国内最大ファンド・ランキング(2024年7月)


「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」が1位を独走中−運用残高は約5兆円

モーニングスター/イボットソンの「JITRI(Japan Investment Trust Research Institute/投資信託事情)ランキング」によると、投資信託の2024年7月末現在の国内最大ファンド・ランキング(純資産総額上位20位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

 

【投資信託の純資産額ランキング上位20位(2024年7月)】

ランキング 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 49,821 2,004.7 29.9% 22.0%
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 38,375 2,240.7 25.1% 18.4%
3 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 28,263 1,687.0 30.2% 21.9%
4 SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 17,027 296.4 29.8%

5 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 15,702 167.7 29.0% 21.1%
6 インベスコ インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 14,741 592.8 23.6% 17.2%
7 アライアンス AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 13,210 428.5 30.3% 22.1%
8 ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無) 10,707 19.3 31.5% 21.4%
9 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,298 -117.2 25.0%

10 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 9,044 -180.2 11.8% 10.1%
11 フィデリティ フィデリティ・世界割安成長株投信B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 8,966 264.0 24.9%

12 野村 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(DC) 7,969 84.8 26.7% 19.9%
13 ⼤和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) 7,648 -67.1 20.3% 12.8%
14 三菱UFJ eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 7,645 105.5 26.7% 19.9%
15 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,546 9.4 20.1% 11.9%
16 ニッセイ <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 7,320 37.3 26.7% 19.9%
17 ⼤和 ダイワFW 日本株式セレクト 7,278 33.1 21.3% 14.5%
18 ⼤和 ダイワFW 日本債券セレクト 7,266 93.8 -2.9% -1.8%
19 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(毎月)B(ヘッジ無) 7,137 30.1 17.2% 10.9%
20 キャピタル キャピタル世界株式ファンド 7,042 111.6 22.4% 18.1%

(データ出所:JITRI(Japan Investment Trust Research Institute/投資信託事情)ランキング)

三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が、18カ月連続で1位を維持しました。同ファンドの月末純資産総額は前月から2.4%(金額で1,243億円)減少し4兆9,821億円でした。

2024年7月末現在、追加型株式投資信託(ETFを除く)のファンド総数は5,388本で、1本当たりの平均純資産総額は約237億円です。このデータを踏まえると、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」をはじめ、上位20位のファンドの純資産総額がいかに大きいかがよくわかります。また、純資産総額が1兆円を超えるファンドは5,388本中わずか9本です。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国を代表する株価指数の「S&P 500指数」(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。設定は2018年7月、信託期間は無期限。信託報酬率は年率0.09372%以内(税込)です。

なお、「eMAXIS Slim」は三菱UFJアセットマネジメントが運用する低コストのインデックスファンドシリーズのブランド名です。三菱UFJアセットマネジメントでは、eMAXIS Slimシリーズにおいて、業界最低水準の運用コストを目指しています。2024年7月末日現在、14本のeMAXIS Slimシリーズのファンドが運用されています。また、純資産ランキングにおいて上位20位ファンドに3本がランクインしています。

eMAXIS Slimのホームページ→https://emaxis.jp/lp/slim/pr1/

資金増減状況−最も人気が高いのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見てみましょう。

2024年7月末現在、純資産総額が500億円以上のファンドが477本ありますが、その中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」でした。同ファンドの2024年7月の月間資金増加額は約2,240.7億円と大幅な資金流入が継続しています。2024年1月にスタートした新NISAでその人気に拍車がかかっている模様です。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドで、「オルカン」の愛称で知られています。

なお、純資産総額500億円以上のファンドにおいて(ETF、限定追加型を除く)、月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。

<月間資金増加額上位5位ファンド(2024年7月)>

ランキング 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 38,375 2,240.7
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 49,821 2,004.7
3 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 28,263 1,687.00
4 インベスコ インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 14,741 592.8
5 HSBC HSBC インド・インフラ株式オープン 3,887 538.0

