日本の国債市場 #
日本の国債市場とは、日本政府が発行する国債(国の借金の一種)を売買する市場のことです。国債は政府が資金を調達するために発行し、投資家や金融機関が購入します。購入者は、国にお金を貸し、その見返りに一定期間後に元本が返済されるとともに、利子(クーポン)が支払われます。国債市場は、国の財政運営や金融政策と密接に関連しています。
日本の国債市場の主な特徴として以下の点が挙げられます:
- 安全性:国債は、政府が発行するため、他の金融商品と比べてリスクが低いとされ、特に日本の国債は信頼性が高いと見なされています。
- 種類:日本国債には、期間や利子の支払い方法などによっていくつかの種類があります。たとえば、2024年10月現在において発行されている日本国債は、短期国債(満期までの期間が1年)、中期国債(2年、5年)、長期国債(10年)、超長期国債(20年、30年、40年)、物価連動国債(10年)、個人向け国債(固定3年、固定5年、変動10年)があります。
- 国債の買い手:日本国内の金融機関(銀行、保険会社など)や個人投資家が主な買い手ですが、海外投資家も一部関与しています。ただし、他国と比較すると、日本の国債市場における海外投資家の割合は少なめです。
- 日銀の役割:日本銀行(中央銀行)は、国債を大量に購入することで金融緩和を行い、金利の低下や経済の活性化を図っています。これは「量的緩和」と呼ばれる政策の一環です。
- 規模:発行された国債は、金融機関などが投資目的で保有したり、流通市場において日々売買したりしています。2024年3月末現在、国債の発行残高は約1,000兆円という巨大な市場です。
FTSE日本国債インデックス #
FTSE 日本国債インデックスは、この国債(個人向け国債等を除く)の流通市場における動向を示す指数です。
日本銀行の保有分および財務省償還分を除いた、償還残存期間1年以上の日本国債を時価総額で加重平均した債券インデックスで、FTSE Russell社が算出・公表しています。
FTSE日本国債インデックスの構成銘柄は2024年8月末現在、274銘柄で、時価総額の合計は約450兆円です。平均クーポンは1.05%、平均残存期間は14.24年です。
【FTSE日本国債インデックスの時価総額ベースのセクター別内訳】
FTSE 日本国債インデックスをベンチマークとする投資信託 #
2020年2月26日に東京証券取引所に上場した「i シェアーズ・コア・日本国債ETF」(銘柄コード:2561)は、FTSE 日本国債インデックスをベンチマークとして、同指数の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンド(ETF)です。運用会社はブラックロック・ジャパンです。分配金の支払いは年4回実施されます。
また、明治安田アセットマネジメントが運用する「明治安田日本債券ファンド(愛称:ホワイトウィング)」は日本の公社債に投資し、FTSE日本国債インデックスをベンチマークとし、これを中・長期的に上回る運用成果をあげることを目標に運用するアクティブ運用の投資信託です。2000年1月28日に設定され、すでに24年以上の運用実績があります。分配金は年1回支払われます。
FTSE 日本国債インデックスのまとめ #
FTSE日本国債インデックスは、日本の国債市場(個人向け国債を除く)の動向を示す債券インデックスで、償還残存期間1年以上の日本国債を時価総額で加重平均して算出されます。2024年8月末時点で274銘柄を構成し、時価総額は約450兆円です。この指数をベンチマークとするETFや投資信託(例:「iシェアーズ・コア・日本国債ETF」や「明治安田日本債券ファンド」)が運用されています。