ゴールドETFとは #
ファンドの値動きが金の価格に連動する仕組みのETFを、一般に「ゴールドETF」と呼びます。東京証券取引所に上場している「SPDR ゴールド・シェア受益証券」も、その一つです。
SPDR ゴールド・シェア受益証券 #
「SPDR ゴールド・シェア受益証券」は、2004年11月12日に米国で設定され、同年11月18日にニューヨーク証券取引所に上場しました。米国での名称は「SPDR Gold ETF」(スパイダー・ゴールド・シェア)です。
その後、2006年8月10日にメキシコ証券取引所、2006年10月11日にシンガポール証券取引所にも上場し、2007年12月13日にはニューヨーク証券取引所アーカ(NYSE Arca)へ上場市場を移転しました。
日本では、2008年3月の信託法改正により、商品に直接投資するETFの設定が可能となったため、2008年6月30日に東京証券取引所に上場しました。
つまり、東京証券取引所に上場している「SPDR ゴールド・シェア受益証券」は、取引は円建てで行われますが、外国籍の投資信託に分類されます。
SPDR ゴールド・シェアは金現物に直接投資 #
「SPDR ゴールド・シェア受益証券」は、直接金の現物に投資を行います。ファンドが購入した金は、カストディアンである銀行によって安全に保管されます。このように、金の現物に投資するETFは、「金現物拠出型上場投資信託」と呼ばれます。
SPDR ゴールド・シェアは金のみを投資対象とするため、金価格が上昇すれば基準価額も上昇し、金価格が下落すれば基準価額も下落します。
ただし、外国籍ファンドであるため、為替相場(米ドル/円)の影響も受けます。一般に、円高・ドル安は基準価額の押し下げ要因となります。
また、金は利息を生まない資産であるため、分配金は支払われません。
SPDR ゴールド・シェア受益証券の基本情報 #
- 名称:SPDR ゴールド・シェア受益証券
- ティッカー(米国):GLD
- 上場市場:東京証券取引所(コード:1326)、NYSE Arca(GLD)など
- 運用会社:ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
- 信託報酬:年率0.40%(2025年4月現在)
- 対象指標:金地金価格(LBMA金価格)
- SPDRゴールド・シャエア(GLD)のHP https://www.ssga.com/jp/ja/individual/etfs/spdr-gold-shares-gld
※なお、LBMA金価格とは、イギリス・ロンドンに拠点を置くロンドン貴金属市場協会(London Bullion Market Association=LBMA)が管理する、国際的な金の基準価格です。世界中で最も広く参照される、公式な金価格とされています。
金価格連動型ETFへの投資のメリット #
- 金価格への連動:金価格の上昇に伴い、ETFの価格も上昇するため、インフレヘッジや安全資産としての役割を果たします。
- 取引の容易さ:証券取引所に上場しているため、株式と同様にリアルタイムで売買が可能です。
- 保管の手間なし:現物の金を直接保有する場合に必要な、保管や保険の手間が不要です。
SPDR ゴールド・シェア投資に際しての注意点 #
- 価格変動リスク:金価格の変動により、ETF価格も上下します。
- 為替リスク:米ドル建て金価格に連動しているため、円建てで投資する場合は為替変動の影響を受けます。
- 信託報酬:年率0.40%の信託報酬がかかります。
金価格の推移 #

(データ出所:WGC)
過去10年程度の金価格の推移を見ると、2016年頃から1オンス当たり1,100ドル程度だったものが、上昇傾向に入り、2021年からは大きく上昇しています。2025年4月22日には1トロイオンスあたり3,500.05の最高値を付けました。
SPDR ゴールド・シェアのまとめ #
SPDR ゴールド・シェア(東証コード:1326)は、金地金価格(LBMA金価格)に連動するETFで、東京証券取引所に上場しています。金の現物を信託資産として保有し、投資家は金価格の値動きに連動した投資成果を得られます。信託報酬は年率0.40%です。