投資信託の運用残高ランキング(2020年12月)ーピクテのグロインが1位を維持


ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)が1位を維持、運用残高は9,640億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2020年12月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの2020年12月末の純資産額は前月末に比べ2.9%(金額で約284億円)減少し9,640億円となりました。

「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資する投資信託です。設定されたのは2005年2月で、15年以上運用が継続しています。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。

 

投資信託の純資産総額ランキング(2020年12月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,640 -12.9 -6.1% +3.5%
2 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 8,825 855.6
3 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,192 328.0 +125.9%

4 アライアンス AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 7,082 408.4 +25.0% +15.0%
5 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,638 38.6 +44.0%

6 東京海上 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,456 -59.0 -6.1% +0.7%
7 ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,449 75.4 +33.7% +18.9%
8 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,419 -119.8 +39.2%

9 大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 5,424 94.6 -9.6% +1.2%
10 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 5,204 -44.7 -12.4% +0.8%
11 大和 ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 5,141 94.5 -0.3% +1.0%
12 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,050 -74.1 -2.4% +3.6%
13 日興 デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 4,577 636.8
14 フィデリティ フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,543 -11.7 +20.3% +8.8%
15 レオス ひふみプラス 4,529 -123.0 +20.7% +12.1%
16 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,230 46.2 27.6%

17 One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,122 -32.3 -15.8% -0.4%
18 大和 ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,033 -21.1 +14.7% +7.0%
19 One 投資のソムリエ 3,856 318.5 +4.4% +3.2%
20 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,775 -8.7 +28.5% +15.3%
21 三菱UFJ グローバル・ソブリン・オープン(毎月) 3,745 -45.0 +3.2% +0.6%
22 日興 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,621 -61.7 +2.2% +4.8%
23 日興 スマート・ファイブ(毎月) 3,599 22.3 -0.6 +3.0%
24 アライアンス AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,595 338.1 +31.9% +16.7%
25 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,567 44.1 -12.4% +5.2%
26 大和 ダイワJ-REITオープン(毎月) 3,400 93.8 -14.0% +3.5%
27 さわかみ さわかみファンド 3,307 -21.6 +11.1% +6.0%
28 三井住友DS グローバルAIファンド 3,176 72.2 +86.9%

29 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,140 -38.9 +28.8% +15.4%
30 日興 ラサール・グローバルREITファンド(毎月) 3,103 -55.3 -13.9 -1.1

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)

 

また、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の12月末の純資産額(運用残高)は前月比1%(金額で38億円)減少し、4,529億円になりました。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけです。また、ひふみプラスは過去5年の騰落率が12.1%(年率)と、純資産上位30ファンドの中で第6位の運用成績を誇っています。

ひふみプラスの残高推移

分配頻度

純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが14本、年1回分配ファンドが13本、年2回分配ファンドが3本でした。

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが13本と最も多く、次いでアロケーション型、外国のREIT(不動産投資信託)、日本の株式に投資するファンドが各々4本、外国の債券と国内のREITに投資するファンドが各々2本、日本の債券に投資するファンドが1本でした。

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

投資対象の内訳

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額(売却額)を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、6ヶ月連続でアセットマネジメントOneが2020年7月20日に設定した「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」で、資金増加額は約855億円でした。同ファンドは、日本や新興国を含む世界の株式の中から、持続可能な競争優位性を持ち、高い利益成長が期待される企業のうち、市場価格が理論価格より割安かつESG評価の観点から企業価値の向上が期待できる銘柄に投資します。信託期間は2030年7月までで、販売会社はみずほ銀行、みずほ証券、みずほ信託銀行(2020年12月末現在)です。

なお、2020年12月に資金増加となったのは純資産上位30位ファンドのうち15ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2020年12月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 8,825 855.6
2 日興 デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 4,577 636.8
3 アライアンス AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 7,082 408.4
4 アライアンス AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,595 338.1
5 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,192 328.0

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」で、減少額は約123億円でした。ひふみプラスは、好調な運用成績を背景に利益確定の売却が見られているものと推測されます。

純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
レオス ひふみプラス 4,529 -123.0
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,419 -119.8
フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,050 -74.1
日興 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,621 -61.7
東京海上 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,456 -59.0

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンドのうち1年騰落率がプラスだったのは17本でした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、6ヶ月連続で、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、騰落率は+125.9%でした。同ファンドは、世界の上場株式の中から、破壊的イノベーションを起こし得るビジネスを行なう企業の株式を投資対象とするファンドで、2019年6月に設定されました。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,192 +125.9%
2 三井住友DS グローバルAIファンド 3,176 +86.9%
3 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 6,638 +44.0%
4 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,419 +39.2%
5 ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,449 +33.7%

 

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった23本について、過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは21本でした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は18.9%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,449 +18.9%
2 アライアンス AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,595 +16.7%
3 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 3,140 +15.4%
4 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,775 +15.3%
5 アライアンス AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 7,082 +15.0%