株式投資の手法の一つに「ダウの犬戦略」があります。不思議な名前の戦略ですが、どのような投資戦略でしょうか。
ダウの犬戦略 #
ダウの犬戦略とは、株式の運用手法である「ダウ10戦略」の別名です。ダウ10戦略は、米国を代表する株価指数であるダウ平均指数(正式名称:ダウ・ジョーンズ 工業株価平均=Dow Jones Industrial Average)を構成する30銘柄のうち、配当利回りが最も高い10銘柄を12月31日に購入し、その10銘柄に均等に投資します。その10銘柄を翌年の12月31日まで保有し、その時点で配当利回りが最も高い10銘柄と入れ替えるということを毎年繰り返す投資手法のことです。
シンプルな投資手法なので、ファンドを利用しなくても、個人でも実行できる投資戦略です。
ダウの犬戦略の考え方 #
配当利回りが高い銘柄は、通常株価が低く抑えられていて、配当利回りが低い銘柄よりも株価が上昇する可能性が高いという考え方がこの戦略の基本になっています。
ダウ10戦略が、ダウの犬戦略やダウの負け犬戦略(Dogs of the Dow、Dow Dogs)とも呼ばれる理由は、この戦略が組み入れる配当利回りが高い銘柄は、株価が低迷している、つまり、人気がない銘柄であるというところに由来しているそうです。
ダウの犬戦略の派生形「Dogs of the Dow 5」
ダウの犬戦略から派生したのが「Dogs of the Dow 5」(DOTD5)戦略です。「Dogs of the Dow 5」(DOTD5)戦略は、毎年年初に、ダウ・ジョーンズ工業株価平均の配当利回り上位10銘柄のうち、その時点で株価が最も低い5銘柄に等しい金額を投資するというものです。
誰が考えたのか? #
ダウの犬(Dogs of the Dow)」戦略とDOTD5戦略も、アメリカの投資家であるマイケル・B・オヒギンズ(Michael B. O’Higgins)によって考案されました。彼は1991年に著書『Beating the Dow』の中でこの戦略を紹介し、多くの投資家に広まりました。マイケル・B・オヒギンズは、米国のフロリダ州マイアミにあるO’Higgins Asset Management, Inc.の代表兼CIO(最高投資責任者)です。
ダウの犬戦略のまとめ #
ダウの犬戦略は、ダウ平均株価を構成する30銘柄の中から配当利回りが最も高い10銘柄に毎年均等投資し、1年ごとに銘柄を入れ替えるシンプルな投資手法です。この戦略は、低迷した株価が回復しやすいという考えに基づいており、個人投資家でも実践可能です。また、さらに株価が低い5銘柄に投資する派生戦略「Dogs of the Dow 5」もあります。著者マイケル・B・オヒギンズにより提唱されました。