ETFとは #
ETF(Exchange Traded Funds)は、証券取引所で取引される投資信託のことです。日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。株式のように取引所でリアルタイムで売買できるのが特徴です。2024年8月現在、330本以上のETFが東京証券取引所に上場して取引しています。
2種類のETF #
ETFには、インデックス連動型とアクティブ運用型の2つのタイプがあります。
インデックス連動型ETF #
インデックス連動型ETFは、特定の基準価額の値動きが株価指数や債券指数に連動するように設計・運用されます。指数連動型や指標連動型と呼ばれることもあります。
たとえば、日経平均株価に連動するETFであれば、ベンチマーク(投資信託の運用成績を評価するために使われる基準)である日経平均株価に連動する投資成果を目指します。日経平均株価が1%上昇すれば、ETFも1%上昇し、日経平均株価が1%下落すれば、ETFも1%下落します。これは、東証株価指数やその他の指数をベンチマークとするETFでも同様です。
アクティブ運用型ETF #
アクティブ運用型ETFは、特定の指数に連動するのではなく、ファンドマネージャーが運用方針に基づいて組入銘柄や資産配分を決定します。このタイプのETFは、ベンチマークを上回るリターンを目指したり、特定の戦略に沿って運用されます。
2つのETFに共通する特徴 #
インデックス連動型ETFとアクティブ運用ETFには、以下のような共通の特徴があります。
- 信託報酬が低く抑えられている
- 取引所に上場しているのでリアルタイムで取引できる
- 透明性が高い
- 少額で取引できる
1. 信託報酬が低く抑えられている #
ETFの信託報酬(投資家が負担する費用)は、一般的な投資信託より低く抑えられています。たとえば、2024年7月現在、一般的な株式投信の信託報酬は平均0.96%ですが、ETFは0.29%と非常に低い水準です。
一般にインデックスファンド(非上場)の信託報酬率は低いと言われますが、ETFはそれよりも低く抑えられています。
【株式投信の信託報酬率の推移】
(データ:投資信託協会)
2. リアルタイムで取引できる #
ETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に、取引時間中はリアルタイムで売買が可能です。
3. 透明性が高い #
ETFは、毎日、その構成銘柄を公開しているため、どの銘柄がどれだけ保有しているかを確認できます。この情報はPCF(Portfolio Composition File)と呼ばれ、東京証券取引所のホームページで公開しています。通常、毎日15時過ぎに公表されます。
4. 少額で取引できる #
ETFは通常、1口単位または10口単位です。そのため、数千円から取引を始めることができ、少額でも多くの銘柄に分散投資が可能です。
2つのETFに共通する注意点 #
ETFを利用する際の注意点もあります。特に「流動性」に注意が必要です。
一部のETFは取引量が少なく、流動性が低い状態にあります。流動性が低い場合、基準価額と市場価格が乖離したり、希望する価格で売却できないリスクが高まります。流動性が低い状態が続くと、上場廃止になるリスクもあります。
ETFに投資する際には、流動性を確認することが大切です。
ETFのまとめ #
ETF(上場投資信託)は、証券取引所でリアルタイムに売買できる投資信託で、インデックス連動型とアクティブ運用型の2種類があります。低コスト、透明性の高さ、少額取引の可能性が特徴ですが、流動性が低い場合のリスクに注意が必要です。特に、インデックス型は市場全体の動向に連動するため分散投資に適し、アクティブ型はベンチマークを上回るリターンを目指します。