国内最大ファンド・ランキング(2024年3月)-「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」が1位を独走中


「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」が1位を独走中−運用残高は4兆円超

モーニングスター/イボットソンの「JITRI(Japan Investment Trust Research Institute/投資信託事情)ランキング」によると、投資信託の2024年3月末現在の国内最大ファンド・ランキング(上位20位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が、14カ月連続で1位を維持しました。同ファンドの月末純資産総額は前月から+8.5%(金額で3,227億円)と大幅に増加し4兆1,202億円に達しました。なお、直近のデータによると、純資産総額は2024年5月2日現在、4兆2,000億円を超えています。

追加型株式投資信託(ETFを除く)の総数は5,452本で、1本当たりの平均純資産総額は約220億円です。このデータを踏まえると、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産総額と月間増加額の規模がいかに驚異的であるかが容易に理解できます。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国を代表する株価指数の「S&P 500指数」(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。設定は2018年7月、信託期間は無期限。信託報酬率は年率0.09372%以内(税込)。

なお、「eMAXIS Slim」は三菱UFJアセットマネジメントが運用する低コストのインデックスファンドシリーズのブランド名です。三菱UFJアセットマネジメントでは、eMAXIS Slimシリーズにおいて、業界最低水準の運用コストを目指しています。2024年3月末日現在、14本のeMAXIS Slimシリーズのファンドが運用されています。また、純資産ランキングにおいて上位20位ファンドに3本がランクインしています。

eMAXIS Slimのホームページ→https://emaxis.jp/lp/slim/pr1/

 

資金増減状況−最も人気が高いのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見てみましょう。

2024年3月末現在、純資産額が500億円以上のファンドが431本ありますが、その中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」でした。2024年3月の月間資金増加額は約1,923億円と大幅な資金流入が継続しています。2024年1月にスタートした新NISAでその人気に拍車がかかっている模様です。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドで、「オルカン」の愛称で知られています。

なお、純資産総額が500億円以上の431ファンドのうち2024年3月に資金増加となったのは、246ファンドでした。

月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。

<月間資金増加額上位5位ファンド(2024年3月)>

ランキング 運用会社 ファンド名 月間資金増加額(億円)
1 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 1,923.5
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 1,552.3
3 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 763.3
4 インベスコ インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 502.4
5 三井住友トラスト 半導体関連 世界株式戦略ファンド《半導体革命》 321.9

一方、純資産総額500億円以上のファンド(ETFを除く)の中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、ピクテ・ジャパンの「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」で、減少額は約144.6億円でした。純資産額500億円以上のファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

<月間資金減少額が最も大きかったファンド>

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 9,092 -144.6
One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 11,328 -142.0
⼤和 ダイワFW 日本株式セレクト 7,195 -140.7
One 投資のソムリエ 4,037 -96.0
⼤和 ダイワFW 外国株式セレクト エマージングプラス 2,006 -90.1

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「楽天日本株4.3倍ブル」

次に、純資産総額500億円以上の投資信託の過去1年の騰落率を見ると、運用期間が1年未満の13本を除いた418本のうち、394本で1年騰落率がプラスになりました。

過去1年の騰落率が最も高かったのは、楽天投信投資顧問の「楽天日本株4.3倍ブル」で、騰落率は317.1%でした。同ファンドは、日々の基準価額の値動きが、日本の株式市場全体の日々の値動きの概ね4.3倍程度となることを目指して運用されるブル型ファンドです。

純資産総額500億円以上の投資信託の中で、過去1年の騰落率が最も高かった上位5本は次の通りです。1位と2位は、日本の株式市場を対象としてブル型ファンドでした。また、5位の「トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド」は、トヨタ自動車と小糸製作所、デンソー、豊田自動織機などトヨタグループの株式19銘柄(2024年3月現在)で構成される投資信託です。

ランキング 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 楽天 楽天日本株4.3倍ブル 670 317.1%
2 SBI SBI 日本株4.3ブル 518 315.8%
3 野村 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) 2,780 106.9%
4 ⼤和 iFreeNEXT FANG+インデックス 1,498 86.9%
5 三井住友DS トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド 2,045 84.9%

一方、純資産総額500億円以上の投資信託(ETFを除く)の中で、過去1年の運用成績のマイナスが最も大きかったファンド5本は次の通りです。全て債券に投資するタイプの投資信託でした。

運用会社 ファンド名 純資産総額 1年騰落率
野村 野村ファンドラップ債券プレミア 2,441 -3.9%
⼤和 ダイワFW 外国債券インデックス(ヘッジ有) 991 -3.7%
りそな FWりそな先進国債券インデックスファンド(ヘッジ有) 536 -3.4%
りそな FWりそな円建債券アクティブファンド 1,154 -3.0%
インベスコ 国内債券インデックス・オープン(ラップ) 537 -2.6%

騰落率(過去5年)−5年騰落率トップは「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額500億円以上の投資信託の中で5年以上の運用実績があった354本のファンドのうち過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは322本でした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、野村アセットマネジメントの「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」で、5年騰落率(年率)は42.5%でした。同ファンドは世界各国の半導体関連企業の株式を主要投資対象とするファンドです。

純資産額500億円以上の投資信託の中で、過去5年の騰落率(年率)が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中3本はブル型タイプのファンドでした。

ランキング 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 野村 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) 2,780 42.5%
2 楽天 楽天日本株4.3倍ブル 670 42.4%
3 SBI SBI 日本株4.3ブル 518 41.6%
4 ⼤和 iFreeNEXT FANG+インデックス 1,498 38.1%
5 ⼤和 iFreeレバレッジ NASDAQ100 2,587 29.5%

投資信託の純資産額ランキング上位20位(2024年3月)

ランキング 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 41,202 1,552.3 49.0% 22.2%
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 29,291 1,923.5 41.1% 18.2%
3 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 26,591 763.3 55.5% 23.1%
4 SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 15,246 228.9 48.6%

5 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 14,442 112.5 48.2% 21.2%
6 インベスコ インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 12,820 502.4 37.0% 15.7%
7 アライアンス AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 11,896 296.7 56.0% 23.3%
8 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 11,328 -142.0 61.4%

9 ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 10,640 112.5 67.1% 23.2%
10 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 9,092 -144.6 8.0% 8.5%
11 フィデリティ フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 7,644 193.4 39.1%

12 ⼤和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) 7,513 -71.4 26.5% 11.4%
13 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,337 2.2 24.2% 10.6%
14 野村 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(DC) 7,311 82.9 43.6% 19.9%
15 ⼤和 ダイワFW 日本株式セレクト 7,195 -140.7 39.0% 14.6%
16 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,118 -56.6 58.7% 18.5%
17 ⼤和 ダイワFW 日本債券セレクト 7,039 183.5 -1.7% -1.3%
18 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(毎月)B(ヘッジ無) 7,026 38.5 24.0% 10.5%
19 三菱UFJ eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 6,980 69.1 43.6% 19.9%
20 ニッセイ <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 6,908 13.4 43.5% 19.9%

(データ出所:JITRI(Japan Investment Trust Research Institute/投資信託事情)ランキング)