投資信託の目論見書には「商品分類表」が記載されています。商品分類表の項目の一つが「投資対象資産」です。その投資信託がどの資産に投資しているか、収益の源泉はどの資産から得ているかを示すものです。この欄に「資産複合」と記載されているものがあります。これはどのような投資対象のことでしょうか。
資産複合とは? #
目論見書の商品分類表では、投資信託の投資対象資産は次の5分類で示されます。
- 株式
- 債券
- 不動産投資信託(リート)
- その他(株式、債券、不動産投資信託以外の資産)
- 資産複合
この「資産複合」とは、投資信託が株式、債券、不動産投資信託(リート)、その他資産のうち、複数の資産を投資対象としているという意味です。
株式と債券を投資対象としているもの、債券と不動産投資信託を投資対象としているもの、あるいはこれらすべてを投資対象としている場合に、投資対象は「資産複合」となります。
一般にバランス型ファンドと呼ばれる株式や債券などに分散投資するタイプの投資信託において「資産複合」と記載されます。
この区分は投資信託協会による投資信託の分類指針に従って目論見書や投資信託の説明用資料に記載されるものです。どのような株式や債券を投資対象としているかという詳細については、「属性区分表」に記載されています。
二つの資産複合型 #
資産複合型の投資信託には二種類あります。一つは資産配分固定型、もう一つは資産配分変更型です。
資産配分固定型 #
資産配分固定型は、目論見書の投資方針などであらかじめ定めた投資配分を維持するタイプの投資信託のことです。例えば、株式に40%、債券に30%、不動産投資信託に30%を基本とする資産配分固定型のファンドでは、この配分比率を維持します。運用途中において、例えば、株式の比率が45%に増加してしまい、債券比率が25%に低下した場合には、株式を売却して40%に戻し、債券を購入して30%に戻します。この調整をリバランスと呼びます。
資産配分変更型 #
経済動向などの分析により、設定当初に株式に40%、債券に30%、不動産投資信託に30%という配分で運用がスタートしても、経済動向や株式市場や債券市場などの見通しの変化により、機動的に資産配分を変更するタイプです。例えは、株式市場の上昇が期待されると分析された場合に、株式への配分を50%にして、債券への配分を20%に引き下げるという変更を行います。
資産複合型のまとめ #
「資産複合」とは、投資信託が複数の資産(株式、債券、不動産投資信託など)を投資対象とすることを指します。一般的にバランス型ファンドに該当し、資産配分を固定する「資産配分固定型」と、経済状況に応じて配分を調整する「資産配分変更型」の2種類があります。投資対象の詳細は目論見書や属性区分表で確認できます。