一口当たり純資産額 #
不動産投資信託(REIT)の一口当たり純資産額(NAV per unit)は、REITが保有する純資産(総資産から負債を差し引いた額)を発行されている投資口数で割った数値です。具体的には次の計算式で求められます。
一口当たり純資産額 = 純資産額 ÷ 投資口数
この指標は、投資口一口あたりの理論的な資産価値を表し、投資家がそのREITを購入する際の参考になります。
一口当たり純資産額の役割 #
理論的な資産価値の評価:一口当たり純資産額は、そのREITが保有する資産の価値に基づく理論的な価値を示しています。投資家は一口当たり純資産額を市場での投資口価格と比較することで、その価格が理論的な資産価値に対して割安か割高かの目安とすることができます。市場価格が一口当たり純資産額を上回っていれば割高、下回っていれば割安と判断することができます。
例えば、○○○不動産投資法人の決算期末の純資産額が887.03億円で、投資口数が175,372口であったとすると、一口当たり純資産額は505,805円となります。一方で、同じ期末時点における投資口価格が、762,000円だったとすると、投資口価格は1口当たり純資産額に対して割高であると考えることができます。
データの確認方法 #
各REITの純資産額や投資口数は決算期ごとに発表され、東京証券取引所やREITの公式サイト、決算短信などで確認できます。日々の投資口価格と合わせて確認することで、投資判断の一助とすることが可能です。
不動産投資法人の投資口価格、純資産額、投資口数は東京証券取引所から毎日発表されているので、チェックしてみましょう。また、各投資法人の期末時点の純資産額や投資口数などは、各投資法人のホームページで公開している決算短信などでも調べることができます。
一口当たり純資産額のまとめ #
一口当たり純資産額(NAV per unit)は、REITが保有する純資産を発行済みの投資口数で割ったもので、投資口一口あたりの理論的な資産価値を示します。この指標と市場での投資口価格を比較することで、現在の投資口が割安か割高かを判断する手がかりとなります。
一口当たり純資産額は、不動産投資信託を購入する際の投資尺度の一つとして利用することができますが、不動産投資信託の投資尺度としては、この他にも分配金利回り、純資産配当率、LTV、NOI利回り、FFOなど様々なものがあります。投資を考える際には、複数の投資尺度を検証し、総合的な判断を行うことが大切です。