ひふみクロスオーバーproは、未上場株式を投資対象に含める投資信託で、2024年9月12日に設定されました。レオス・キャピタルワークスが運用しています。
ルールの変更により可能となったクロスオーバーファンド #
日本では、これまで投資信託への未上場株式の組入はできませんでしたが、岸田政権の「新しい資本主義実行計画」により、スタートアップ育成に向けた資金調達環境を整備する動きが高まり、投資信託協会が2024年2月15日に、自主規制ルールを変更し、公募投資信託に純資産総額の15%を上限に未上場株を組み入れることが可能となりました。
ひふみクロスオーバーproについて #
これを受け、設定されたのが「ひふみクロスオーバーpro」です。同ファンドは、スタートアップ企業の成長支援と投資機会の拡大、そして未上場企業への投資機会を広げることを目指しています。レオス・キャピタルワークスでは、これを「未上場企業の民主化」であるとしています。運用については、長年にわたり創業間もない企業に出資するエンジェル投資家としても活躍してきたレオス・キャピタルワークス代表取締役社長CIO(最高投資責任者)の藤野英人氏がファンドマネージャー(運用責任者)を務めます。また、運用メンバーには2022年に新卒でレオス・キャピタルワークスに入社し、株式戦略部にて中小型株のIPO企業、内需企業を中心に調査を行ってきた松元凌佳氏が参加しています。
「ひふみクロスオーバーpro」では、未上場株を組み入れ、それらが取引所への上場(IPO)を果たした後も保有し続けることで、新規上場企業が直面しやすい上場後の株価下落や低迷といった所謂「死の谷」の解消を目指します。また、未上場株については、事業がまだ立ち上がっていない「シード(seed)」状態や初期のマーケティング、製造および販売活動を始めた「アーリー(early)」ステージの企業ではなく、持続的なキャッシュ・フローが見込め、新規上場間近の「レイター(later)」ステージにある未上場企業に投資します。
「ひふみクロスオーバーpro」は、資産の約50%を「ひふみ投信マザーファンド」に投資し、50%を新たに設定した「ひふみクロスオーバーマザーファンド」に投資します。このマザーファンドを通じて、資産全体の10%を「ひふみスタートアップ投資事業有限責任組合」に配分、35%をクロスオーバー投資、残り5%をその他の成長企業への投資に配分します。この「ひふみスタートアップ投資事業有限責任組合」において、未上場株投資が行われます。また、このクロスオーバー投資部分は、ひふみスタートアップ投資事業有限責任組合が投資する未上場企業が上場した場合、クロスオーバーマザーファンドで投資を継続するものです。
ひふみクロスオーバーproの販売会社 #
「ひふみクロスオーバーpro」は、レオス・キャピタルワークスによる直販の他に、SBI証券、岡三証券、千葉興業銀行、広島信用金庫、マネックス証券、楽天証券、関西みらい銀行、八十二銀行、あかつき証券、auカブコム証券、証券ジャパン、ひろぎん証券、松井証券、moomoo証券が取り扱っています。(2024年12月16日現在)。また、ファンドはNISA成長投資枠の対象商品です。
ひふみクロスオーバーproのまとめ #
「ひふみクロスオーバーpro」は、レオス・キャピタルワークスが運用する未上場株式を含むクロスオーバーファンドで、2024年9月12日に設定されました。日本の自主規制ルール変更により、公募投資信託で未上場株を最大15%まで組み入れ可能となったことを受け誕生しました。レイターステージの未上場企業への投資とIPO後の株式保有を通じ、成長支援と「死の谷」解消を目指します。資産は「ひふみ投信マザーファンド」と「ひふみクロスオーバーマザーファンド」に分配され、直販や主要ネット証券などで購入可能です。