投資の世界では「AI(人工知能)」というキーワードが浸透して久しく、2016年頃からAIが資産配分やリバランスを自動で行うロボアドバイザーが登場してきました。そして、2017年10月18日、世界初のAIが実際に運用する株式ETF「AI Powered Equity ETF(ティッカーコード:AIEQ)」がニューヨーク証券取引所Arcaに上場しました。
従来のAI関連ファンドとの違い #
従来のAIファンドは、AI技術の発展により成長が期待される企業への投資が主でした。また、日本で広く提供されているロボアドバイザーは、個別投資家のリスク許容度に基づいて資産配分を行い、既存のETFや投資信託に投資するタイプです。しかし、AIEQはこれらとは異なり、AIが直接、銘柄や組入比率を決定するという独自のETFです。
AIが選ぶ銘柄、AI Powered Equity Index #
AIEQは、IBM Watson™プラットフォーム上で動作する「AI Powered Equity Index」に概ね連動する投資成果を目指します。このインデックスは、Equbot社が開発したAI分析モデルにより、最大10年分のデータと最新の経済情報、ニュース記事を解析して、最も成長が見込まれる銘柄を選定します。
Amplify AI Powered Equity ETFへの名称変更 #
2024年1月29日、AIEQは「Amplify AI Powered Equity ETF」へと名称を変更しました。これは、ETF Managers GroupからAmplify ETFsがファンドを取得したことによるもので、AmplifyのAI関連商品群の一環としてブランド強化が図られました。
EquBot社とAI運用の仕組み #
Equbot社は、IBMのスタートアップ支援プログラム「IBM Global Entrepreneur」から誕生した企業で、AIを活用した投資分析に特化しています。Equbotモデルは、日々最新の経済状況や世界情勢から企業をランク付けし、ポートフォリオのリスクレベルを市場平均に合わせつつ、成長が見込まれる30~70銘柄を選定します。このAIモデルが、Amplify AI Powered Equity ETFにおける実質的な運用を担っています。
AI vs 人間 – 未来の運用 #
AIが実際の運用に携わる時代が到来した今、Amplify AI Powered Equity ETFの今後のパフォーマンスが注目されます。2024年9月末時点で、AIEQは過去1年間で27.03%の騰落率を記録しましたが、同期間のS&P 500指数(34.18%)を下回る結果となりました。
関連リンク #
– AI Powered Equity ETFの株価情報(NYSE)
– Equbot社