一方、純資産総額500億円以上のファンド(ETF、限定追加型を除く)の中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、ピクテ・ジャパンの「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」で、減少額は約180.2億円でした。純資産総額500億円以上のファンドで月間の資金減少額が最も大きかったファンドは次の通りでした。

<月間資金減少額が最も大きかったファンド>

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 9,044 -180.2
One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,298 -117.2
三井住友DS PIMCO グローバル・ターゲット戦略債券F2021-06(限定追加) 957 -115.6
⼤和 ダイワJ-REITオープン(毎月) 2,469 -108.7
ゴールドマン GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ B(ヘッジ無)《nextWIN》 2,053 -106.9

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「SBI 日本株4.3ブル」

過去1年の騰落率(運用成績)が最も高かったのは、SBIアセットマネジメントの「SBI 日本株4.3ブル」で、騰落率は69.8%でした。同ファンドは公社債に投資するとともに、株価指数先物取引を積極的に活用し、日々の基準価額の値動きが日本の株式市場全体の値動きの概ね4.3倍程度となる投資成果を目指して運用されるブルベア型の投資信託です。

純資産総額500億円以上の投資信託の中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

ランキング 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 SBI SBI 日本株4.3ブル 600 69.8%
2 楽天 楽天日本株4.3倍ブル 763 69.5%
3 HSBC HSBC インド・インフラ株式オープン 3,887 68.3%
4 野村 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) 3,858 61.3%
5 イーストスプリング イーストスプリング・インド・インフラ株式ファンド 766 55.9%

一方、純資産総額500億円以上の投資信託(ETFを除く)の中で、過去1年の運用成績のマイナスが最も大きかったのは日興アセットマネジメントの「ジパング・オーナー企業株式ファンド」で騰落率は-12.0%でした。なお、過去1年の騰落率下位5位のファンドは次の通りです。5本中3本はJリートに投資するタイプのファンドでした。また、純資産総額500億円以上の投資信託の過去1年の騰落率を見ると、運用期間が1年未満のファンドを除いた462本のうち、1年騰落率がマイナスだったのは40本でした。

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 1年騰落率
⽇興 ジパング・オーナー企業株式ファンド 520 -12.0%
三井住友DS グローバルEV関連株ファンド(ヘッジ無)《EV革命》 581 -7.4%
AM-One りそなJリート・アクティブ・オープン《日本のツボ》 540 -5.7%
三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(年2回) 606 -5.6%
三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,177 -5.5%

騰落率(過去5年)−5年騰落率トップは「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額500億円以上の投資信託の中で5年以上の運用実績があった398本のファンドのうち過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、野村アセットマネジメントの「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」で、5年騰落率(年率)は41.4%でした。

また、過去5年の騰落率(年率)がマイナスだったのは37本でした。

純資産額500億円以上の投資信託の中で、過去5年の騰落率(年率)が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本は日本株のブル型タイプのファンドでした。

ランキング 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 野村 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) 3,858 41.4%
2 ⼤和 iFreeNEXT FANG+インデックス 2,465 40.7%
3 楽天 楽天日本株4.3倍ブル 763 35.2%
4 SBI SBI 日本株4.3ブル 600 34.6%
5 HSBC HSBC インド・インフラ株式オープン 3,887 30.6%

一方、過去5年騰落率が最も低かった5本は次の通りでした。5本とも債券に投資するタイプのファンドでした。

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
野村 野村ファンドラップ債券プレミア 2,324 -4.4%
りそな FWりそな先進国債券インデックスファンド(ヘッジ有) 586 -4.0%
⼤和 ダイワFW 外国債券インデックス(ヘッジ有) 996 -3.9%
UBS UBS世界公共インフラ債券投信(通貨選択型)円(毎月) 534 -3.8%
りそな FWりそな円建債券アクティブファンド 1,219 -3.4%