資源株ファンドの基本 #
資源株に的を絞って投資する投資信託を、一般に「資源株ファンド」と呼びます。
ここでいう「資源」とは、石油や天然ガスなどのエネルギー資源、金やアルミニウムなどの鉱物資源を指します。
資源株とは、これら資源の調査、採掘、開発、精製、輸送、販売などに携わる企業の株式のことです。また、新しいエネルギー関連技術の研究・開発を行う企業を投資対象に含めるファンドもあります。
なお、海外では資源株に投資するファンドを「resources funds」または「natural resources funds」と呼びます。また、資源株ファンドの中で、金の採掘・精製・販売を行う企業に特化して投資するファンドは「ゴールドファンド」と呼ばれます。
資源株ファンドの運用成績の特徴 #
資源株ファンドの運用成績は、原油、石油製品、銅、亜鉛、鋼材などの国際商品市況の影響を大きく受けます。これらの市況変動が資源関連企業の業績に直接影響するためです。国際商品市況は、OPEC(石油輸出国機構)による生産調整、世界経済動向を背景とした需給バランス、政治情勢、天候、投機的な思惑など、世界的規模のさまざまな要因によって大きく変動する傾向があります。そのため、資源株ファンドの基準価額も大きく変動しやすいのが特徴です。
さらに、資源株の多くは外国企業であるため、資源株ファンドの基準価額は外国為替相場の影響も受けます。ただし、ファンドによっては為替ヘッジを行い、為替リスクの低減を図っているものもあります。
また、他のテーマ型ファンドや業種別ファンドと同様に、限られたセクターへの集中投資となるため、セクター動向によるリスクも高い点が特徴です。
資源株ファンドの特徴 #
- 資源価格と連動しやすい
原油価格や金属価格の上昇は、これら企業の業績に直結するため、ファンドの基準価額にも大きく影響します。 - インフレ対策の一手段
資源価格が上昇しやすいインフレ局面では、資源株ファンドが他の資産クラスに比べ有利に働くことがあります。 - 価格変動が大きい
資源価格自体が需給バランスや地政学リスクの影響を受けやすいため、ファンドの基準価額も比較的大きく変動します。
資源株ファンドに投資する際のポイント #
- 資源価格(原油、金属など)の中長期的な見通しを考慮することが重要です。
- 世界経済の成長や脱炭素社会への移行といったマクロトレンドも見据える必要があります。
- 為替リスクやセクター集中リスクを充分に理解することが大切です。
資源株ファンドの例 #
- 世界資源株ファンド(三菱UFJアセットマネジメント)
- 世界資源株投資(野村世界業種別投資シリーズ)(野村アセットマネジメント)
- ブラックロック天然資源株ファンド(ブラックロック・ジャパン)
資源株ファンドのまとめ
資源株ファンドは、石油や金属などの資源関連企業に投資する投資信託です。資源価格や為替、国際情勢の影響を大きく受け、値動きが大きくなる傾向があります。インフレ対策や資源価格上昇時の投資先として注目されます。