国内最大ファンド・ランキング(2024年1月)ーeMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)が1位を独走中


「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」が1位を独走中−運用残高は3兆4,314億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2024年1月末現在の投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が、12カ月連続で1位を維持しました。月末純資産総額は前月から14.4%(金額で4,326億円)と大幅に増加し3兆4,314億円になりました。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国を代表する株価指数の「S&P 500指数」(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。設定は2018年7月、信託期間は無期限。信託報酬率は年率0.09372%以内(税込)。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の設定来の純資産総額の推移は次の通りです。直近のデータによると、純資産総額は2024年2月28日現在、3兆7,000億円を超えています。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)の純資産総額の推移

(データ出所:三菱UFJアセットマネジメントHP)

「eMAXIS Slim」は三菱UFJアセットマネジメントが運用する低コストのインデックスファンドシリーズのブランド名です。三菱UFJアセットマネジメントでは、eMAXIS Slimシリーズにおいて、業界最低水準の運用コストを目指しています。2024年1月末日現在、14本のeMAXIS Slimシリーズのファンドが運用されています。また、純資産ランキングにおいて上位30位ファンドに3本がランクインしています。

eMAXIS Slimのホームページ→https://emaxis.jp/lp/slim/pr1/

一方、投信資料館がフォローしているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2024年1月末の純資産総額は前月比5.0%(金額で260億円)増加し、約5,473.9億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。

ひふみプラスの純資産総額の推移

純資産上位ファンドの資金増減状況

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」でした。同ファンドの2024年1月の月間資金増加額は約3,429億円と大幅な資金流入が見られました。2014年1月にスタートした新NISAでの資金流入が寄与しているものと推測されます。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。

なお、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2023」において第1位を獲得しています。

純資産上位30位ファンドのうち2024年1月に資金増加となったのは、21ファンドでした。

 

月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。

<月間資金増加額上位5位ファンド(2024年1月)>

ランキング 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 22,768.6 3,428.6
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 34,313.8 2,078.9
3 インベスコ インベスコ世界厳選株式Opン(ヘッジ無/毎月)《世界のベスト》 11,366.8 514.3
4 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配提示 23,982.0 449.3
5 アライアンス AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 10,255.9 278.5

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」で、減少額は約121億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

<月間資金減少額が最も大きかったファンド>

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,639.1 -120.8
ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 9,003.5 -107.8
レオス ひふみプラス 5,473.9 -104.7
大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) 7,345.8 -79.4
One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,525.2 -75.9

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無)」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率(運用成績)は全てのファンドでプラスでした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無)」で、騰落率は69.7%でした。同ファンドは、主にテクノロジーの発展により恩恵を受ける米国企業の株式に投資するファンドで、1999年11月に設定され、既に24年の運用実績があります。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった上位5本は次の通りです。すべてハイテク成長株を中心に投資するファンドでした。

ランキング 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 ゴールドマン netWIN テクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無) 9,719.2 69.7%
2 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,639.1 56.9%
3 三井住友DS グローバルAIファンド 4,381.1 52.2%
4 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,525.2 51.6%
5 アライアンス AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 10,255.9 50.6%

一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も低かったのは、三井住友DSアセットマネジメントの「日興FW・日本債券ファンド」で騰落率は0.04%でした。

純資産上位30位ファンドの中で過去1年の騰落率が最も低かった5本は次の通りです。5本中2本は、日本の債券に投資するタイプのファンドでした。

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
三井住友DS 日興FW・日本債券ファンド 5,006.5 0.04%
大和 ダイワFW 日本債券セレクト 6,695.7 0.2%
ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 9,003.5 3.2%
One 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 4,413.9 8.1%
フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,134.0 13.4%

騰落率(過去5年)−5年騰落率トップも「netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった27本のファンドのうち過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは25本でした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのも、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無)」で、5年騰落率(年率)は24.0%でした。

純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率(年率)が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中4本は米国を中心としたハイテク成長株式に投資するタイプのファンドでした。

ランキング 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 ゴールドマン netWIN テクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 9,719.2 24.0%
2 三井住友DS グローバルAIファンド 4,381.1 23.1%
3 アライアンス AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 10,255.9 23.0%
4 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配提示 23,982.0 22.9%
5 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 34,313.8 21.6%

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが21本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、日本の債券に投資するファンドが2本、外国の債券に投資するファンドが1本でした。

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

純資産上位ファンドの投資対象

分配頻度

純資産上位30位ファンドの分配頻度を見ると、年1回分配のファンドが20本と最も多くなっています。

純資産上位ファンドの分配頻度

投資信託の純資産額ランキング(2024年1月)

ランキング 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 34,313.8 2,078.9 40.5% 21.6%
2 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配提示 23,982.0 449.3 50.1% 22.9%
3 三菱 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 22,768.6 3,428.6 32.1% 17.5%
4 SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 13,409.3 266.6 40.2%
5 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 12,969.0 35.4 38.7% 20.7%
6 インベスコ インベスコ世界厳選株式Opン(ヘッジ無/毎月)《世界のベスト》 11,366.8 514.3 33.0% 15.2%
7 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,639.1 -120.8 56.9%
8 アライアンス AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 10,255.9 278.5 50.6% 23.0%
9 ゴールドマン netWIN テクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 9,719.2 49.7 69.7% 24.0%
10 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 9,003.5 -107.8 3.2% 8.6%
11 大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) 7,345.8 -79.4 13.7% 11.9%
12 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,134.0 14.6 13.4% 11.0%
13 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 6,781.7 9.2 20.5% 10.5%
14 大和 ダイワFW 日本株式セレクト 6,718.0 42.2 28.4% 13.2%
15 大和 ダイワFW 日本債券セレクト 6,695.7 29.4 0.2% -1.1%
16 フィデリティ フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 6,581.3 172.6 26.8%
17 野村 野村外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(DC) 6,535.8 86.3 35.4% 19.3%
18 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,525.2 -75.9 51.6% 18.3%
19 ニッセイ 〈購入・換金手数料なし〉外国株式インデックスF 6,290.2 -3.7 35.4% 19.4%
20 三菱UFJ eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 6,241.5 75.8 35.4% 19.4%
21 キャピタル 世界株式ファンド 5,632.1 120.0 31.7% 18.0%
22 レオス ひふみプラス 5,473.9 -104.7 25.8% 10.0%
23 フィデリティ フィデリティ・日本成長株・ファンド 5,307.8 -30.6 21.8% 12.2%
24 三井住友DS 日興FW・日本債券ファンド 5,006.5 16.1 0.0% -1.0%
25 大和 ダイワFW 外国株式セレクト 4,664.4 38.6 32.5% 18.0%
26 One DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金> 4,624.8 20.0 35.2% 19.2%
27 One たわらノーロード 先進国株式 4,620.2 99.2 35.4% 19.4%
28 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) 4,564.6 259.7 40.4% 21.2%
29 One 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 4,413.9 -9.9 8.1% 8.3%
30 三井住友DS グローバルAIファンド 4,381.1 -70.1 52.2% 23.1%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)