「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆7,125億円
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2023年1月末現在の投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が純資産第1位を維持しました。同ファンドの1月末純資産額は1兆7,125億円で、前月から455億円増加しました。
「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日)に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。
毎計算期末の前営業日の基準価額 | 分配金額(1万口あたり、税引前) |
11,000円未満 | 基準価額の水準等を勘案して決定 |
11,000円以上12,000円未満 | 200円 |
12,000円以上13,000円未満 | 300円 |
13,000円以上14,000円未満 | 400円 |
14,000円以上 | 500円 |
(2023年1月末現在・出所 交付目論見書)
「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日まで。上位組入銘柄には、マイクロソフト、VISA、ユナイテッド・ヘルスグループ、アルファベット、アマゾンなど、米国のIT・ヘルスケア大手や日本でもよく知られた企業が並んでいます。(2023年1月末現在)
なお、第2位は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)で、同ファンドの月末純資産は1兆7,058億円と、1位との差はわずか67億円でした。
一方、投信資料館がフォローしているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2023年1月末の純資産総額は前月比3.3%(金額で152億円)増加し4,769億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。
なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の7本です。ひふみプラスを除く6本は全てインデックスファンドです。
- ひふみプラス
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
純資産上位ファンドの投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが17本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、アロケーション型、日本の債券に投資するファンド、日本のREITに投資するファンドが各2本、外国の債券に投資するファンドが1本でした。この内訳は2022年8月から変わっていません。
純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
純資産上位ファンドの資金増減状況
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、2022年5月以降変わらず三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」でした。同ファンドの1月の月間増加額は約633億円と大幅な資金流入が続いています。このペースでの増加が継続すれば、来月にも、同ファンドが純資産総額第1位に浮上することが見込まれます。また、月間資金流入第2位は同じく三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、流入額は約427億円でした。
なお、純資産上位30位ファンドのうち2023年1月に資金増加となったのは、20ファンドでした。
月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。また5本中4本(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》、楽天・全米株式インデックス・ファンド)はインデックスファンド で、いずれもつみたてNISA対象ファンドです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2023年1月)>
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
1 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 17,058.1 | 632.6 |
2 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 8,527.0 | 427.3 |
3 | SBI | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 | 7,561.8 | 260.0 |
4 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 7,641.9 | 228.5 |
5 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) | 6,892.1 | 121.1 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、国内最大ファンド第1位の「AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」で、減少額は約124億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
<月間資金減少額が最も大きかったファンド>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,125.4 | -124.4 |
東京海上 | 東京海上・円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 | 4,410.1 | -104.4 |
アライアンス | AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 3,835.2 | -57.1 |
One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 8,310.9 | -44.1 |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 3,731.7 | -32.5 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月)」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率(運用成績)がプラスだったのは16本でした。
純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、ピクテ・ジャパン株式会社の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」で、1月の過去1年騰落率は14.1%でした。
純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった上位5本は次の通りです。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
1 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) | 10,092.9 | 14.1% |
2 | フィデリティ | フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 | 4,207.0 | 11.8% |
3 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,034.6 | 8.8% |
4 | 大和 | ダイワFW 日本株式セレクト | 5,054.0 | 6.8% |
5 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 3,909.7 | 5.5% |
一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、アライアンス・バーンスタインの「AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示」で騰落率は−18.0%でした。
過去1年の騰落率が最も低かった5本は次の通りで、投資のソムリエを除く4本はハイテク銘柄を中心とした成長株に投資するファンドでした。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
アライアンス・B | AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 3,835.2 | -18.0% |
ゴールドマン・S | netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無) | 6,288.8 | -12.5% |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 3,731.7 | -12.0% |
AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,925.1 | -11.8% |
AM-One | 投資のソムリエ | 5,222.7 | -10.3% |
騰落率(過去5年)−騰落率トップは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった25本のファンドのうち過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは21本でした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は13.7%でした。
純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズの為替ヘッジ無しのタイプのファンドでした。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
1 | アライアンス | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 6,710.5 | 13.74% |
2 | アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,125.4 | 13.67% |
3 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 7,641.9 | 12.3% |
4 | ゴールドマン | netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) | 6,288.8 | 11.9% |
5 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) | 6,892.1 | 11.4% |
【投資信託の純資産額ランキング(2023年1月)】
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年) | 騰落率(5年・年率) |
1 | アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,125.4 | -124.4 | -3.8% | 13.7% |
2 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 17,058.1 | 632.6 | 3.9% |
– |
3 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) | 10,092.9 | 38.8 | 14.1% | 8.8% |
4 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 8,527.0 | 427.3 | 5.0% |
– |
5 | One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 8,310.9 | -44.1 | -8.2% |
– |
6 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 7,641.9 | 228.5 | 3.6% | 12.3% |
7 | SBI | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 | 7,561.8 | 260.0 | 3.8% |
– |
8 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) | 6,892.1 | 121.1 | 0.9% | 11.4% |
9 | フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 6,757.1 | 68.1 | 2.1% | 10.4% |
10 | アライアンス | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 6,710.5 | 9.9 | -3.9% | 13.7% |
11 | ゴールドマン | netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無) | 6,288.8 | -17.9 | -12.5% | 11.9% |
12 | 大和 | ダイワFW 日本債券セレクト | 6,089.0 | 4.5 | -6.4% | -0.9% |
13 | One | 投資のソムリエ | 5,222.7 | -14.7 | -10.3% | -0.5% |
14 | 大和 | ダイワFW 日本株式セレクト | 5,054.0 | 15.1 | 6.8% | 3.5% |
15 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,034.6 | 45.1 | 8.8% | 6.5% |
16 | One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,925.1 | -26.2 | -11.8% | 7.7% |
17 | レオス | ひふみプラス | 4,768.9 | 24.1 | 0.7% | 1.0% |
18 | フィデリティ | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 4,590.9 | -7.2 | 0.3% | 3.0% |
19 | One | 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 | 4,450.3 | 47.5 | -0.8% | 8.1% |
20 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 | 4,410.1 | -104.4 | -4.5% | -1.2% |
21 | ニッセイ | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 4,338.2 | 46.5 | 5.4% | 10.9% |
22 | 野村 | 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(DC) | 4,298.0 | 29.6 | 5.4% | 10.8% |
23 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 4,208.6 | 78.7 | -2.8% | 5.0% |
24 | フィデリティ | フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 | 4,207.0 | 27.1 | 11.8% |
– |
25 | 大和 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 4,133.4 | 91.1 | -3.2% | 4.1% |
26 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 3,909.7 | 76.2 | 5.5% | 10.9% |
27 | アライアンス | AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 3,835.2 | -57.1 | -18.0% | 7.7% |
28 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) | 3,808.2 | -31.5 | 2.4% | 9.4% |
29 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 3,731.7 | -32.5 | -12.0% | 6.8% |
30 | 三井住友DS | 日興FW・日本債券ファンド | 3,499.9 | 13.5 | -5.1% | -0.8% |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)