不動産投資信託の投資対象 #
不動産投資信託は、投資家から集めたお金で賃貸用の不動産を取得して、これらの不動産の管理・運営を行ない、その賃貸収入から利益を獲得することを目指しますが、投資対象とする不動産の種類はファンドにより異なります。
オフィスビル、商業ビル、商業施設、賃貸用住居ビルなどを主な投資対象とするファンドもあれば、郊外型の大型ショッピングセンターやホテルに投資するファンドもあります。また、物流施設に的を絞って投資するファンドやヘルスケア施設に投資するファンドもあります。
特定のタイプに的を絞って投資する不動産投資信託を特化型と呼び、例えばオフィスビル、ホテル、商業施設のように複数のタイプの不動産に投資する不動産投資信託を総合型と呼びます。また、ヘルスケア施設に的を絞った不動産投資信託のことはヘルスケアリートと呼びます。
投資対象不動産 #
不動産投資信託が投資対象とする不動産は次の6つの用途に分類できます。
- 住宅用(マンション)
- オフィスビル
- ホテル
- 物流施設
- 商業施設
- ヘルスケア施設
住宅用不動産 #
マンションやアパートなどの住宅物件です。人口が多い都市部や住宅需要が高い地域での住宅用不動産が一般的で、安定した賃貸収入を見込むことができると考えられています。
- 住宅(戸建)
- 住宅用ビル(マンション)
- ファミリー向けマンション
- 独身者用マンション
- 高齢者用マンション
- 有料老人ホーム
- シニア住宅
- 学生マンション
- サービスアパートメント
- 学生寮
- 社宅
オフィスビル #
都市部の大型のオフィスビルに投資することが一般的です。大都市の中心部に位置するオフィスビルは、企業からの需要が高く、安定した賃貸収入が期待されています。
- 大規模オフィスビル
- 中小規模オフィスビル
- 企業の本社・支社ビル
ホテル #
ホテルへの投資もREITが投資するカテゴリーです。シティホテルだけでなく、観光地のホテルやビジネスホテルなども対象です。観光需要やビジネスマンの出張需要に依存するため、経済状況や旅行需要の変動に影響を受けやすいですが、立地やブランドによっては高いリターンを期待できると考えられています。
- シティホテル
- ビジネスホテル
- リゾートホテル
- 旅館(温泉旅館を含む)
商業施設 #
大型のショッピングモールや小売店舗などの商業施設もREITの投資対象となります。商業施設への投資は、消費者の購買活動に直接関連し、経済の状況に影響されやすいですが、好調な経済状況下では高いリターンが期待できると考えられています。
- 大規模商業・テナントビル
- 中小規模商業・テナントビル
- 郊外型ショッピングセンター
- 都市型ショッピングセンター
- 大型スーパービル
- ロードサイド型店舗
物流施設 #
インターネット通販の拡大により、物流センターや倉庫への投資も増えています。物流施設は長期的な賃貸契約が多く、安定した収益が見込めます。
- 倉庫
- 配送センター
- 温度・湿度管理機能付き物流センター
- 加工機能付き物流センター
- 配送拠点物流センター
- 文書保管倉庫
- データ保存倉庫
- トランクルーム
- 輸出入物流センター
ヘルスケア施設 #
サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、認知症高齢者グループホームが投資対象となります。国土交通省では、資産運用会社に対し、利用者の安心感を確保するため、施設の状態、利用料及び契約内容等について、関係法令に適合しているものであるかどうかの確認や、地方公共団体による通知等への対応状況の確認などを行うことを求めています。
- サービス付き高齢者向け住宅
- 有料老人ホーム
- 認知症高齢者グループホーム
不動産投資信託の用途別資産規模 #
不動産投資信託の用途別資産規模(取得価格ベース)を見ると、オフィス用不動産が8.79兆円と最も大きく全体の約38%を占めています。次いで、賃貸住宅用不動産、商業施設、物流施設、ホテル、その他(ヘルスケア)の順となっています。
投資対象地域 #
不動産投資信託が投資対象とする地域はファンドにより異なります。東京を中心とした首都圏の不動産だけに投資するファンドもあれば、日本全国の賃貸用不動産に分散投資するファンドもあります。また、福岡リート投資法人(銘柄コード:8968)のように、福岡を中心とする九州エリアに的を絞って投資するファンドや東海道リート投資法人(銘柄コード:2989)のように東海道地域の不動産に的を絞って投資するファンドもあります。
ファンドがどんな物件に投資しているのかについては、運用会社のホームページの「ポートフォリオ」のセクションや目論見書に記載されていますので、購入前にチェックしましょう。