ファンドの目論見書の運用方針の欄に「ファンドは、トップダウン・アプローチでポートフォリオを構築します」というような記載があることがあります。このトップダウン・アプローチとは何でしょうか。
トップダウン・アプローチとは #
ファンドを構築する際に、最初にマクロ経済動向などの分析により資産配分を決定し、その後で、その資産配分の枠の中で組み入れる個別銘柄を決定してゆく方法をトップダウン・アプローチと呼びます。主に、アクティブ運用型の株式ファンドで利用される投資方法です。
トップダウンアプローチのプロセス: #
- マクロ経済分析: 世界経済や特定国の経済状況、金利動向、インフレ率、政治情勢などを分析。
- セクター分析: 経済の分析を基に、成長が期待できる産業やセクターを選定。
- 企業選定: そのセクター内で、投資の機会が最も大きい個別企業を選定。
どうやるのか #
世界中の株式に投資するファンドを考えてみましょう。
ファンドマネージャーは、まず、世界各国の経済動向の分析、成長予測、株式市場の分析などを行います。これらの結果から、どの国にファンドの資産のどれくらいを投資すべきかを決定します。例えば、米国に40%、英国に30%、日本に20%、ドイツに10%投資するという具合です。
次に、各国において成長が期待できる業種を選定し、その組入比率を決定します。
そして、次にこの範囲内で、実際に組入れる各国の銘柄を選出することになります。この組入銘柄の選別方法はファンドにより異なります。
トップダウン・アプローチのまとめ #
トップ・ダウン・アプローチは、ファンド構築時にまずマクロ経済や市場動向を分析して資産配分を決定し、その後に個別銘柄を選定する方法です。例えば、各国の経済成長予測に基づいて地域ごとの投資比率を決め、その枠内で具体的な銘柄を選ぶのが特徴です。一方、個別銘柄の分析から始める「ボトムアップ・アプローチ」と対照的な手法です。