ETFの取引所価格 #
ETF(上場投資信託)の取引所価格は、株価のように取引所における売買の結果成立した価格のことです。市場価格とも呼ばれます。東京証券取引所の場合は、「現在値」として表示されています。取引所が示す「始値」、「高値」、「安値」、そして「終値」も取引所価格です。海外のETFでは「Market Price」「Real Time Price」などと表示されます。
例えば、ある日のTOPIX連動型ETFの前場終了時点(11時30分)の取引所価格は次のように表示されます。
コード | 銘柄名 | 現在値 | 時刻 | 前日比 | |
1305 | iFreeETF TOPIX (年1回決算型) | 1,558円 | 11:30 | -65円 | -0.30% |
1306 | TOPIX連動型上場投資信託 | 1,540円 | 11:30 | -60円 | -0.31% |
1308 | 上場インデックスファンドTOPIX | 1,523円 | 11:30 | -63円 | -0.32% |
1348 | MAXIS トピックス上場投信 | 1,542円 | 11:30 | -62円 | -0.31% |
ETFの一口当たり純資産額(NAV) #
ETFの一口当たり純資産額(NAV)は、ファンドが保有する資産から負債を差し引いた純資産を、発行済みの口数で割ったものです。これは、取引所での取引終了後に1日1回公表されます。NAVは一般の投資信託の基準価額と同様に算出され、英語ではNet Asset Value(NAV)と呼ばれます。
一口当たり純資産額の計算式
ETFの一口当たり純資産額は、ファンドが保有している有価証券等の資産価値に基づきますが、ETFの取引所価格は市場の需要と供給によって決定されます。このため、取引所価格がNAVと一致するとは限らず、取引所価格がNAVより高い「プレミアム」、低い「ディスカウント」が発生することになります。
一口当たり純資産額は基準価額とも呼ばれます。運用会社がETFの基準価額を公表する際には、各ファンドの売買単位に応じて1口当たり、10口当たり、あるいは100口当たりで公表されます。
上記のTOPIX連動型ETFの基準価額は当日の終値に基づいたもので、次のように表示されます。
コード | 銘柄名 | 基準価額 | 単位 |
---|---|---|---|
1305 | iFreeETF TOPIX (年1回決算型) | 16,219円 | 10口 |
1306 | TOPIX連動型上場投資信託 | 16,008円 | 10口 |
1308 | 上場インデックスファンドTOPIX | 1,584円 | 1口 |
1348 | MAXIS トピックス上場投信 | 16,026円 | 10口 |
このように、ETFの一口当り純資産額は、ファンドが保有している有価証券等の資産価値によって決定され、一方でETFの取引所価格は市場(取引所)における需要と供給で決まります。そのために、投資家が購入するETFの取引所価格は、1口当たり純資産額よりも高かったり、あるいは低かったりします。
ETFの取引所価格と一口当たり純資産額の違いのまとめ #
ETFの取引所価格(市場価格)は、取引所での売買に基づき決まる価格で、需給によって変動します。一方、一口当たり純資産額(NAV)は、ETFが保有する資産の価値に基づいて算出され、1日1回公表されます。この2つは決定方法が異なるため、取引所価格が純資産額より高い場合(プレミアム)や低い場合(ディスカウント)が生じることがあります。