信託期間と残存信託期間 #
投資信託の信託期間は、投資信託の運用が始まってから終わるまでの期間のことです。
投資信託には信託期間が決まっているものと決まっていないものがあります。信託期間が決まっているファンドでは、5年、10年、20年が多く見られます。この信託期間が決まっている投資信託において、予め設定された信託期間の終了までの残った期間のことを残存信託期間と言います。現時点におけるファンドの償還までの期間ということです。
例えば、現在2024年8月15日として、信託期間が2025年10月15日までの投資信託であれば、残存信託期間は1年2カ月ということになります。
投資信託は中長期的な運用を基本とした金融商品ですから、購入時には残存信託期間が十分にあるか、自分の投資したい期間に残存信託期間がマッチしているかをチェックする必要があります。長期運用を前提とするならば、信託期間が無期限のファンドを選択する方がよいでしょう。信託期間が無期限という投資信託では、残存信託期間も無期限ということになります。
信託期間が無期限であっても注意は必要 #
残存信託期間が十分長いファンドや信託期間が無期限のファンドであっても、運用が途中で中止されてしまうことがあります。これを繰上償還と呼びます。繰上償還は、そのほとんどが残高が小さくなり、目論見書で決められている運用方針にそった運用ができなくなってしまった場合に実施されます。実際、毎月多くのファンドが繰上償還されています。繰上償還になれば、投資家の意図は関係なく、ファンドは償還され、損失が出ていても、利益が出ていても、現金化されてしまい、資産計画が狂ってしまうことになります。
この繰上償還にあわないようにするためには、ファンドの購入時に次の2点に注意を払うようにしましょう。
- 残高が十分大きい
- 残高が減少傾向にない
残高については、投資信託の平均残高は2024年7月現在、約230億円程度です。1兆円を超えるファンドも存在しています。残高が平均以上あるファンド、そして、今は残高が平均以上あっても、急激な減少傾向が見られるファンドについては、何かしらの理由でファンドから資金が流出している、あるいは運用成績が悪化している可能性もあります。したがって、残高が十分大きく、減少傾向が続いていないファンドを選ぶことが大切です。