投資信託の分配頻度 #
投資信託の分配頻度はあらかじめ決められており、収益分配方針として、ファンドの目論見書に記載されています。毎月分配型ファンドであれば、毎月決算を行ない、運用が想定通り行なわれれば、毎月(年12回)分配金が支払われる仕組みです。
分配頻度には、毎月分配の他にも、年1回、年2回、年4回、年6回などのファンドがあります。運用会社は、あらかじめ定めたこの分配頻度を守り、投資家に分配を行なえるように努力しますが、分配が必ず行なわれるとは限りません。運用会社は分配金の支払いや金額について保証してはいません。実際に、分配が想定通りに行なわれていないファンドが数多く存在しています。
ボーナス分配とは #
ボーナス分配とは、安定的な分配支払いに上乗せして、分配金を支払うことを指します。例えば、毎月分配型のファンドにおいて、毎月の分配については、配当益を原資として行ない、組入債券等の値上がりにより評価益が出たり、それらを売却して売却益が出た場合には、それらを原資として上乗せして分配を実施するというもので、この追加分のことをボーナス分配と呼びます。実績分配と呼ぶ運用会社もあります。ただし、ボーナス分配についても、必ずしも実施されるとは限りません。
ボーナス分配を行なうファンドの収益分配方針では、次のような記載がされています。
- ファンドでは、毎月の継続的な収益分配と年2回のボーナス分配を目指します。売買益がある場合には、基準価額の水準ならびに分配対象額等を勘案したうえで、原則として6月および12月の決算時に、分配することを目指します。
- 原則、毎年1月、3月、5月、7月、9月および11月の20日に分配を行ないます。分配金額は、分配対象額の範囲内で委託会社が決定するものとし、原則として利子・配当等収益等を中心に安定分配を行ないます。ただし、毎年1月および7月の決算時には、基準価額水準等を勘案して、安定分配総合額のほか、分配対象額の範囲内で委託会社が決定する額を付加して分配する場合があります。
- 毎月19日の決算時に分配を行ないます。また、2月、5月、8月、11月の決算時にボーナス分配を行なうこともあります。
ボーナス分配のイメージとしては次のようになります。これは、毎月分配型のファンドで、6月と12月にボーナス分配を行なうファンドのイメージです。
分配の原資 #
なお、ファンドが投資家に支払う分配金の原資はファンドが保有している株式や債券などの、利子、配当収入、売却益、評価益などですが、ファンドにより異なります。例えば、配当益だけを分配に回すファンド、配当益に加えて売買益を分配原資とするファンド、さらに評価益も分配原資とするファンドなどがあり、これらは収益分配方針に記載されています。
ボーナス分配の影響について #
投資信託は分配金を支払うと運用残高(純資産総額)がその分減少するため、それを反映してファンドの基準価額も低下します。ボーナス分配を行うことでも、当然、ファンドの基準価額がその分押し下げられるので、長期的なファンドの資産残高へのマイナスの影響にも注意が必要です。
ボーナス分配のまとめ #
ボーナス分配とは、通常の分配に追加して、評価益や売却益を原資とした分配金を支払うことです。必ずしも毎回行われるわけではなく、運用状況に応じて実施されます。通常の分配同様に、分配が行われると基準価額が下がるため、長期的な資産減少のリスクもある点に注意が必要です。