国内最大ファンド・ランキング(2021年11月)


「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆5,689億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年11月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

 

アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持しました。純資産額は1兆5,689億円で、前月から1,414億円増加しました。

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日)に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。

 

毎計算期末の前営業日の基準価額 分配金額(1万口あたり、税引前)
11,000円未満 基準価額の水準等を勘案して決定
11,000円以上12,000円未満 200円
12,000円以上13,000円未満 300円
13,000円以上14,000円未満 400円
14,000円以上 500円

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日までです。上位組入銘柄には、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、メタ・プラットフォームズなど、米国のIT大手が並んでいます。(2021年11月末現在)

 

一方、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年11月末の純資産総額は前月4.2%(金額で205億円)減少し4,681億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、楽天投信の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」、SBIアセットマネジメントの「SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》」の4本です。

ひふみプラスの純資産総額の推移

上位ファンドの投資対象

 

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが19本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、アロケーション型が2本、日本の債券に投資するファンドと外国の債券に投資するファンド、そして国内のREITに投資するファンドが各々1本でした。

 

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

上位ファンの投資対象

上位ファンドの分配頻度

 

純資産上位30位ファンドの分配頻度を見ると、年1回分配が16本と最も多く、次いで年12回(毎月分配型)が9本、年2回が5本でした。純資産上位のファンドでは、毎月分配型の割合は減少傾向にあります。

上位ファンドの分配頻度

ファンドの人気が分かる資金増減状況

 

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、アライアンス・バーンスタインの「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」で、月間増加額は約1,256.2億円でした。

 

なお、2021年11月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち16ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。5本中2本がアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年11月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 15,689 1,256.2
2 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 8,265 763.5
3 SBI AM SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 4,032 347.2
4 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 5,049 325.5
5 楽天投信 楽天・全米株式インデックス・ファンド 4,258 257.4

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、日興アセットマネジメントの「デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》」で、減少額は約321億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
日興AM デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 4,947 -321.0
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,138 -208.2
日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,099 -168.4
ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,035 -83.2
東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 5,779 -52.9

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「サイバーセキュリティ株式オープン(ヘッジ無)」

 

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率(運用成績)を見ると、1年以上の運用期間があった29本のファンド全ての騰落率(運用成績)はプラスでした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、三菱UFJ国際投信の「サイバーセキュリティ株式オープン(ヘッジ無)」で、騰落率は58.1%でした。「サイバーセキュリティ株式オープン(ヘッジ無)「は、主として日本を含む世界のサイバーセキュリティ関連企業の株式に投資を行うファンドで、2017年7月13日に設定されました。信託期限は2032年6月4日までで、信託報酬率は年率1.870%(税込)です。

 

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 三菱UFJ国際投信 サイバーセキュリティ株式オープン(ヘッジ無) 4,075 58.1%
2 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,899 48.6%
3 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 6,814 48.5%
4 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,910 44.0%
5 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 5,049 42.2%

 

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「グローバルAIファンド」

 

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった19本全てで過去5年の騰落率(年率)がプラスでした。

 

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルAIファンド」で、騰落率(年率)は29.7%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 三井住友DS グローバルAIファンド 4,283 29.7%
2 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 7,894 26.4%
3 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 5,049 24.3%
4 アライアンス・B アライアンスB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 15,689 24.1%
5 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,386 23.7%

 

 

投資信託の純資産額ランキング(2021年11月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 15,689 1,256.2 41.7% 24.1%
2 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 11,769 46.4 13.5%
3 ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,035 -83.2 12.3% 7.3%
4 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 8,265 763.5 41.8%
5 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,099 -168.4 3.8%
6 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 7,894 74.1 35.9% 26.4%
7 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,386 -28.5 13.0% 23.7%
8 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,899 -14.7 48.6% 10.8%
9 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 6,814 -10.2 48.5% 9.8%
10 AM-One 投資のソムリエ 6,384 110.3 0.9% 2.8%
11 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,138 -208.2 23.8%
12 大和AM ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 6,029 94.0 0.7% 0.5%
13 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 6,013 162.7 29.7% 22.1%
14 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 5,779 -52.9 2.3% 0.4%
15 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 5,049 325.5 42.2% 24.3%
16 フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,980 -1.2 12.8% 11.7%
17 日興AM デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 4,947 -321.0 1.6%
18 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,910 -48.1 44.0% 8.5%
19 フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,871 -51.7 19.3% 6.1%
20 日興AM グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションF 4,831 68.8
21 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,723 46.8 31.2%
22 レオス ひふみプラス 4,681 8.6 3.9% 12.4%
23 大和AM ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,495 7.1 11.5% 9.3%
24 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 4,310 -14.5 29.1% 19.7%
25 三井住友DS グローバルAIファンド 4,283 -14.2 30.5% 29.7%
26 ゴールドマン・S GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズB(ヘッジ無)《nextWIN》 4,263 251.7 32.5%
27 楽天投信 楽天・全米株式インデックス・ファンド 4,258 257.4 40.1%
28 三菱UFJ国際投信 サイバーセキュリティ株式オープン(ヘッジ無) 4,075 162.4 58.1%
29 SBI AM SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 4,032 347.2 41.4%
30 大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 3,934 -4.2 21.9% 5.4%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)