/statistics/bigdata-statistics/bigdata_pj_2019/pos_nomura.html ) に て 公 開 されている。

METI×NOMURA コンシューマーセンチメント・インデックス・シリーズは、野村證券の金融工学研究セン ターが持つデータサイエンスのノウハウと、経済産業研究所が有する経済解析に関する幅広い知見を 併せることで開発された。民間企業が収集するPOSデータ※1を用いることで、景気や経済環境につ いての示唆を与える消費動向を、より迅速に、より多面的に捉えることを目指している。4つの指標群 それぞれの概要と目的は次のとおり。

1) METI×NOMURA POS-プレミアム志向インデックス(プチ贅沢指標)

同じ商品分野に含まれる高価格商品(例:プレミアムビール)と買い得商品(例:第三のビール)の販売動向を比べることで、消費者がプレミアム商品を志向する度合を測ることを目的とした指数群。

2) METI×NOMURA POS-コンビニエンス志向インデックス(利便性指標)

価格設定の異なる小売業態(コンビニ、ドラッグストア等)間の販売動向を比べることにより、消費者が割安性よりも利便性(コンビニエンス)を重視する相対的な度合を測ることを目的とした指数群。

3) METI×NOMURA POS-生活体感物価インデックス

日常生活で頻繁に購入する品目(例:生鮮食品、生活必需雑貨)に注目して価格推移を求めることで、消費者が日々体感する物価を測ることを目的とした指数群。

4) METI×NOMURA CPIナウキャスト(消費者物価予測指標)

総務省が毎月公表する消費者物価指数(CPI)を、マクロ経済指標、各種価格データおよび機械学習手法を用いて足元予測する指数群で、前週分までの価格データを利用し、毎週更新される。

各インデックスのより詳しい解釈や計算方法は、経済産業省の公表資料 ( https://www.meti.go.jp/statistics/bigdata-statistics/bigdata_pj_2019/pos_nomura_overview.html ) に 記載されている。2020年3月までの企画期間中は、広く一般から意見や感想を募集し、指標のさらな る改良を目指す。

金融工学研究センターでは、これまでも民間企業等が持つビッグデータを利用し、景気動向や企業 の生産動向についての示唆を与える指標を開発してきた※2。今後も、企業活動のデジタル化やIoT の普及により、資産運用業においてもデータ活用の重要性が増していることを踏まえ、様々なオルタナ ティブ・データ※3を収集・分析し、業界や企業活動に関する投資情報提供に努めていく。

※1  Point Of Sale (ポイント・オブ・セール)の略。小売店舗の販売データを指し、販売された商品それぞれの日 付、価格や個数等の情報が含まれます。

※2  例えば2017年にも経済産業省のプロジェクトとして、AI技術とビッグデータを用いた指標「SNS×AI景況感 指 数 お よ び 「 SNS×AI 鉱 工 業 生 産 予 測 指 数 」 を 開 発 し て お り (https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20170719/20170719.pdf)、これらの指数について は、金融工学研究センターのホームページ(http://qr.nomura.co.jp/quants/sns_ai/)で公表を継続している。こうした取り組みの、近年の金融データサイエンスの広がりの中での位置付けについては、金融工学研 究センター クオンツ・ソリューション・リサーチ部による論文「データサイエンスと新しい金融工学」 (https://www.nomuraholdings.com/jp/services/zaikai/journal/p_201804_02.html)を参照。

※3  財務情報や株価等の、従来から金融サービス業で用いられてきたもの以外のデータを指します。決済関連 データ、ブログやツイッター等のテキストデータおよび画像データや、それらを加工したデータなどが含まれる。