投資信託の運用残高ランキング(2021年3月)


グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》が1位に−運用残高は1兆290億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年3月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

アセットマネジメントOne株式会社が運用する「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」が1位を維持しました。

「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」は、日本や新興国を含む世界の株式を対象に、投資アイデアの分析・評価や、個別企業の競争優位性、成長力、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みなどの評価に基づき選定した質の高いと考えられる企業の中から、市場価格が理論価格より割安と判断される銘柄を厳選して投資を行うファンドです。設定は2020年7月で、信託期間は2030年7月12日までです。販売会社は、みずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行。

なお、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年3月末の純資産総額は前月比5.8%(金額で254億円)増加し4,627億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。また、ひふみプラスは過去1年の騰落率47.4%、過去5年の騰落率が13.3%(年率)と、好調な運用成績を誇っています。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」と三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2本です。

ひふみプラスの運用残高推移

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが14本と最も多く、次いでアロケーション型と日本の株式に投資するファンドが各々4本、外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドが3本、外国の債券に投資するファンドと国内のREITに投資するファンドが各々2本、日本の債券に投資するファンドが1本でした。

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

運用残高が大きい投資信託の投資対象内訳

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、資金増加額は602.3億円でした。

同ファンドは、主に、世界の上場株式の中から、破壊的イノベーションーを起こし得るビジネスを行なう企業の株式を実質的な投資対象とするファンドです。同ファンドでは、商品やサービスの性能をより高める「持続的(継続的)イノベーション」に対して、既存の技術やノウハウの価値を破壊し、全く新しい商品やサービスを生み出すものを「破壊的イノベーション」と定義しています。「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」は米国のアーク・インベストメント・マネジメントからの助言を受けています。設定は2019年6月で、信託期間は2029年5月21日までです。

なお、2021年3月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち16ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年3月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 9,384 602.3
2 日興AM デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 5,934 499.2
3 AM-One 投資のソムリエ 4,958 484.0
4 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,290 477.4
5 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 8,078 377.3

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、フィデリティ投信の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」で、減少額は約74.8億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,201 -74.8
ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,746 -65.3
大和AM ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,166 -52.6
東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,376 -48.9
大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,155 -47.5

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンド全ての騰落率はプラスでした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、騰落率は156.9%でした。好調な運用成績が資金流入に寄与している模様です。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 9,384 156.9%
2 三井住友DS グローバルAIファンド 3,774 137.1%
3 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,389 74.6%
4 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,920 74.1%
5 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,992 72.5%

 

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略ファンド B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった22本については、全てのファンドにおいて過去5年の騰落率(年率)はプラスでした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は23.8%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,668 23.8%
2 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,389 19.2%
3 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,920 19.1%
4 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 8,078 18.9%
5 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 4,044 17.4%

 

 

【投資信託の純資産総額ランキング(2021年3月)】

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,290 477.4
2 ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,746 -65.3 18.6 4.6
3 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 9,384 602.3 156.9

4 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 8,078 377.3 50.0 18.9
5 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,992 41.8 72.5

6 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,668 -41.9 58.7 23.8
7 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,568 -17.9 65.6

8 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,376 -48.9 3.0 0.6
9 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,155 -47.5 38.1 5.5
10 日興AM デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 5,934 499.2
11 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 5,856 -14.0 32.0 4.6
12 大和AM ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 5,407 180.4 0.3 0.2
13 フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,201 -74.8 27.1 6.5
14 AM-One 投資のソムリエ 4,958 484.0 3.5 2.8
15 フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,713 8.7 54.0 11.9
16 レオス ひふみプラス 4,627 30.9 47.4 13.3
17 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,626 -29.5 27.7 3.7
18 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,578 50.1 58.7

19 大和AM ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,166 -52.6 46.5 10.5
20 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 4,100 41.7 30.8 6.7
21 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 4,044 234.4 46.4 17.4
22 大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 4,043 160.6 30.6 4.4
23 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,920 57.3 74.1 19.1
24 三井住友DS グローバルAIファンド 3,774 155.4 137.1

25 日興AM 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,600 -28.0 24.6 5.9
26 三菱UFJ国際投信 グローバル・ソブリン・オープン (毎月) 3,591 -40.3 3.2 1.0
27 日興AM スマート・ファイブ(毎月) 3,559 -13.5 4.9 2.0
28 さわかみ投信 さわかみファンド 3,450 -12.0 44.3 10.1
29 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 3,398 325.4 55.5
30 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,389 -15.7 74.6 19.2

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)