ハイイールド債券ファンドとは #
高い利率の債券(ハイイールド債券)に的を絞って投資を行い、相対的に高い利金収益(インカムゲイン)の獲得を目指す投資信託を「ハイイールド債券ファンド」「ハイ・イールド・ボンド・ファンド」「高利回り債券ファンド」や「高金利ファンド」などと呼びます。これは、高いリスクをとってでも高いインカムゲインを求める投資家向けの商品として位置づけられます。
ハイイールド債券ファンドの主な種類 #
ハイイールド債券ファンドには、次のような種類があります。
1. 新興国のソブリン債券に投資するファンド #
新興国が米国市場やユーロ市場等の国際的な市場および自国市場で発行する米ドル建のソブリン債券に投資するファンドです。新興国のソブリン債券(国債)は高い信用リスクや高いインフレ率、流動性リスクを反映し、一般的に高い利回りが期待できます。多くの新興国は、信用格付けが低め(例えばBBB~B)で、国の債務返済能力にリスクが伴います。このような国の債券に投資するファンドは、リスクを取りながらも高い利回りの獲得を目指します。
例
- エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)
- エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)為替ヘッジあり
- エマージング・ソブリン・オープン(1年決算型)
2. 先進国のハイイールド社債に投資するファンド #
先進国では金利が低水準に抑えられているため、一般的な国債や社債の利回りは低くなりますが、信用力が低い企業や新興企業が発行する低格付けのハイイールド社債(コーポレート・ハイイールド債券)が存在します。こうした企業の債券を対象としたファンドは、相対的に高いインカムゲインを追求します。
例
- SBI・iシェアーズ・米国ハイイールド債券インデックス・ファンド
- 楽天・USハイイールド社債インデックス(為替ヘッジ)ファンド(ラップ向け)
- iシェアーズ米ドル建てハイイールド社債ETF
3. 新興国の通貨建てで発行される債券に投資するファンド #
新興国の通貨建てで発行される債券に投資するファンドもあります。このタイプの債券は信用リスクに加え、為替リスクも伴うため、通常より高い利回りが期待されます。なお、国際機関などが新興国の現地通貨建てで発行する債券には、高格付け(AAAなど)を持つものもあり、信用力が高い一方で比較的高い利回りが得られる点が特徴です。ただし、為替変動によるリスクが大きいため、慎重な判断が求められます。
例
- 野村DC新興国債券(現地通貨建て)インデックスファンド
- JPM新興国現地通貨ソブリン・ファンド(毎月決算型)
- たわらノーロード新興国現地通貨建債券<ラップ専用>
ハイイールド債券ファンドのまとめ #
ハイイールド債券ファンドは、高い利回りを提供する低格付けの債券に投資するファンドで、インカムゲインを狙いたい投資家向けの商品です。新興国のソブリン債、先進国の低格付け社債、新興国通貨建ての債券などが代表的な投資対象で、高い収益が期待できる一方で、信用リスクや為替リスクも伴います。