FTSE Blossom Japan Indexは、日本の株式を対象として、環境、社会、ガバナンス(ESG)の観点から優れていると判断された企業の株式で構成される株価指数です。いわゆるESG指数の一つです。
同指数は、世界的な指数算出会社であるFTSE Russell社が算出・公表しています。なお、指数名のBlossomは、「開花する」、「発展する」という意味の英語です。
ESG投資が注目されてきた背景 #
2010年頃から金融・運用業界においては世界的にESG投資が注目を集めるようになりました。
2015年9月に責任投資原則(PRI)、UNEP Inquiry、国連グローバルコンパクトと国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP FI)が共同で発表した調査報告書「21世紀の受託者責任(Fiduciary duty in the 21st Century)」では、投資実務において、環境上の問題、社会の問題および企業統治の問題など、長期的に企業価値向上を牽引する要素(原動力)を考慮しないことは、受託者責任に反することである、と結論づけるなど、機関投資家にはESGへの対応が強く求められるようになりました。
2017年4月には、国連責任投資原則(PRI)、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、Generation Foundationは、日本におけるESG課題や受託者責任(フィデューシャリー・デューティー)の現状と提言をまとめた報告書「Japan roadmap」を発表しました。
そうした中、ESGの観点から投資対象を選択するESG投資が増え、それに伴い、ESG指数の開発も日本株を対象とした指数を含めて、世界中で進んでいます。このFTSE Blossom Japan Indexもその一つです。
FTSE Blossom Japan Index #
FTSE Blossom Japan Indexは、ESG (環境、社会、ガバナンス) 評価の高い日本企業のパフォーマンスを測定するための指数です。業種配分を FTSE All Cap Japan Index と一致させつつ、環境・ 社会・カガバナンス(ESG)のグローバル基準を満たす日本企業のパフォーマンスが反映される様に設計されています。そのためにFTSE Russell社は、FTSE All Cap Japan Index を構成する銘柄の中から、FTSE Russell社独自のESG評価により各銘柄に個別のESGスコアを付与し、そのスコアが3.3以上の日本企業を構成銘柄として選定しています。
2024年8月末現在、FTSE Blossom Japan Index351銘柄で構成されています。
FTSE Blossom Japan Indexの上位組入銘柄 #
銘柄名 | 構成比率 |
---|---|
トヨタ自動車 | 6.32% |
ソニーグループ | 3.29% |
日立 | 3.04% |
三菱UFJフィナンシャルグループ | 2.58% |
リクルート・ホールディングス | 2.46% |
三菱商事 | 2.17% |
信越化学 | 2.16% |
東京エレクトロン | 2.09% |
伊藤忠商事 | 2.00% |
第一三共 | 1.96% |
FTSE Blossom Japan IndexをベンチマークとするETF #
東京証券取引所に上場している「iFreeETF FTSE Blossom Japan Index(1654)」(運用会社:大和アセットマネジメント)と「One ETF ESG(1498)」(運用会社:アセットマネジメントOne)は、同指数をベンチマークとするETFです。
FTSE Blossom Japan Indexのまとめ #
FTSE Blossom Japan Indexは、環境、社会、ガバナンス(ESG)の観点から優れた日本企業で構成される株価指数です。FTSE Russell社が算出し、2024年8月末現在351銘柄で構成され、トヨタ自動車やソニーグループが上位銘柄に含まれています。ESG投資の拡大に伴い、同指数をベンチマークとするETFも提供されています。