グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)が1位を維持−運用残高は1兆964億円
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年4月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
アセットマネジメントOne株式会社が運用する「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」が1位を維持しました。同ファンドの2021年4月末の運用残高は1兆964億円でした。
「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」は、日本や新興国を含む世界の株式を対象に、投資アイデアの分析・評価や、個別企業の競争優位性、成長力、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みなどの評価に基づき選定した質の高いと考えられる企業の中から、市場価格が理論価格より割安と判断される銘柄を厳選して投資を行うファンドです。設定は2020年7月で、信託期間は2030年7月12日までです。販売会社は、みずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行。
なお、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年4月末の純資産総額は前月比1.6%(金額で76億円)減少し4,551億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。また、ひふみプラスは過去1年の騰落率36.0%、過去5年の騰落率が13.5%(年率)と、好調な運用成績を誇っています。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」と三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2本です。
投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが14本と最も多く、次いでアロケーション型と外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンドが各4本、日本の株式に投資するファンドが3本、外国の債券に投資するファンドと国内のREITに投資するファンドが各々2本、日本の債券に投資するファンドが1本でした。
純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、アライアンス・バーンスタインの「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」で、資金増加額は408.1億円でした。
「AB米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、主に成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。2021年4月末現在、上位組入銘柄には、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックなど、米国のIT大手が並んでいます。
このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月)に、分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額の分配を目指すことを言います。
毎計算期末の前営業日の基準価額 | 分配金額(1万口あたり、税引前) |
11,000円未満 | 基準価額の水準等を勘案して決定 |
11,000円以上12,000円未満 | 200円 |
12,000円以上13,000円未満 | 300円 |
13,000円以上14,000円未満 | 400円 |
14,000円以上 | 500円 |
「AB米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」が設定されたのは2014年9月で、信託期間は2034年6月15日までです。
なお、2021年4月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち12ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年4月)>
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
1 | アライアンス・バーンスタイン | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 8,939 | 408.1 |
2 | 三菱UFJ国際 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 3,960 | 392.2 |
3 | 日興 | デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 | 6,630 | 320.5 |
4 | AM-One | 投資のソムリエ | 5,174 | 223.5 |
5 | アライアンス・バーンスタイン | AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 4,548 | 210.7 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社の「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド《アメリカン・ロイヤルロード》」で、減少額は約436.87億円でした。
純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
Tロウ・プライス | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 4,487 | -436.9 |
ゴールドマン・S | netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無) | 6,968 | -173.3 |
ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,715 | -161.0 |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 6,887 | -117.4 |
フィデリティ投信 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,091 | -66.5 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンド全ての騰落率はプラスでした。
純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、騰落率は117.9%でした。
純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
1 | 日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 9,789 | 117.9% |
2 | 三井住友DS | グローバルAIファンド | 4,060 | 115.4% |
3 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 7,463 | 65.9% |
4 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 6,887 | 64.6% |
5 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,484 | 61.7% |
騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった22本については、全てのファンドにおいて過去5年の騰落率(年率)はプラスでした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は26.1%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
1 | ゴールドマン・S | netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無) | 6,968 | 26.1% |
2 | アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 8,939 | 21.3% |
3 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,484 | 19.9% |
4 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 4,073 | 19.8% |
5 | アライアンス・B | AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 4,548 | 19.6% |
投資信託の純資産総額ランキング(2021年4月)
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年) | 騰落率(5年・年率) |
1 | AM-One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 10,964 | 31.6 |
– |
– |
2 | 日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 9,789 | -31.5 | 117.9 | – |
3 | ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,715 | -161.0 | 16.4 | 5.5 |
4 | アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 8,939 | 408.1 | 47.2 | 21.3 |
5 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 7,463 | 36.1 | 65.9 |
– |
6 | ゴールドマン・S | netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無) | 6,968 | -173.3 | 52.7 | 26.1 |
7 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 6,887 | -117.4 | 64.6 | – |
8 | 日興AM | デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 | 6,630 | 320.5 |
– |
– |
9 | 大和AM | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 6,386 | -37.8 | 39.7 | 7.4 |
10 | 東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 6,299 | -59.1 | 3.1 | 0.5 |
11 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 6,081 | -20.5 | 32.6 | 6.5 |
12 | 大和AM | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 5,521 | 107.2 | 0.2 | 0.2 |
13 | AM-One | 投資のソムリエ | 5,174 | 223.5 | 2.7 | 2.8 |
14 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,091 | -66.5 | 23.4 | 6.3 |
15 | AM-One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 4,739 | -50.8 | 26.7 | 5.3 |
16 | フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 4,595 | -3.9 | 39.0 | 11.5 |
17 | レオス | ひふみプラス | 4,551 | 3.3 | 36.0 | 13.5 |
18 | アライアンス・B | AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 4,548 | 210.7 | 43.8 | 19.6 |
19 | Tロウ・プライス | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 4,487 | -436.9 | 52.7 |
– |
20 | 大和AM | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 4,183 | 101.9 | 35.4 | 4.6 |
21 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 4,178 | -13.4 | 36.5 | 6.8 |
22 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 4,073 | 15.7 | 61.2 | 19.8 |
23 | 三井住友DS | グローバルAIファンド | 4,060 | 70.6 | 115.4 |
– |
24 | 大和AM | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 4,046 | -11.8 | 38.9 | 9.8 |
25 | 三菱UFJ国際投信 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 3,960 | 392.2 | 48.0 |
– |
26 | 日興AM | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 3,588 | -4.6 | 22.8 | 6.1 |
27 | 日興AM | スマート・ファイブ(毎月) | 3,575 | -16.1 | 4.3 | 1.9 |
28 | 三菱UFJ国際投信 | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 3,550 | -39.4 | 4.9 | 1.5 |
29 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,484 | -24.0 | 61.7 | 19.9 |
30 | 日興AM | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 3,446 | -61.7 | 36.3 | 3.9 |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)